観た映画 2023年8月 | BTJJ

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■2023年8月に観た映画

18本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編2本)

 

・太陽の王子 ホルスの大冒険 - 3.9 (2023.8.31/U-NEXT)

監督:高畑勲。脚本:深沢一夫。1968年。翌日に高畑勲展へ行く事にしていたので、予習がてら鑑賞。とにかく冒頭のアクションからハイスピード&ハイテンションで切れ味鋭い。おどろおどろしい描写や、アクション描写、トリッキーな演出など、とても55年も前の作品には思えない。当時がどうだったのかは知らないが今でも鑑賞に堪えうるという部分でそう感じる。また、ストーリーも1本道構造で分かり易い。宮崎駿とのスタートを切る今作、高畑勲展ではジブリ前の作品群にも大きな部分が配分されており、しっかりと観ておいて良かったと思う。今、日々鑑賞中だが「未来少年コナン」など、諸々のテレビアニメ時代のものもやはりすごいなあと感じるしかない。高畑勲展では、高畑勲の常にチャレンジを続ける姿勢が非常に魅力的に感じた。興行収入には結びつかないが、そりゃそうだよなと思う。パヤオが居て良かったね、パクさん。

 

・ファルコン レイク (原題:Falcon Lake) - 3.9 (2023.8.28/センチュリーシネマ)
監督 脚本:シャルロット・ル・ボン。原作:バスティアン・ヴィヴェス。2022年。日本公開2023年。<湖にいる幽霊>という原作とは違うキーワードが本編を貫く核となっていく作劇が見事だった。結末は終始漂う気配が遂に辿り着いてしまうという虚しさを含め、個人的には好きだった。水の描写が見事。デビュー作らしいので今後楽しみ。

 

・ガーディアンズ オブ ギャラクシー ホリデー スペシャル (原題:The Guardians of the Galaxy Holiday Special) - 4.0 (2023.8.27/disney+)

監督 脚本:ジェームズ・ガン。2022年。44分。3まで観終わってこの短編がある事を知る。なかなか腰が重かったが、Disney+の解約日が迫っているので鑑賞。マンティスとドラッグスという、ガーディアンズシリーズの中でも群を抜いた社会不適合者の2人がケビンベーコンを執拗に追い掛け回し洗脳、拉致するというイカれたストーリー。44分よりももっと短く感じるほどに面白かった。なんならGotGで一番面白かったかも知れない。

 

・きさらぎ駅 - (日付不明/U-NEXT)

監督:永江二朗。脚本:宮本武史。2022年。ごく一部で評判が良かったので、WOWOWの録画をホームシアターにて鑑賞。を始めたが、あまりのくだらなさにこれはここで観るのは時間がもったいないなと思い、電車での移動時間にU-NEXTで観た。ホラー描写が、んなわけっ!レベルのもので1周して面白かった。まあ、でも。ね。

 

・毛虫のボロ - 3.9 (2023.8.24/ジブリパーク・オリヲン座)

監督 脚本 原作:宮崎駿。2018年。ジブリパーク内「オリヲン座」にて2023年8月度上映。NHKのドキュメンタリーで制作の過程を少し観て、引退宣言(「風立ちぬ」時点)の後の宮崎監督が短編ではあるがCGにチャレンジするなんて面白そうだなと思い、鑑賞。14分ほどの作品で、毛虫が主人公、当然言語での表現も無し、とかなりミニマムな視点で作り上げられた。毛虫のボロがある地点からある地点へと移動するだけの話なのですが、"四角いアレ"が盛り上がりをつくり、宮崎アニメ特有の<大量の>なにかが画面を占拠して物語が進んでいく様など、なかなか圧巻だった。糞尿はいつまで経ってもおもしろいんだなと改めて。エンドロールで、声優がタモリと出た時のどよめきよ。

 

・イ チャンドン アイロニーの芸術 (原題:Lee Chang-dong: The art of irony) - 3.7 (2023.8.25/ミッドランドスクエアシネマ2)

監督:アラン・マザール。2023年。【イ・チャンドン 4Kレトロスペクテイブ2023】に合わせ公開されたフランス人作家ラン・マザールによるイ・チャンドンのドキュメンタリー作品。作品構造としては、イ・チャンドン自らが2023年の現在から自分が芸術を志すに至った幼少期、なんなら家庭環境(生家にまでさかのぼる!)にまで立ち返る。各作品の主演2人ずつが登場し、イチャンドンとの思い出や、作品のエピソードを語りながら、イチャンドン自身の解説も交えて進行する。興味深い内容が連発され、小説家から始まった彼の歴史は非常に面白かった。先日観たタランティーノのドキュメンタリーが調べたら分かるレベルの話で紡いでいるものに対して、非常に心のこもったものを観たなという印象を持った。パンフレットが1500円と高かったが、内容は濃そうだったので奥歯を食いしばりながら購入。

 

