日銀が導入を決めた「マイナス金利」の意図 | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!



はっきり言って、苦肉の策としか言いようがない。

政府は何が本当にしたいのか、もっとわかりやすく国民に提示して欲しい。

そもそもなんで金融機関が0.1%の金利で日銀に250兆円もの金を豚積みしているのか理解できないが、手数料をかけてマイナスにすれば資金が市場に出回るのだろうか?

いずれにしても、年初から荒れ模様の市場に対し、おそらくは評価が相当割れるであろう今までの量的な緩和から質的緩和に大きく転換しようとする次元の異なる金融緩和政策へ一歩を踏み出したと言える。

このマイナス金利は来月16日から導入される。
9人の政策委員のうち賛成が5人、反対が4人という僅かな差で決定されたことからも、この方針のリスク側面がうかがえる。

マイナス金利は昨年6月、既にECB(欧州中央銀行)で導入されており、ECBではマイナス0.3%まで引き下げているほか、デンマークの中央銀行がマイナス0.65%、スイスの中央銀行がマイナス0.75%、スウェーデンの中央銀行がマイナス1.1%までそれぞれ引き下げている。

欧州で既に行われている政策であることから、金融政策の一般的なトレンドであるとすんなり受け入れてしまいそうだが、そのような安易なものではなさそうだ。


色々な記事を読んでみたが、以下のZUU Onlineが分かりやすい感じがした。

https://zuuonline.com/archives/95824

「日銀が1月29日の金融政策決定会合で導入を決めた「マイナス金利」。通常お金を貸すと利子がついて増えるものだが、「マイナス」金利とはその名前からも分かるように、預けたお金に応じて利子が取られて減ってしまう状態だ。

銀行が日銀に預けるお金にマイナス0.1%
銀行などの金融機関には、融資量に応じて日銀の当座預金口座に預ける義務がある。現状では、決まった額を超えて預けている分については、日銀が年0.1%の利子をつけている。だが2月16日からマイナス金利導入後は金利がマイナス0.1%になる。

ここで考えられる変化は何だろうか。金融機関にしてみれば、お金を預けるほど利子が取られてしまうから、積極的に日銀に預けようとはしなくなるはずだ。つまりマイナス金利が導入されれば、金融機関は日銀にお金を預けるより融資に回すと考えられる。

これまでの量的緩和政策で市中に供給されていたお金が日銀の口座に滞留することを避け、消費者や企業にお金が回す。これによって経済活動が活性化し、デフレが抑制されるというのが、マイナス金利に期待される効果だ。その資金が海外資産の購入につながれば、通貨高が行き過ぎた場合でも、通貨安に転じる可能性も効果として期待できる。」

※引用終わり

この発表により、思い通り?円安が一気に118円から121円まで進み、株価は500円ほど上がった。

この政策のポイントは、銀行など金融機関の資金が、民間にもっと積極的に貸し付けされて、企業や個人がその金で設備投資や商品を行うことで景気が良くなるところにある。

あまり語られていないが、金融機関がより多くうんこくさい国債を購入する方向にも向くだろう。

少なくとも企業にお勤めの方々の給与ベースアップにこの政策が貢献することを願うばかりだ。

また、今回は金融機関が日銀に預けている資金の金利が手数料でマイナス0.1%になるという話しだが、皆さんがお金を預けている銀行の預金も、ATMでの引き出しや、送金、為替手数料など、支払っている手数料を考えれば既にマイナス金利であることを理解したほうが良いかも知れない。

それでも何故あなた方は銀行にお金を眠らせているのか?

そして、日銀がマイナス金利になったからといって金融機関はそこに眠らせているお金を引き出すのだろうか?