ゴジラの逆襲/未来を暗示したかのようなゴジラ対策 | 調布シネマガジン

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ゴジラの逆襲

1955年に公開された、『ゴジラ』の続編。前作最後に山根博士(志村喬)が「あのゴジラが最後の一匹だとは思えない。」と言っていたけど、正に今回はそのもう一匹がいましたってお話。しかも今回はゴジラだけでなくアンギラスも登場し、初めて怪獣vs怪獣というシチュエーションが登場した。ただそのせいか話全体としては何だかちょっと安っぽくなったというか、メッセージ性が薄くなっている。最初に描かれていた水爆実験と人間の関係も殆どなくて、言ってみればその後に円谷英二が作る作品の原型となったという感じだ。

ただ作品の見所ははっきりしていて解りやすい。まず一点目はゴジラvsアンギラス。そもそもアンギラスの背景はイマイチ不明なんだが、単純に怪獣同士の戦いはこれが結構迫力がある。この戦いのさなかで大阪城がぶっこわされる有名なシーンが登場するんだが、まあ凝っているというか、リアルというか。凄く時間をかけて作ったであろうお城を破壊するという妙なカタルシスに惹きこまれた。アンギラスの首筋を噛んでやっつけ、放射能火炎で燃やしちゃうゴジラに燃えならぬ萌え(笑)

そしてもう一点はそのゴジラをどうやって倒すのかということだ。前作で登場したオキシジェンデストロイヤーの生みの親、芹沢博士はもうこの世にいない。じゃあどうするのか、これが殺せないなら生き埋めにしてしまえ!っとなる。まあシーン的には弱冠ご都合主義ではあるんだが、それでも当時の作り手たちが意識したのかしないのか、水爆=ゴジラ、つまり核を保管…もとい始末するには過去も現在も埋めるしかないという、やけに未来を暗示したかのようなこのゴジラ対策は見事という他ないだろう。このネタ誰が考えたんだろう?

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ストーリー:岩戸島に遭難した飛行士によって、ゴジラとアンキロサウルス、通称アンギラスの闘いが目撃された。対策本部はゴジラを監視下に置き、本土上陸を阻止しようとする。しかし、脱走した囚人が起こしたコンビナートの火災が、ゴジラを大阪に誘導してしまう。そしてゴジラを追って、アンギラスも姿を現わした。世紀の闘争の末、アンギラスは倒れゴジラは海へ去ったが、大阪の街は廃虚と化す……。(allcinema)