東大現代文の勉強計画(年間計画) | 東大国語で高得点を目指すブログ

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東大現代文の過去問20年分の私の解答をこのブログに保存していく予定。
「解答例」は著作権フリーのため、どなたでもご自由にお使いください。
ただし、本ブログの模範解答例以外の文章や写真画像の著作権は私に帰属します。くれぐれもご注意を。(現在休止中)


前回の記事で述べた「東大英語入試に向けての学習法」の続きです。
今回は現代文です!


東大入試の現代文にあたり、私が使用する予定の教材は以下のとおりです。



【使用予定教材】
・東大の過去問25カ年
・一橋の過去問(ただし大問3の200字要約問題のみ)
・現代文キーワード読解
・漢字問題集(題名忘れた。。)




以上です!



現代文は他の教科とは逆の考え方が必要で、
使用教材は少なければ少ないほど良いです。(これは絶対!)

基本的には東大の過去問が中心的な教材で良いと考えています。
東大型の「どういうことか」「なぜか」という、最も基本的な2つのパターンの問題に絞って、必要十分な能力を鍛えていくことができます。


他大学の過去問は、実に色々な問い方を臨機応変にしてくるので、逆にどんな能力を育てれば良いのかがわかりにくくなってしまい、結果的に学習の軸がブレる恐れがあります。

しかもそういう大学は、誘導過剰だったり、限定条件を多くつけるなどして変に難易度を下げてくるため、
あまり思考力や判断力を使わなくても雰囲気で解けてしまうことも少なくありません。
しかし、これは東大現代文のような、「どういうことか」「なぜか」という最も基本的な問いかけに対して「誘導無しで」「一から自分で考えて」解かなければならない、そういう東大型の問題とは基本的に相性がよくないです。

よって、他大学の過去問を解きまくることは、現代文に関しては避けた方が良いと私は考えています。

(※余談ですが、2021年から始まる「新センター試験」の現代文の記述問題は、以上の観点から見れば【非常に最悪に近い問題】だと私は考えています。
明らかに不自然な会話文を読ませて、誘導や条件が過剰なまでにごちゃごちゃ付けられた問題を問うて、どんな能力を測りたいのか、イマイチ見えてこない問題だと思います。
こんなことをするぐらいなら、従来の大問1(評論)の大問をそのまま「記述式」にして出題すれば良いのです。その方がかなりシンプルに客観的な現代文の能力を問うことができるのになあと思っております。)


ただし、一橋の200字要約問題は、
文章全体をマクロにとらえる視点を養う教材として、なかなか有効だと考えています。
そのこともあり、例外的に、一橋の200字要約問題だけは、たまに解いていきたいと思います。





さて、私は「過去問こそが最良の教材である」との立場から、現代文の参考書は基本的に『現代文キーワード読解』以外は使わない予定です。
(『現代文キーワード読解』は、現代文用語と背景知識を仕入れる用途としては優れた本です。)

読解問題系の参考書は、過去問をやっていく中で、どうしても自分なりの方法論が確立せずに泥沼にはまってしまった時のみに「補助的な教材として」使えば良いのではないでしょうか。
しかし、読解問題系の参考書や問題集を選ぶ際には、「半分以上が記述問題で構成されている」ものを選ぶべきだと思います。
記号選択問題ばっかりの問題集は、とにかく頭をほとんど使わなくてもできてしまうので、百害あってようやく一利ぐらいしかありません。

また、現代文だけは他の教科とは違い、自分のレベルよりも一段「難しい」教材を選ぶべきです。
これも、易しい問題集は頭を使わなくてもできてしまうので、思考力の養成に向かないばかりか「現代文はこんな楽勝な科目なんだ♪」などという誤った油断の心を生んでしまうからです。
一段難しい文章を、時間をかけて読み抜く方が、結果的に現代文の場合は持久的な思考力がついて良い方向に向かうのではないかと思います。
そこが「基本〜標準レベルの知識をモレ無く押さえることが大前提」となる他教科とは、根本的に考え方を異にする部分になります。



以下、現代文の問題を解くにあたっての、各論を述べます。



1.読み方
現代文(特に論説文)を読むときに大事な視点は、
同義」「対比」「因果」の3点です。
これらが、文章の背後に流れている「論理的水脈」を見つけ出す際のポイントになります。

