八咫烏 @千代田区 ~「限定☆青豆と静岡茶の冷製すりながしラーメン(豚そぼろ茶めし付)」 | としくんの「ぶらぶラーメン日記」

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八咫烏

千代田区(九段下)
 
【注文】限定☆青豆と静岡茶の冷製すりながしラーメン(豚そぼろ茶めし付)
【価格】 1000円
 
[訪問時期] 2017年8月上旬(平日) 夜
[注文方法] 券売機にて
[メニュー] 【限定】青豆と静岡茶の冷製すりながしラーメン(豚そぼろ茶めし付)
[価格] 1000円
[出汁] 青豆+茶+煮干/豆乳・ベジポタ
[味] 塩
[麺] 平打ち中太麺(180g位)
[具] チャーシュー、茄子煮びたし、山芋、味玉、生姜マリネ、揚げネギ、オニオンスライス、大葉、カイワレ、(別)トマトの辛味噌ソース
 
 
先週1周年記念の「バスラ」をいただき、飛びっきり美味しいのだが大きな特別感は伝わらない、的なレビューを上げさせていただいた。
ところが2年目に突入して最初の限定は、店主さんのセンスと技術が光る、特別感もビンビンの素晴らしい創作料理
これには驚いた。
 
 
このメニューは夜限定で、この日は18時から30食提供とのことだった。
店前で麺友さんたちと合流し、店内でおつビールしながら開始時間をお待ちさせていただく。
 
 
 
「お待たせしてすみません」。。。居山店主が出してくれた焼きワンタンと鶏チャーシューが嬉しい。
 
 
暫くして麺丼とお椀のセットが届き、その絵画のような美しさに一同声を失い、個々の世界に没頭していく。
 
 
 
スープ
薄緑のドロンとしたスープ。
豆乳で煮干や青豆・お茶を煮出し、野菜と合わせた和風ポタージュ仕様、すなわち「すり流し」風のベジポタスープらしい。
丁寧に裏漉しされた滑らかなポタージュからは、封じ込められた青豆、お茶、煮干の風味がじんわりと香り立ってくる。
静岡産の本わさびを忍ばせてあるようで、僅かにツンとした刺激が混ざる。
初めて出会う、正にオンリーワンな味わいで、これを冷製ラーメンのスープにしてしまうとの発想にはただただ脱帽である。
 
 
 

扁平な中太ストレート。
やや硬めに茹でてきっちり水〆を施し、張りのある口当たりと強めのコシ
噛むほどに弾力が増し、滲み出る小麦風味が青豆やお茶と見事に競演
この食感も風味も、すり流し風スープのためにあるのではと思うほど。
麺量は180g以上はあるように感じた。
 
 
 

麺上の具はチャーシュー、茄子煮びたし、山芋、味玉、生姜マリネ、揚げネギ、オニオンスライス、大葉、カイワレ

山型に盛った麺に立てかけるような立体的な盛り付け。
 

綺麗に折りたたまれた2枚のレアチャーシュー
 
 
汁そばの流れるような麺線もそうだが、居山店主の几帳面さと豊かな感性が現れている。
 
 
更にセンスを感じるのが、手間を惜しまないひとつひとつの具の作りこみ
茄子
のナチュラルな甘味が引き出された煮浸し、スダチと昆布で〆たとの山芋、頂上に鎮座する生姜もザクロでマリネされているという。
もはや
創作料理人の域である。
 
 

更に、トマトの味変具が入ったレンゲが添えられている。
ローストトマト、フルーツトマトを一日煮込み、辛味噌とコチジャンで味付けした、言わば
甘・辛・酸と旨味のるつぼのような無国籍ソース
 

これをすり流しラーメンに投下すると、全体に君臨してしまいそうなイメージなのだが、実はそうではない。
案外穏やかな味付けとジャストなソース分量とで、和な風情を活かしつつ、巧みに無国籍カオスに巻き込んでいくような感覚。
この味変は堪らない。
 
 
 
豚そぼろ茶めし
もう既に十分満足なのだが、まだまだ楽しみは終わらない。
〆ライスは茶めしの上に、細かく刻んだ豚肉と椎茸の炒め物、炒り卵、大葉をあしらったもの。
 
 
ところが、そのまま食べても、スープをかけても、豚そぼろの味付けが濃くて茶めしの風味は感じられない。
口を一旦リセットさせる意図かとも思うが、ここはストレートに素茶めしで良いように思う。
結局は豚そぼろを取り除いて、どうにか〆のお茶風味を満喫した。
 
 


■ 感想など
実は普段、豆類のスープを進んで食べることはない自分。
それでも今回のお茶と煮干とのコラボという、かつて経験したことのない味わいには嵌った。
再度言うが、これは居山店主の類い稀なセンスと技術が光る、特別感もビンビンの素晴らしい創作料理。
これだけ仕込みの手間をかけた極上セットが1000円
でいただけるとは、何というプレミアム感だろうか。
 
ご馳走さまでした