S&Pの格付けでAAを評価を持つカナダの大手生命保険会社Sun Life(サンライフ)の子会社Sun Life Hong Kong Limitedが提供するセービング・プラン(積立型年金プラン)SunAchiever(サン・アチーバー)という商品があります。
Sun Life Hong Kong Limitedは香港の会社のようですが、実はBermuda(バミューダ諸島)に設立されたオフショア生命保険会社です。
しかしこのSunAchiever(サン・アチーバー)は、香港で認可を取った香港籍の商品です。
簡単に言えば、スタンダードライフのハーベスト101/ウェルスやアジアスのコロンバスと同様な形態の香港籍ファンドラップ型積み立て年金商品です。
他社と同様、1%の生命保険が付いていて生命保険証券という形を取っているホールライフ型商品です。
ILAS(Investment Linked Assurance Scheme)Policy = 投資連動型保険スキームと呼ばれるもので、香港の業法に於いてはユニット・トラストやミューチュアル・ファンドなど投資信託としてSFCが管轄するものではありません。
スタンダードライフのハーベストやアジアスのコロンバスと比較すると、手数料が低いのが良いところですが、90種ほどあるファンドの選択肢の幅が国際分散投資問い観点では狭く魅力的でないという点がデメリットです。
また、アジアスと同様に、共有名義という概念が存在せず夫婦、親子間での共有名義設定はできません。
商品のコンセプトが投資商品というよりは保険に近いものであると考えられます。
SunAchieverには、証券オーナー死亡時の死亡保険1%以外にも、Accidental Death Benefit(事故死亡保障)が最大USD62,500付いています。
なんといってもこの商品最大の魅力は、手数料の低さです。
ハンサードのアスパイアはともかくとして、マン島籍のロイヤルロンドン、ケイマン籍のインベスターズ・トラストのレボリューションを含めて、現存する同様の形態をもったオフショア積立型年金プランの中で最も手数料の低い商品と言えます。
この「SunAchiever」には、インベスターズ・トラストのレボリューションを除く他社の商品と同様にMandatory Contribution Period(MCP)と呼ばれる手数料の人質となる初期ユニットが存在します。
その初期ユニットに該当するMCPは、積み立ての契約期間と連動して以下のように12ヶ月から27ヶ月の幅があります。
積立期間 MCP
5年 12ヶ月
6-14年 18ヶ月
15-20年 24ヵ月
21-25年 27ヶ月
一般的には20-25年の契約が多いことを考えると、この初期ユニット期間が27か月というのは長いように思われますが、そこにかかる手数料が年4%であるということと、他社に於いては初期ユニットの時価総額に対して、SunAchieverでは投資元本に対してしかかからないという点で圧倒的に手数料は安くなっています。
つまり、この商品では積立契約金額と期間を設定すれば、初期ユニットに対してかかる手数料は運用結果に関わらず定額ということになるのです。
この点に於いては、インベスターズ・トラストのレボリューションと似た傾向の手数料構造です。
定額課金タイプの手数料構造は、運用がそこそこプラスで回り続けているときにはお得なのですが、運用がマイナスの時でも同額の手数料が徴収されるのでダメージが大きくなることには注意が必要です。
早期解約手数料についても、このSunAchieverでは、このMCPと呼ばれる初期ユニットの投資元本に対して、残存年数テーブルに基づいて%で徴収されます。
これも、MCPの期間中の解約に関しては殆どの資金が戻ってこないと考えたほうが良いでしょう。
これも同様に、解約時にパーフォーマンスがマイナスの場合はペナルティーの負担が大きくなります。
このように、定額課金タイプの徴収方式は、運用の良し悪しに関わらず、プロバイダーの取り分が確定しているところにプロバイダー側のメリットがあります。
その他の手数料としては、
*月US5ドルのポリシーフィー
*ファンド管理手数料:MMFは0.5%、その他のファンド1%がミラーファンド価格に反映
*Bid-Offer Spread:今のところなし
*スイッチング手数料:今のところなし
ボーナス構造は、積立契約額と年数によって変動する初年度ボーナスと、6年目以降の継続的な支払い率に応じて発生するセービング・ボーナスと呼ばれるロイヤリティーボーナスがあります。
また、この商品は、スタンダードライフやアジアスと同様に香港現地でしか契約できません。
手数料の低さという点で魅力のあるこのSunAchieverですが、同じ香港籍の商品間比較ではスタンダードライフのブランド力には及ばないかなぁと言う感想です。