自分の誕生日は好きです。
この日に生まれたことは好きです。
この地では、桜が咲いて満開か、あるいは散り始める頃。
だからこの日に生まれたことは好きです。
今年の桜は、満開に咲いている様に畏れを感じてしまいました。
力一杯咲いているその姿より、
葉が見え始め、つまり花弁が散り惑う世界の方が
なぜだか安心して、美しいと感じてしまいました。
一人で迎える誕生日を久しぶりだなんて感じてしまうほど、
あの時間は幸福で眼福で充実したものだったんだな、と。
静かに思い返すのです。
日は暮れて、また明日が来て。
少しでも笑っていられるように、少しでも心を満たしていられるように。
一つ一つ、呼吸を積み重ねて生きていけるようにしたいのです。