観た映画 2023年11月 | BTJJ

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リハビリの為のタイピングブログ

■2023年11月に観た映画

19本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編2本)

 

・陽炎座 4Kデジタル完全修復版 - 3.8 (2023.11.28/伏見ミリオン座)

監督:鈴木清順。脚本:田中陽造。原作:泉鏡花。1981年。『鈴木清順 生誕100周年記念【浪漫三部作】4Kデジタル完全修復版』にて鑑賞。先日の「ツィゴイネルワイゼン」に続き、鑑賞。主演は、松田優作。大楠道代が「ツィゴイネルワイゼン」よりもだいぶきれいに撮られていた。作りあがりが段々と難解になっていくのかな(この浪漫三部作は)という感じで、若干の置いてきぼりを食らった。が、とにかく、終盤からクライマックスにかけてのテンションと雰囲気が尋常ではなく、すごいものを観たなという気持ちがある。大人のたしなみよ。

 

・模倣犯 - 3.6 (2023.11.27/Blu-ray)

監督 脚本:森田芳光。原作:宮部みゆき。2002年。森田芳光マラソンはいつから停まってしまったのだろうと調べたら「黒い家」が2022年9月に観ており、約1年振りという事が分かった。まあその間いろいろ見たが久しぶり過ぎる。久しぶりに見た森田作品は、それこそ先日の鈴木清順ではないが"あぁ、めちゃくちゃな映画を撮る人だったな"と思わず笑ってしまうほど。まあめちゃくちゃですね。この作品は非常に評判が悪く、それも確かにその通りな感じではあった。原作が宮部みゆきという事で(監督指名は宮部氏からの逆オファーらしい!)、その兼ね合いもあるのか、なかなか映像化には苦戦したのかなという事が伺える内容でもあった。それでも、中盤以降の、仲居くん、藤井隆、津田寛治が揃ったあたりの雰囲気はかなり良かったかと。問題のクライマックスも個人的には全然嫌いじゃない。さて、森田芳光マラソン再開します。続きが楽しみだ。

 

・スマイル (原題:Smile) - 3.8 (2023.11.27/WOWOW)
監督 脚本:パーカー・フィン。2022年。SNSか何かで結構評判が良くて鑑賞。序盤、結構面白い。中盤、つまんなくなってきたな。終盤、あー、まあこういう感じで終わるのね。本当の終盤、え、そういう展開なのwで、最後の最後で楽しい着地にしてくれたので、わりと万事オッケー感がある。わりと面白かった。

 

・パン種とタマゴ姫 - (2023.11.25/三鷹の森ジブリ美術館)

監督 脚本:宮崎駿。2010年。例のハリーポッターツアーがあったので、東京へ訪れていた。せっかくなので三鷹の美術館の方へも足を運び、短編作品を鑑賞。これはかなり大人向けの作品で、途中で子どもが泣きださないか心配だった(よその子は結構泣いていた)。人骨で出来たパン種を鎌に押し込むシーンは明らかに火葬を連想させるし、けっこうぶっ飛んだ話だった。

 

・首 - (2023.11.23/中川コロナワールド)

監督 脚本:北野武。2023年。公開初日、翌日と、2日連続で見に行ってきた。初回の感想は、正直中盤あたり、かなりうーんな感じで(これはやはり北野映画におけるコントシーンのダレが原因かと)微妙だなあと思っていたが、2回目観たら諸々が納得でき、非常に面白く感じられた。コントが停滞するのは北野映画ではいつもの事で、やはり少しタイトにして欲しかった。男性性愛描写や人種表現(これいつまでやるの?)は取って付けた様で腑に落ちない。が全体的には概ね満足。特にラストシーンは見事で、それこそこちらのクビをバッサリいかれたかの様な切れ味で、終わった事に一瞬気付かない観客の顔はまさに転がる首同様だったのではないか。日に日に結構良かったんじゃないか度が増している一作。

 

・ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版 - 3.9 (2023.11.21/伏見ミリオン座)

監督:鈴木清順。脚本:田中陽造。1980年。『鈴木清順 生誕100周年記念【浪漫三部作】4Kデジタル完全修復版』にて鑑賞。お恥ずかしながら鈴木清順作品は初鑑賞。聞いてはいたが、こちらの想像以上に、いや遥か上で変な映画だったので、面喰らった。きちんと見ていれば全然、話の筋自体は別に読み解いていけるがどうしてそういう描写になるのと笑ってしまう様なシーンの連発で、マジで卒倒。大林宣彦なんて目じゃないなと思った。幽霊譚好きとしてもグッと来た。続く2作も楽しみだ。

 

・残穢 住んではいけない部屋 - 3.4 (2023.11.19/U-NEXT)

監督:中村義洋。原作:小野不由美。2006年。ジャガモンド斉藤氏がYouTubeでホラーおすすめ作品として挙げていたこちら。正直、あんまりだった。というか、コレジャナイ感が強かった。映画にコレジャナイをいうのは反則だと思っているが、コレジャナイ。

 

・ハリー ポッターと死の秘宝 PART2 (原題:Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2) - 3.4 (2023.11.18/WOWOW)

