2021年東大国語文系第4問(随筆) 解答を作成してみた | 東大国語で高得点を目指すブログ

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東大現代文の過去問20年分の私の解答をこのブログに保存していく予定。
「解答例」は著作権フリーのため、どなたでもご自由にお使いください。
ただし、本ブログの模範解答例以外の文章や写真画像の著作権は私に帰属します。くれぐれもご注意を。(現在休止中)

※注:まだ開示結果は郵送されてきてないです。



今年は試験本番では随筆に20分しかかけられず、不完全燃焼に終わりました。

そこで、試験場で書いた拙い解答を更に推敲して、自分なりに時間をかけて随筆の解答をレベルアップさせました。
ようやく完成できたので、本ブログにて公開させていただきます。
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【私の解答】
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(1)
自身の描いた画の拙さが罹患時の無理な姿勢によるものだと弁解しつつ、その拙さを自覚してもなお友人の漱石のために懸命に画を描いたことを伝えたいという心情。(75字)

(1)《別解》
自身が懸命に描いた画の拙さが罹患時の無理な姿勢によるものだと弁解して照れ隠しをしつつ、漱石からの失望を避けようとする心情。(61字)
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※コメント:
心情説明問題だけど、本文中に心情の内容を端的に説明している箇所がないので、前後の文脈から推測する必要がある模様。
ところが、合理的に考えても上記のように2通り(あるいはそれ以上?)の解釈ができそうでした。多分、センター試験とか共通テストなら、いずれの解答でも正解の選択肢になりうるのではないでしょうか。
ちなみに自分は、本番では《別解》の方向性で書きました。




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(2)
子規の描いた画は単簡で色の種類も少なく、背景の白さと表装の絹地が寒い藍色なのも相まって全体的に冷たい印象を与えるものだから。(62字)

(2)《別解》
子規の描いた画は単簡で色の種類も少なく、背景の白色と表装の絹地の寒色が全体的な冷たさを印象づける他、子規の死による物悲しさも思い起こさせるから。(72字)
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※コメント:
本文から合理的に読み取れる部分だけを抜き出すと上のような解答になり、そこに一番あり得そうな心情説明まで加えると別解のような解答になる模様。
しかし、画を見た時の心情は本文中に直接は説明されていない、つまり「本文の内容から100%そう断言できる情報」とまではいかないので、書くかどうかは大変迷います。心情を入れたい場合は最終段落が根拠になり得そうです。
なお、自分は心情説明を含めずに書きました。個人的な予想だけど、心情の説明をしなかった解答でも満点、或いはかなりの部分点は来るんじゃないかなと予想しています。




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(3)
子規は無造作に才能溢れる俳句や歌を作るのに、子規の描いた画には労苦を経ても隠しきれない拙さや真面目さが垣間見られるという人間臭い意外性があったから。(75字)
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※コメント:
対比を意識。しかしこの問題は簡単そうに見えて意外と傍線部の「プラスイメージ」をどう反映させるのかが難しいのではないかと思い直しました。




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(4)
人としても文学者としても優れた子規の画に唯一存在した拙さが「余」の感情を揺さぶるほど発揮される可能性が永遠に失われたのを残念がり、子規の死を悼む心情。(75字)
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※コメント:
英語で言う仮定法のニュアンスが含まれるので、その仮定の内容をまず書き、現実がそれとは真逆になっている事実を書いた。
次に「淋しさ」の内容を具体的に説明する段階に移行。
あくまでも合理的に読み取れる内容だけで解答を書くことに細心の注意を払わなければいけない。




1週間ぐらいかけて推敲した解答が以上になります。ちなみに、予備校の解答速報は今まで見ないようにしていたので、後日見てみようと思います。

今年(2021年)の随筆は、(2)と(3)は部分点が取りやすそうな問題で、(1)と(4)が両方とも心情説明問題だったものの、解答の方向性は比較的決まりやすい問題だったので、レベル的には「標準」だったと考えています。

しかし、本番では上記より少し質が落ちる解答を書いてきたため、20点満点と仮定すると9〜10点ぐらいしか取れてないと思われます。(4)に至っては解く時間がなくて上記の解答とは全然違う解答を書いてきたので、ほぼ0点でしょう。


ちなみに評論の方も、試験場で書いてきた答案に少しずつ不備が見つかっているため、40点満点と仮定すると28点ぐらいかなあと思われます。
評論は、開示結果を見ればある程度の出来具合が予想できそうなので、それを見た後に推敲する予定です。

開示が届くのは夕方以降なので、まだ少し時間に余裕があります。
なので、次の記事では急いで自己採点の記事を書きます。