キングコング対ゴジラ/エンタメ作品として生まれ変わったゴジラ | 調布シネマガジン

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キングコング対ゴジラ

1962年と前作から7年後に制作されたゴジラシリーズ第3作。シリーズ初のカラー作品だ。監督は元祖『ゴジラ』の 本多猪四郎、特技監督はもちろん円谷英二が手がける。時代が大分下ったこともありこの辺になると結構俺の世代でも知っている俳優がゾロゾロ登場していた。主演に高島忠夫、他に藤木悠、有島一郎、更にボンドガールを務めた2人の女優・浜美枝、若林映子なんかも出演している。東宝創立30周年記念作品らしく前2作と異なり、どちらかと言うとエンタテインメント系に振られた作品だった。

今回ゴジラは最初に氷詰めの氷山から登場するんだが、これは前作『ゴジラの逆襲』で雪崩で生き埋めにされた場面からの復活を思い起こさせるなかなかニクい演出だ。一方のキングコングはファロ島という島から連れてこられる。テレビ番組の視聴率アップのために、スポンサーであるパシフィック製薬の命令で捕獲に行くのが高島忠夫と藤木悠扮するテレビマンという設定。スポンサーに逆らえないテレビ局、そして視聴率競争のためなら何でもするテレビ局、ゴジラシリーズってのはなんて未来を見透かした作品なのか!

際立ったキャラクター達の中でも有島一郎扮するパシフィック製薬・多湖宣伝部長は面白い。自分勝手の権化でともすれば腹立たしいことばかり言っているのに、多湖のキャラクターのおかげでついつい笑ってしまう。個人的には浜美枝扮する桜井ふみ子にも笑わせてもらった。なんと彼女はゴジラに追いかけられ、キングコングに捕まるという、驚異の運悪女だったりする。笑っちゃいけないと思いつつ、余りの馬鹿さ加減というか、ツキのなさに笑わずにいられない(笑)

さて、本命のキングコングとゴジラの戦いシーン、これが迫力満点。1回はゴジラに負けるキングコングが、ある事から蓄電体質になってリベンジするんだけど、ゴジラの尻尾でボコボコにされたあとに雷に打たれて超逆襲!熱海城を挟んで殴りあうシーンは弱冠「城をぶっ壊したいだけじゃね?」と思わなくもないが、例によって円谷マジック炸裂で戦いの迫力を見事に表現しているんだ。最終的にはどっちが勝ったのかは解らなくなっている。でもよくよく考えると人間の勝手で連れて来られてゴジラみたいなのと戦わされるキングコングはいい迷惑だよね。

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ストーリー:TTVの桜井と藤田は、TV番組の視聴率アップのため、スポンサー・パシフィック製薬の多湖部長の依頼で、“巨大なる魔神”を追って南海のファロ島を訪れた。その頃、北極海調査を行なっていた原潜シーホークは発光する奇怪な氷山と遭遇、その中からは休眠していたと思われるゴジラが現れた。桜井たちは強力な麻酔作用のある木の実と原住民の協力を得て、“魔神”ことキングコングの捕獲に成功する。しかし海上輸送の途中で目覚めたコングは単身で日本に上陸すると、同じく上陸していたゴジラに立ち向かっていった。那須高原を舞台に始まるキングコング対ゴジラの対決!! 初戦は敗退したものの、キングコングは国会議事堂に出現。女性をさらい雄たけびをあげるコングは、再び眠らされてゴジラの待つ富士山の裾野へと空輸される。かくして始まった第2ラウンド!! 激しい戦いはやがて熱海城へまで移動して繰り広げられる!コング勝つか?ゴジラ勝つか……。(allcinema)