監督:デヴィッド・イェーツ。脚本:スティーヴ・クローヴス。原作:J・K・ローリング。2011年。寝た。シリーズラストとあって、一応この監督脚本コンビの中ではきちんとしていた様に思う。し、これだけ少し短いのが良かった。やっぱりどう考えても冗長すぎるし、全シリーズもっとブラッシュアップしたらスターウォーズ級の何かになれていたのでは?と思う。

 

・耳をすませば - 3.6 (2023.11.17/Blu-ray)

監督:近藤喜文。脚本:宮崎駿。原作:柊あおい。1995年。かなり記憶が薄まっているが感想を記録しておく。ジブリの中でも宮崎、高畑以外の監督の作品は、数少なく、中でもおそらく人気があるだろうこの作品。期待して観たが、途中までは結構面白かった記憶があるが、中盤以降ダレたような気もするし、後で見返したら面白かったような気もする。が、一つ言えるのは、人物描写や作劇上に都合が良い部分が多すぎてノイズになっている事は間違いなかった(気がする)(気かい)。

 

・めいとこねこバス - (2023.11.17/ジブリパーク・ヲリオン座)

監督 脚本:宮崎駿。2002年。ジブリパーク内にて子供と共に鑑賞。2歳半と0歳半。これ、大丈夫かなと思いながら見たが、少し前からトトロの映像を見せたり人形を与えたりして洗脳を始めていたので、全く持って問題なく、上の子は母親の膝の上でじっと画面を見つめ、時折"あ!"とか"トトロ!"とか言いながらしっかりと見ていた。下の子も音楽の音量には若干ビクっとしていたが耳をふさいでやりながら最後まで泣く事なく見てくれた。自分が子供の頃にビデオで何度も観た「トトロ」をこうして時を超え、自分の子供が、しかもまだ会話もままならないましてや"お話"なんてものは絶対に理解できない年齢の子供でもじっと見て、彼なりに理解をし、<トトロ>を認識しているという事に非常に感動をした。老若男女いることもそうだし、圧倒的な外国人の客の多さもそう、こんなにも全方位に、もはや<全人間>の心に響くキャラクターを生み出す宮崎駿は凄すぎるなと。感動した。話の内容がどうとかいうよりもこの環境もそうだし、宮崎駿がスピンオフを短編とは言え作っていたことにも感動があった。と、同時に「君たちはどう~」の企画書にもあった「トトロ2」なるものは作らない方が良いなとも思った。この作品は、映画館や配信、ソフト販売も無く、三鷹のジブリ美術館か、ジブリパークでしかも月替わりのたまにしか見る事が出来ない。この立ち位置もちょうどいいなあと思う。

 

・SISU/シス 不死身の男 (原題:Sisu) - (2023.11.15/伏見ミリオン座)

監督 脚本:ヤルマリ・ヘランダー。2022年。日本公開2023年。寝てしまった。

 

・ハリー ポッターと死の秘宝 PART1 (原題:Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 1) - 3.4 (2023.11.12/Blu-ray)

監督:デヴィッド・イェーツ。脚本:スティーヴ・クローヴス。原作:J・K・ローリング。2010年。今月末にハリーポッタースタジオ?に行くのでハリーポッターを総ざらいしてみよう企画もいよいよラストの2作へ。死の秘宝、前・後編。前作でハリー達が全てを掛けた最終決戦()に向かうチューニングをまるっと1作かけてしっかりと行ったので、準備はバッチリ(そういう問題?)。ですが、これがまあ鈍い、遅い、だるい、とこれまでのハリポタシリーズの悪い所を煮詰めた様な内容で、マジで寝た。というか、やはり見ていても途中からひどくどうでも良くなってきてしまう。所々ロストしながらも、まあ話の全体の筋は何となく把握しているのでまあ良いか、と見逃した部分を見返す事もしなかった。さすがに30分ほどがっつり寝た部分は見返した。

 

・THE JUON/呪怨 (原題:THE GRUDGE) - 3.5 (2023.11.12/U-NEXT)

監督:清水崇。脚本:スティーヴン・サスコ。2005年。呪怨を観て観ようシリーズ、日本編が終わったのでハリウッド編。これにて完結か?監督は変わらず清水監督が手掛ける。まあ怖かったには怖かったが、日本版を見ているので、同じ描写の連発であくまで<お試し版>的な感じ。勿論、日本版呪怨を見ていないアメリカの観客に向けられたものなので、これでいいのだろうけども(実際にヒットしたそうですし)。個人的に一番好きな劇場版2作目の首吊りプラーンが入っていたは良いが、本当に入れただけになっていてそこは残念だった。日本版の時にも気になっていた"(画面上で)お化け浮いている問題"がありましたが、ハリウッド版になったことで<舞台は日本住宅、主演が外国人、飛び出してくるのは白塗りの子供>と、気になるレイヤーが3層になってしまい、割と更に嘘くささが増してしまってより気になった。

 

・ゴジラ -1.0 - 3.9 (2023.11.10/イオンシネマワンダー)

