Procyon(11) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

真緒は混乱した。

 

ワケがわからなかった。

 

初音さんが高野楽器の副社長の息子・・?

 

確かにお父さんが伝説のピアノ調律師って話は聞いていたけど。

 

高野楽器は楽器の取り扱いはもちろん、全国各地に冠のついたホールを持ち、その他にも音楽配信、動画配信業務、大きな音楽コンクール主催、音楽教室経営など。

 

日本でもトップの音楽関係の企業。

 

 

いや。

 

なんで?

 

 

固まってしまった彼女に高宮は

 

「あ・・と。ひょっとしたら人違いかもしれないし。ごめん、なんか混乱させて・・」

 

彼女の表情を見て言った。

 

それには答えず真緒はスーッと部屋をそのまま出て行ってしまった。

 

 

社長のお供で・・

 

 

ということは。

 

お父さんも彼に会っているかもしれない。

 

真緒はそう思ったが。

 

彼が家に出入りするようになってからそのような話をすることはなかった。

 

 

・・

 

は?

 

どういうこと???

 

もう一度自分に問いてしまった。

 

 

 

そして高宮はジーっと考え込んだ。

 

 

まあ確かに驚くかもしれないけど。

 

あれは完全に

 

ショック

 

という状態だった。

 

なんで?

 

首がどんどん傾いでいった。

 

 

は?

 

え?

 

そうなの???

 

 

そこでぼんやりと真緒の状況を想像してみた。

 

 

・・マジか

 

 

彼女がフラフラと出て行った出口をぎょっとして見てしまった。

 

 

もし彼女が野々村さんて人に好意を抱いていたとしても。

 

あんなに呆然とするかな?

 

あれはどういうリアクションなの?

 

てか

 

おれ余計なこと言った??

 

 

仕事はできても男女の機微に疎い高宮は真緒の気持ちが量れなかった。

 

 

 

高野楽器の副社長。

 

高野有希子氏。

 

現社長の妹。

 

真緒は事業部の自分のデスクのパソコンで検索をしてみた。

 

この人が初音さんたちのお母さん?

 

でも。

 

真太郎はもちろんNCの人たちも絶対知らないよね。

 

内密にしてるってことだよね。

 

ご両親が離婚していることは聞いたけど。

 

高宮さんの話が本当だとすれば。

 

初音さんが以前東京で仕事してたっていうのは高野楽器で、ということ?

 

2年くらいでやめて丹波に帰ったって。

 

マウスから手を離した。

 

 

 

気になる!!

 

 

ガバっとデスクに突っ伏した。

 

 

『津軽と小樽の工房にはアポ取っておきました。メールに添付した資料を真緒さんと高原さんにも共有しておきます。あとは高原さんにお願いして飛行機のチケットとホテルの予約はお願いしておきました・・』

 

その晩、初音からメールが到着していた。

 

添付されていた資料も下調べも完璧。

 

 

「すご・・」

 

真緒は思わずひとり言が出てしまった。

 

カフェプロジェクトチームの中でも彼の仕事の進め方はNCの社員たちに引けを取らないものだった。

 

会議でもイニシアチブをあからさまに握るわけでもなく意見を求められた時は本当に的確に問題点も指摘してくる。

 

先の先の先まできっちり考えられていて

 

あの『仕事の鬼』と言われる高原紗枝さんさえも一目を置くくらいの。

 

ふうっと一息ついた。

 

モヤモヤが全く晴れなかった。

 

初音が高野家の一族??にわかに信じられない真緒ですが全て合点がいくことばかりで・・

 

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

 



恋愛小説ランキング

 

↑↑↑↑↑

読んでいただいてありがとうございました。よろしかったらポチお願いします!

 

 

 

 

 

  で過去のお話を再掲しております。こちらもよろしくお願いします。