からだのことは、体に聴け | ホームホスピス われもこう

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熊本にある介護施設「ホームホスピス われもこう」のブログです。


 最近、「傾聴」が、良好な人間関係を築いたり、コミュニケーションを円滑にしたり、ある人が抱えている悩みや問題を解決する有効ないとぐちともなりえて、とても大切なことだと言われています。「傾聴」というと、耳慣れない、なんだかかしこまった言い方になりますが、平たく言えば、耳を傾けてよく聴く、ということです。

 忙しいと、人が話しかけてきても、「この忙しいのに」とココロの中でいらだっていたりします。そんなときは相手がいくら一生懸命に話そうとしても、もうこちらの耳にはその中身が入ってきません。半ば耳栓状態です。ココロここにあらずです。

 「傾聴」の「聴」という文字をよーく眺めると、〈つくり〉、つまり漢字の右半分の部分の、さらに下に「心」という字がそっと入っているのがわかります。

 これから推して、「傾聴」の意味は、ココロを相手の語りに集中して、つまり熱心に耳を傾けることだということがわかります。

 傾聴すると、そうでない場合よりも相手の気持ちがよく分かり、聴いてもらう方も、「ああ、真剣に聴いてくれているんだな」ということが分かって、両者のあいだに信頼関係が醸(かも)しだされます。それだけで問題や課題は半分以上、解決されたも同然です。自分にもそういう経験が何度もありあります。

 同じようなことは、自分と〈自分の〉〈からだ〉との間にも当てはまるのではないでしょうか。自分のからだというけれど、実は自分のからだではない〈他者〉、と思っておいた方が案外付き合いやすいかもしれません。

 忙しくしていると、忙しさにかまけて、自分のからだのことにかまってあげてないことがよくあります。からだが不調になるのは、そんなことが重なったとき。     (つづく)

                                  (南風)