監督 脚本:山崎貴。2023年。悪名高き山崎貴作品かつ、ゴジラという事で観る気は無かったが、結構賛否両論と、最終的にアトロクでも課題作品になった事もあり、初めて山崎貴作品を見てみるかと重い腰を上げて鑑賞。結論から言えば、結構面白かった。し、ゴジラってかなり面白いのかもという感想になった。今作で言えば、基本的には普通に面白く観た。ドラマ部分でモヤる箇所はやはり何箇所かあるがそれ以上にどうしても戦争に対しての登場人物達の立ち振る舞いが、この規模の映画でこんな中途半端で良いのかなと疑問に感じた。そこだけは非常にノイズだった。海のシーンとか凄かった。

 

・舟を編む - 3.7 (2023.11.5/BSNHK)

監督:石井裕也。脚本:渡辺謙作。原作:三浦しをん。2013年。石井裕也熱が加熱しているので、ずっと気になっていたこちらを鑑賞。脚本は、「はい、泳げません」の渡辺謙作。ベストセラー小説の映画化作品だ。ポスタービジュアルだけを観るとかなり食指が動かない作品。石井裕也にとっての一応の代表作らしいのでどんなもんかいなと。舞台は1995年。95年だと見た瞬間に阪神大震災が舞台になるのかと思ったが最後まで特にそこには何も触れず、95年付近に作られた作品ならまだしも、2013年の映画だし、一体なんの設定だったんだろうと思う(原作でそうなっているのだろうし、もしかしたら原作内では阪神大震災が起こるのかも知れないが)。映像的には、ザラっとしたフィルムの質感で、一見して感じたのは「女ざかり」(大林宣彦)みたいだなという事。ネットで検索してみたが同じような事を書いている人はいなかった。まさか辞書を作る話だとは思わなかったし、非常に地味な作品ではあるが、面白く観た。あまりにも何も起きないのでツマらないと感じる人も多いかも知れないが、個人的には結構好きだった。ここがどうとかそういう事は特にコメントない。

 

・ハリー ポッターと謎のプリンス (原題:Harry Potter and the Half-Blood Prince) - 3.3 (2023.11.4/Blu-ray)

監督:デヴィッド・イェーツ。脚本:スティーヴ・クローヴス。原作:J・K・ローリング。2008年。寝た。中盤以降1.5時間しっかりと寝た。仕方がない。長すぎる。シリーズ平均で多分2時間半くらいなんじゃないかなと思う。長い。長いだろ(それでも話自体はなんとなく追えてしまう)。何がツマらないって画面がツマらないんだと思う。デヴィッド・イェーツXスティーヴ・クローヴスという憎きコンビはこれで最後まで行くらしいのできついなあと思う。特に今作は、ラストの対決に向けて、それぞれが旅立つ理由だったり、「~死の秘宝」に向かっていくウォーミングアップ的な位置にあるので単純につまらない。話が無い。何も起きない。長い。ツマらない。

 

・呪怨2 - 3.7 (2023.11.4/U-NEXT)

監督 脚本:清水崇。2003年。呪怨を観て観ようシリーズ、日本版は一応これで一旦。劇場版2作目。オムニバス的にいくつものエピソードがテンポ良く単発的にバンバン並んでいるシステムに変わりはない。ビデオ版から4作並べて見てみると、この作品はこの4つを貫通する事で浮かび上がる呪い性の様なものがしっかりとサーガしており、観るのであればしっかり全て観た方が良いのは間違いない。ビデオ版2作目を覗いて面白かった様に思う。ちゃんと怖いしね。今作で言うと、前作の1の方が圧倒的に面白いのは間違いないが、今作は新山千春のエピソードがとにかく怖く、面白かった。小さなエピソードの中で"ああ、これそうだったんだ!"と繋がっていくのが面白いし、その怖がらせ自体がもう怖い。これだけでも見る価値あり。

 

・母性 - 3.6 (2023.11.3/WOWOW)

監督:廣木隆一。脚本:堀泉杏。原作:湊かなえ。2022年。前から観たいとは思っていたがなかなかタイミングが無かったのだがようやく観る事が出来た。廣木監督作品だという事で、「ノイズ」と「月の満ち欠け」を観たあとなので観る気になったが、それが無かったらもっと見るタイミングは遠かった様に思う。いつもそうなのだが、基本的には面白く観ている。が、やはりお話の着地をどうもっていくかの考え方(センス?)が根本的に違う様で、着地でいつも台無しにする廣木作品なのは、今作も変わらなかった。結構好きなんですけどね。

 

・暗殺の森 (原題:IL CONFORMISTA) - (2023.11.1/ミッドランドシネマ名古屋空港)

監督 脚本:ベルナルド・ベルトルッチ。1970年。「午前10時の映画祭」にて鑑賞。中盤までは観れていた様な気もするが、おそらく1時間を持たずして夢の中へ。ちょっとわからなかった。1日にも関わらず定価の1500円で観た後に、寝てしまった部分をU-NEXTで確認するという、最高に無駄な事をしてしまった。見直してもよく分からなかった。映画館は高級仮眠室だ。