「先に生まれただけの僕」第7話のペップトーク解説 | 映画でペップトークとアファメーション(Pep Talk & Affirmation)

映画でペップトークとアファメーション(Pep Talk & Affirmation)

ペップトーク(Pep Talk)とは人を元気にする短いスピーチで、コーチングの最後のスキルとも言われているそうです。映画に出てくるペップトークを通して、みなさんにもペップトークを知っていただければ幸いです。

「ペップトーク(pep talk)」とは、「pep=元気にする」+「talk=話をする」という意味です。

 

 

 

その名の通り、人を元気にする、人にやる気のスイッチを入れるショートスピーチ。

 

 

目の前の人を励まし、やる気のスイッチを入れるためには、その人の持つ不安やネガティブな要因を取り除いてあげなければなりません。

 

 

ネガティブな状況の多くの場合は、本人の失敗に対する不安や、間違った思い込みに起因しているのですが、それを取り除くのは厄介なことです。

 

 

 

しかし、ペップトークはその厄介なことを短時間でやってのけるチカラを持っています。

 

 

 

今回は、そんなネガティブな心境の恋人同士の二人を同時に心変わりさせた素敵な会話を取り上げてみたいと思います。

 

 

 

【あらすじ】

 

 

 

進学クラスでもトップを争う才女が突然、高校を卒業したら結婚すると言い出す。

 

相手は12歳年上の上場企業のサラリーマン。

 

母子家庭に育った彼女の母親は、自分自身で人生を切り開いたキャリアウーマン。

 

でも彼女は、父親のいる暖かい家庭に憧れていた。

 

だから進学より、専業主婦になることを強く望んでいる。

 

大学に進学させたい母親、そして教師と校長。

 

 

担任の教師と校長は、単に優秀な生徒が受験をやめると困るという学校側の都合ではなく、心のそこから生徒の将来のために進学をあきらめてほしくないと思うのだが、その真意が伝わらない。

 

なぜ個人のプライバシーにクチをはさむのかと不快に思う彼氏と生徒・・・

 

 

 

【イメージのパラダイムシフトを実現するペップトーク】

 

(母親の意向で、学校に呼ばれた娘と彼氏。彼氏は自分は堅実な人生を歩んできた、責任を持って彼女を幸せにすると言う。しかし自分自身が上場企業のサラリーマンでありながら赤字高校の立て直しを仰せつかった校長は、堅実な人生なんてありえないと主張する。議論がかみ合わない中、担任の女性教師が生徒に対して穏やかに語り始める)

 

 

42’45”~

 

ステキなことだと思うよ。

三田さんが良い奥さんに、いいお母さんになりたいって思うのは。

 

私の母だって専業主婦だし。

 

正直、私たちが凄く悩んでいるのは、あなただから。

三田さんだからよ。

 

校長先生は一般論で大学に行くべきだっておっしゃっているわけじゃないと思うの。

一般論って分かるよね。

 

三田さんはとっても優秀で、たくさんの可能性を持ってる。

それを今結婚することと引き換えに捨てるのはもったいないって、どうしても思ってしまうの。

 

彼に頼るどころか、何かがあったときに彼を支えるだけのスキルを持てる人なの、あなたは。

 

だから、もっともっと自分を成長させてから結婚しても遅くないんじゃない?

 

 

 

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ここで特筆すべきことは、この担任の先生は、彼女の気持ちを肯定して受け入れているということ。

 

 

 

進学をせずに結婚することを否定するのではなく、結婚を前提にしながら、より良い未来のために新しい提案をしています。

 

 

 

人はネガティブな感情を持っているときに、その状態を否定されても態度を固くして「聞く耳を持たなくなる」だけです。

 

ペップトークのスタート段階では、

 

「まず、今現在置かれている状況を受け入れる」

 

ということが前提です。

 

そのうえで、前向きな解決策を提示する。

 

この短い会話の中にはペップトークのエッセンスが凝縮されています。

 

ペップトークが短い時間でのスピーチや会話で、相手のネガティブな心をポジティブにして、やる気のスイッチを入れるということには、こうした心理学的なことをベースにしているからなのです。

 

もっと詳しく知りたい方はこの本をご参照ください。