・クエンティン タランティーノ 映画に愛された男 (原題:QT8: The First Eight) - 3.3 (2023.8.22/伏見ミリオン座)
監督 脚本:タラ・ウッド。2019年。日本公開2023年。語られるエピソード自体は楽しく観たが、いかんせん出演者が少ないし、演者ばかりでもう少しスタッフとかも出てきても良いのでは無いかと、その辺りが物足りなく感じた。デスプルーフの顔が見えない〜の話が面白かった。

 

・クライムズ オブ ザ フューチャー (原題:Crimes of the Futur) - 3.4 (2023.8.22/ミッドランドスクエアシネマ2)

監督 脚本:デヴィッド・クローネンバーグ。2022年。日本公開2023年。どこの何から言っていいのか分からない。もしも話がわりと苦手な部類なので話自体はちょっとキツかった。クローネンバーグらしい奇妙なビジュアルの諸々は楽しめた。

 

・骨 / オオカミの家 (原題:La casa lobo) - (2023.8.21/センチュリーシネマ)

監督 脚本:クリストーバル・レオン。ホアキン・コシーニャ。脚本:アレハンドラ・モファット。2018年。日本公開2023年。アリアスターのネームバリューもあってか満員。もっとギョッとする様な映画が観られるかなと期待したがそこまで。冒頭とラストの感じが好きだった。ストーリーがあまり入ってこず、知識不足を痛感。というか、寝た。

 

・エドワード ヤンの恋愛時代 4K レストア版 (原題:獨立時代) - 3.7 (2023.8.21/センチュリーシネマ)

監督 脚本:エドワード・ヤン。オリジナル1994年。エドワードヤン特集上映にて。冗長に感じるかなと思うながら観たが、最後まできっちり密度高く作劇されていた。が、個人的にはあまりピンと来ず、面白みを感じることがあまり出来なかった。ダラダラしているようでしていない不思議な作品だった。

 

・あした - 3.7 (2023.8.20/DVD)
監督:大林宣彦。脚本:桂千穂。原作:川次郎。1995年。いつぶりに大林作品を観たのだろうか、という感じですがまだ見ていなかったこちらを。死んだ人たちが船に乗って帰ってくるというプロットは聞いたことがありましたが、まさかこういう感じとは。久しぶりに大林作品を観たせいか、最初の15分くらいのセットアップの時間帯が非常に速く感じてしまい着いていくのに必死だった。とにかくカットを割る、割る。いつもの事ではあるのですが。途中からは気にならなくなるので単純にそういう風に作られているのか、こちらが慣れたのかその辺りは不明。早々に船で死んだ人達が到着してしまい、ここからどうなるんだろうと思ってすぐに宝生舞のエピソードで「一緒に戻ってくれるよね?」という所で「ああ、そういう話なのか!!」とギョッとしましたが、まあそういう話ではあるけれど、ちょっと思ったのとは違う形で完走。子供が出来て喜ぶシーンとかはやはりグッときてしまいました。なんだかんだ言って結局今回も泣かされた。

 

・猫の恩返し - 3.3 (2023.8.20/DVD)

監督:森田宏幸。脚本:吉田玲子。原作:柊あおい。2002年。「君たちはどう生きるか」より突如ジブリブームが到来し、各種見直しキャンペーン中。宮崎駿でも高畑勲でもない監督シリーズの今作。つじあやのの主題歌が当時まあまあヒットしていたので映画もヒットしているイメージがありましたが調べてみたらそこまでという感じで意外だった。感想はというと、話がどうこうというよりもやはり、アニメーションとして、演出として、ジブリの冠を背負った作品とは思えないレベルのお粗末さだなと。アニメーションの躍動感も宮崎作品と比べてしまうと(比べるな)どうしても全然しょぼい(アニメーションにもととめるのは描写なんだなあと思う)。話は逸れますが、大阪での来日公演中に性被害に遭ったDJSODAへの二次加害になる様なツイートをして炎上しておりましたが、ちょうど作品を観た直後にその騒動を目にして、まあこんなつまんねーアニメ作ってる奴だよなやっぱとなりましたね。。太った猫のムタっていうキャラクターだけはかわいかった。

 

・ミンナのウタ - 3.5 (2023.8.17/イオンシネマワンダー)

監督 脚本:清水崇。脚本:角田ルミ。2023年。なんだかTLの評判が良かった気がしたので通常ならスルーですが観てみた。気がしただけだった。しかしホラーはやはり劇場で観るに限るな、と迫り来る高谷さなを観ながら思った。大きな画面目いっぱいに迫られると本当にそこから飛び出してくるのかと思わんばかりに不安にさせられる。これはスマホで観ても得られない体験だろう。しかし、いかにもなCGやギミックにはやはり疑問を持ちながら観てしまった。ジェネレーションズのメンバーの演技や演出のつけ方も興ざめなシーンが多々あった。メンバーの顔を覚えることが出来た。名前は覚わらない。最後のライブシーンでボーカルのメンバーが1人出ていない事に気付いたが何か理由があったのだろうか。(調べたら、「自分は演技の仕事はしないので歌だけで参加させていただきました」という理由でしたとさ)

