stayhomeの本棚(1) | aqua-moon

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水野理紗
声優*ナレーション*舞台
水月 秋
書きもの*シナリオ*小説


まさに本を読むのにうってつけの時間ですね。
と言いながら、紙の本として手元にあるのはこちらだけかも?
しばらく青空文庫さんのお世話になっております。
本屋さんにも図書館にも行けないので、オンラインの本や、我が家の家族の本棚があって助かります。

とはいえ、本を読むのもエネルギーを使い、目を酷使し、腰痛背中痛になりますから、適度に運動を挟まないときついですねあせる
私は、長編の「空飛ぶタイヤ」に、読むエネルギーを注ぎすぎたようです(笑)

なので今は、作家さんたちがリレーで連載している、Day to Dayを読んでお気に入りとの出会いを楽しんでいます音譜


さて、久しぶりにブックレビューを📚
ネタバレも含みそうなのでご注意を!




最初は『モモ』📕
再読です。
ステイホーム生活になったとき、頭に突然、
「致死的退屈症」
という言葉が浮かびました。
なんとなく引っかかって、本棚から引っ張り出した次第です。

『モモ』は、時間という、私たちが逆らえない、絶対的なものを追求した物語です。
その中で、「灰色の男たち」が人の時間を盗みにやってきます。
灰色の男たちは、その盗んだ時間でしか己を保てない哀れな存在なのですが、彼らに時間を奪われた人たちが、なにごとにも無気力になり、なんの気持ちもわかなくなってしまう…そんな状態が、「致死的退屈症」と名付けられていました。
作者のエンデは心理学者かと思えるほど、優しい語り口で、ハッとさせられるような真実を突いてくるのでおもしろいです。

時間を節約し、効率化を図っていくことによって、失われていく大切なものがありますよ、気づいてください、という声がそこかしこから聞こえてきます。


そんな灰色の男たちの対極にいるのが「モモ」という存在です。
この少女がもたらしてくれる、ひとつひとつは小さくても確実に心満たす幸福感や、他者を大切にする気持ち。
その「今」を積み重ねて生きることで、過去も未来もつくられていく…
そんなことを気づかされます。
翻訳の言葉もとても好きです。


読むたびに、自分を振り返ります。

お金持ちならぬ、
「時間持ち」な今の私。
果たしてちゃんと、大切な今を積み重ねられているのかな?
私の「時間の花」はきれいに咲けてるかな?

そんなことを考えさせられる読書でしたピンク薔薇