ただし、これを頭の中だけでやると堂々巡りのような状態になってしまうので、
なるべく「可視化」させて具体的に目に見える形にするべきだと思います。

例えば、一例として私はこのような形で本文に印をつけています。
(※以下の画像では色ペンを使ってますが、実際にシャーペンを使って問題を解く際にも同様の作業をしています。)

{E36A85E9-1546-45A2-8B09-F65D59FFFB7B}


・「同義」「対比」
筆者の主張と同じキーワードは○、
筆者が反対しているキーワードは◻︎で囲っています。
同じ記号なら「同義」、違う記号なら「対比」です。
これは、傍線部説明問題で「どういうことか」と聞かれるときに特に有効であり、
本文の解答要素をどの範囲から引用すれば良いのかをかなり限定させることが可能です。

・「因果」
私の場合は、二重傍線を引いてそのような箇所を見やすくしています。
これは理由説明問題で「なぜか」と聞かれるときに比較的有効になります。
また、重要な接続語や指示語、あるいは強調表現(「〜こそ」「何よりも〜」「〜に他ならない」など)にも二重傍線を引いています。こうした強調箇所も、傍線部説明問題や理由説明問題などの解答要素を見つけ出すヒントになります。


基本的に、本文の印の付け方は各人の自由で良いと思いますが、
どのような印の付け方を採用しても、結局、印をつける場所はほとんど同じ場所に集約されるはずです。

私はまず本文を全部通読し、本文に印をつけ終わってから、初めて問題を解くことにしています。
(本文通読&印つけに、およそ12分ぐらいかけています。)




2.解き方
私の記述問題に対する解法パターンはこちらに既に書いております。


ただし、以上の「読み方」や「解き方」は、数学でいうと「補助線を引いただけ」に過ぎないです。
つまり、図形の証明問題を解くときに「補助線」を引いただけでは、まだ問題を解いたことにならないのと同様に、
現代文でも、本文に印をつけて解法パターンを適用する段階を踏んだだけでは、単にようやく「最初の一歩」を踏み出しただけに過ぎないです。
特に東大の場合、そこから先が本当の意味で思考力を多々使わなければいけない道のりになり、満点近い解答を書くためには、文章の中身に応じて多くのことを考えなければならないのは、ほぼ間違いないはずです。
だから以上に挙げた「読み方」や「解き方」は、自転車の補助輪や図形の補助線のように、解答の方向性を正しい方向に向かわせるための最初のステップに過ぎないのだと、私はいつも自分に対して戒めています。

「読み方」と「解き方」の型を確立させた後でも、私は東大模試の現代文で満点はおろか、まだ7割すら超えていないので、
まだまだ道のりは長いと言えそうです。
(東大模試の模範解答が、果たして本当に妥当なものなのか、という視点はここでは敢えて置いておくことにします。)




3.読書
「読み方」と「解き方」という技術を確立させた後でも、
結局は本文の内容や筆者の主張内容を丹念に読解するだけの「持久力」がないと、
結局現代文の点数が伸びないこと。このことが、ある程度私にもわかってきました。
その持久力を養うためにも、受験勉強を妨げない範囲での読書は必要だと感じています。(ただし、読む本の内容は論説文に限る!)
「言語論」「文化論(芸術論も含む)」「思想論」「社会論」「科学論」などをバランスよく読んでいく必要があると思います。
(※このブログでも、もし良い本が見つかったら紹介していきますね。)

また、『現代文キーワード読解』に掲載されている本文だけでも、上記のテーマにおいて入門レベルの文章は最低限掲載されてるので、
まずはそれを利用するのも手かもしれません。




4.過去問をやる際の注意点
この世に存在する過去問や解答速報に載っている「模範解答」というものは、
全ては単なる「仮説」に過ぎないです。
つまり、絶対視すべき対象ではありません。
もちろん自分の書いた答案も「仮説」です。
模範解答という「仮説」と自分の書いた「仮説」を照らし合わせて、より良い答案(仮説)を自力で作って、
自分が自信を持って「これが模範解答だ!」と言える作品を作って保存していく、そんな修行僧のような営みを継続的にしていくのが現代文の取り組み方だと私は信じています。

その意味では、研究機関としての大学で、答えの用意されていない問いに対して自説を発表し、それに基づく論文を書いていく営みを最も早く擬似的に体験できる科目でもあると言えるのかもしれませんね。