キラ・キラ 285
〜At the farewell party〜
かなでさんの送別会は
けっこうたくさんの人が来た。
かなでさんは、総務部のいろんな人と
仲が良くて、明るく元気な人だ。
オレも、課が違うんだけど
フロアは一緒だし、たまに話したりする感じだった。
最初の挨拶で、かなでさんは
芸能人の結婚会見みたいに
キラキラの指輪を見せながら挨拶していて
笑いをとっていた。
送別会には、営業の翔さんも来ていて
克実部長と一緒の席についていたけど
オレは、経理課の人たちと同じテーブルについて
まーや翔さんたちとは、離れていた。
かなでさんの挨拶の後は、みんな
自由に食べたり飲んだりしていて
久しぶりに会社の人との飲み会で
オレも、楽しく話していたんだけど。
それもだいぶ落ち着いた頃に
かなでさんに呼ばれて、ふたりで店の外に出た。
奏:ごめんなさい、せっかく楽しんでいたところを。
N:ううん、大丈夫。
奏:すいません‥‥///。
N:いいよ。今日はかなでさんが主役でしょ。
奏:‥‥はい///。
店は、貸切だったから
カウンターの方でも、ふたりになれるところは
じゅうぶんにあったんだけど。
かなでさんは、外に行きたいと言った。
いいよって、ふたりで外に出ようとしたら
すぐに、まーがやってきて
どこ行くの?とか
外は、酔っ払いもいるし
危ないよとか、言ってきた。
かなでさんは
二宮さんは、私が守りますから!と
力強く言って、オレは笑ったけど
心配そうにしてた、まーに
申し訳なさそうな顔をしていた。
でも翔さんが、裏手に従業員の使ってる
ベンチがあるよって、教えてくれたから
オレたちは、そこにやってきた。
外は、人も多くて
ざわざわとうるさかったけど
裏に回るだけで、すごく静かになった。
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