酒・麺処 らん亭
墨田区(曳舟)
【注文】 中華そば(塩)
【価格】 650円
[訪問時期] 2017年2月上旬(平日) 夜
[注文方法] 口頭注文、後会計
[出汁] 鶏豚/清湯
[味] 塩
[麺] 細縮れ麺(140g位)
[具] チャーシュー、メンマ、小松菜、白髪葱、白ゴマ
■ プロローグ
麺友さんと曳舟駅からGマップだけを頼りに路地を伝い歩く。
花街風情を残す料亭がポツリポツリと点在する住宅街の一角に、ようやく古民家風のお店を見つける。
引き戸を開け、昔ながらの玄関で靴を脱ぎ、案内されたのはちゃぶ台が2つ置かれた6畳間。
脇にはカウンター席が4つほど。。。聞けば2階にも座敷があるようだ。
19時過ぎの客は我々だけで、会話が途切れるとレトロな掛け時計のチクタク音が際立つ。
その古時計がボーンと20時を打った頃から、隣席にも2階にも客が訪れ始めるのである。
子供の頃に祖母の家で見たような思いっ切り昭和な空間で、暫し居酒屋タイム。
①おでん盛合わせに始まり、②千住ねぎ焼き、③下足バター、④えびしんじょう、⑤宮城産の生ガキポン酢、⑥梅水晶と、出てくる料理が美味しくて頬が緩みっ放し。
ジャストな温度の熱燗が進みに進む。
[左上から①➡⑥]
時が止まったかのような空間で時を忘れて寛いだ21時半頃に、此方がラーメン屋さんだと思い出す。
「一番人気!」と付された標題をいただいてみようか。
■ スープ
澄み切ったとはこういう事を言うのだろう。
かなり繊細で優しいスープをイメージしながらひと口啜り、じんわり寄せる生姜に意表を突かれる。
ベースは勿論あっさりスッキリ。
鶏、豚、野菜から取ったスープとのことで、後方には乾物魚介も潜んでいそう。
円やかジャストな塩気が描く輪郭が、飲み〆の味覚ど真ん中を突いて来る。
動物系の旨味とコクに生姜風味が絡み、身体に染み入るような美味しいスープだ。
後半、上に振られた一味がピリッと味を引き締め、飲み干すまでレンゲを止められなかった。
■ 麺
麺は細麺と中太麺が選べるとのことで、前者をお願いした。
三河屋製麺製の多加水細縮れで、コシとモッチリ感を確り感じる。
今風のラーメンには使われることが少なくなったタイプだが、このスープに有っては確りと存在感。
麺量はやや少なめに感じたが、自信がない。
■ 具
チャーシュー、メンマ、小松菜、白髪葱、白ゴマ。
2枚のバラチャーシューは箸で崩れるほどのホロトロ系で、若干濃いめの味付けが良いアクセントになる。
他の具も丁寧さが滲むもので、飲み〆の具としては質量共に十分と言えそうだ。
■ エピローグ
タイムスリップしたかのような向島の古民家で、ちゃぶ台を前に膝を崩して流れる時間。
店主さんはじめスタッフはお若い方々で、この空間と良い意味でのギャップ感。
そして、そこいら辺りの居酒屋には負けない美味しい料理とお酒。
こんな設定の中でいただいた一杯は、正に五臓六腑に染み渡るようなスープを筆頭に、総じて満足いくものだった。
独りで再訪するにはちょっとハードルが高そうな感じかな。
次回は2階のお部屋でも貸し切って、大勢で古民家宴会と洒落込もうか。
ご馳走さまでした。