#963 激震 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

どうせ今夜も誰も読みに来てはくれないと想うので、縁起の悪い話でも1つ。


このあいだの木曜日、ディーリングルームでいつも通り朝のチャートチェックをしていたら、ゴロリ、と大きな音を立てて腕時計が手首からデスクに落ちた。


一瞬何が起こったのか理解できなかったが、よく見ると腕時計のベルトが切れている。


このスウォッチのベルト、金属とラバーが絡み合っている構造で、そのラバー部分が1ヶ所、ちぎれるように割れていた。


決して高級品ではないのだが、とても大切にしている時計。


愛妻から結婚前に初めて(そして最後に)もらったプレゼントだ。


この不吉な出来事に、なにか悪いことでも起こらなければいいがと、その日は些細なことにも気を配り、用心には用心を重ねて過ごした甲斐もあって、これといった事故もなく1日を終えることが出来た。


が、不幸は突然やってきた。


翌日、近所に買い物に行って帰って来てから、いつものようにマンションの立体駐車場にクルマを入れようとしていた。


その前に愛妻に叱られていたこと(この程度の怒りは愛妻の日課で、別段どうということもない)もあり、ちょっと不貞腐れ気味に機械を操作していたのが悪かった。


中段にクルマを入れて機械の「下降」ボタンを押したとたん、上段のパッレットが頭にカルロス、いや、頭にゴーン。


熱帯のリゾートで見上げる夜空のように美しい星が無数に飛び散った。


その場にうずくまること数分、やっと立ち上がって頭頂部に触れてみると、アデランスの継ぎ目よりもくっきりとしたタンコブ。


あまりの激痛に、気分まで悪くなって吐き気を催した。


娘と一緒に昼寝したら、そっちは治ったけどね。


でも、タンコブの衝撃波はそう簡単には収まらない。


まだヒリヒリするよ。


皆さんも年末年始、大掃除や年越準備で普段とやらないことをやったりすることも多いでしょうから、くれぐれも頭上のパレットには気をつけて。