 

・バービー (原題:Barbi) - 3.9 (2023.8.16/イオンシネマワンダー)

監督 脚本:グレタ・ガーウィグ。脚本:ノア・バームバック。2023年。公開前から本国SNS担当者がやらかしてなかなかな物議をかもしている本作。それよりも前から楽しみにしていたし、そもそも本編と一連の原爆ネタは関係ないので気にする事もなく観た。グレタ・ガーウィグ作品で期待をして観たが、思っていた角度とはまた一味違った内容で面白かった。フェミ映画かと思いきやそうでもなく、男女を逆転させ、双方に気まずい思いをさせながら最終的に伝えてるメッセージが「人間」としての尊厳だったり、「名前を手に入れる」だったり(GotG3や君たちはどう生きるか的でもある)、メインテーマからは若干遠い地点に着地しているので正直、かなり伝わりにくい作品になっているのではないかと思う。原因は"男女逆転"の魅せ方にあると思う。が、鑑賞後にYouTuberの感想なども観てみて、結末の解釈は同じでも逆転劇にはあまり触れていないものも見かけたので、一体どう受け取っていいのかと、自分の解釈に疑問も出てしまったが。。ラストのマテル社の創始者と対峙をし、自分を取り戻すシーンには落涙。

 

・ニンフォマニアック Vol.1 ディレクターズカット完全版 (原題:Nymphomaniac Vol.1) - (2023.8.10/シネマスコーレ)

監督 脚本:ラース・フォン・トリアー。2013年。ラース・フォン・トリアーレトロスペクティブ2023にて。【色情狂ジョーの話を博識セリグマンと共に聞くような形で物語が進んでいく。時折、資料的な映像を挟み込む手法(ハウス ジャック ビルトでも見られる)が斬新かつアート的で面白い。性欲をテーマに狂気的な部分を淡々と語るように描いていくフォントリアー印。最後まで見ても、ん?という終わり方でエンドロールに突入するや否やvol.2の予告らしき映像で続きがあると知り、納得。これだけで終わってたらかなり不完全燃焼で点数をつけたくなるが、とりあえず早く2を見たいという気持ちになった。】というのが、2020年4月13日に観た自分の感想。大方同じではあるが、最後がよく分からなかった的な部分は特に今回は思わず、これはこれでこういう終わり方をしていても何の違和感もないと思う。今回鑑賞したのは「ディレクターズカット版」ということで無修正の男性器や、結合部、口淫行為も映りまくりでこれはやはりこうでなくてはと思った。ユマ・サーマンが大暴れで最終的に旦那がシバかれる所とか笑えた。

 

・セフレの品格(プライド) 決意 - (2023.8.9/ミッドランドシネマ名古屋空港)

監督 脚本:城定秀夫。2023年。早くも後半が公開。前作とは打って変わってメロドラマにシフト。高石あかりは高石あかりにしか見えず。これはちょっと残念だった。「ベイビーわるきゅーれ」シリーズ以外で観たのが初めてだったこともあり、もう少し違った一面が観られるかなと期待したが。しかし、観終わってみたら面白い企画だったな〜と思う。(おそらくほぼママだろうけど)原作からどう脚色したのかが気になった。

 

・マイ エレメント - 3.8 (2023.8.4/シネマワールド中川)

監督:ピーター・ソーン。2023年。安心安定のお話でキチンと押さえる所を押さえ子どもから大人までちゃんと楽しめるものになっているのは言わずもがな。それよりも今作は水や炎の描写が美しく、画面を見るだけでも十分に味わいが深い。特に好きだったのは、水の電車が走り、高架下が滝にようにジャーっと水浸しになる所。美しかった。とくに水の描写が顕著で、ひんやり涼みながらもうっとりするような映像だった。風と土いらんやんとは思うがその辺りはご愛嬌か。

 

・イディオッツ(原題:Idioterne) - 3.6 (2023.8.1/シネマスコーレ)

監督 脚本:ラース・フォン・トリアー。1998年。ラース・フォン・トリアーレトロスペクティブ2023にて。酷い集団を見た、というのが正直な感想。どういった事情でああいった醜悪極まりない事をしているんだと。本編中に理屈は語られていたが、そんな事はてめえらの都合であってどうであれ最悪な連中である事は間違いないよなと。非常に不愉快。ただ、思ったよりは最終的に慈悲のあるお話で、特にラストのシークエンスがあるおかげでこの映画が意味を成すのかなとも思えた。なんだその着地はと言いたい気もするが、まあ。勃起した男性器、無修正の結合部、など久しぶりにスクリーンで見たが、やはりギョッとする。ちんこは観たくない。