ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃/ゴジラという遺産を食い潰し始めた作品なのか? | 調布シネマガジン

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ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃
1969年公開のゴジラシリーズ第10弾。監督は本多猪四郎だが今回は特技監督はいない。Wikiによると円谷英二と有川貞昌は大阪万博の映像にかかりきりで、一応特技監修に円谷の名前はあるものの直接制作にはタッチしていないそうだ。しかも本作公開の1ヶ月後に円谷英二は亡くなっている。ゴジラシリーズ初の子供が主人公で、物語は現実世界とその子供の想像の世界という2シーンで構成。想像の世界にだけゴジラやミニラ、ガバラ、エビラ、クモンガ、カマキラス、ゴロザウルス、マンダ、アンギラスが登場する。
ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃1
いきなりこれまたゴジラシリーズ初の主題歌からスタートしたあたりから、ゴジラと言うよりは「ケンちゃんチャコちゃん」や「あばれはっちゃく」のような子供向けドラマのテイストがプンプン漂っていた。なにせミニラは主人公の一郎と喋りだすのだ。ミニラがやられてもやられても勇気を持ってガバラとの戦いに挑み最後には勝利する、それを目の当たりにした一郎は、現実世界でいじめっ子に打ち勝つ。正に子供のための作品は、現代でいうところの「アンパンマン」のような作りといえば解りやすいかもしれない。
ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃2
ただ…カマキラスやエビラ、クモンガを始めとしたゴジラの戦いのシーンがどこかで観たことがある…と思ったらやはり過去作品の映像の使い回しだった。これはこれで子供に大人気だったそうだが、正直これをやっちゃいけないだろうと思う。今DVDで観る分にはいいが、実際に大人がお金を払って劇場に観に行く作品じゃない。結局この時代から東宝はゴジラという遺産を食いつぶし始めたのかもしれないと感じた。お金があれば良い作品が出来るとは思わないが、なければやはりその程度の作品にしかならない良い見本だと思う。

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ストーリー:ガバラというあだ名のガキ大将にイジメられている少年・一郎は、夢の中で怪獣たちが集う怪獣ランドに行くことを楽しみにしていた。中でも彼のお気に入りは、ゴジラの息子ミニラだった。ところがその夢の中に、ガバラのような怪獣が現れる…。(allcinema)