最新の新潟県民経済計算でコロナ禍の影響鮮明 | 希望のブログ 上越新幹線の新潟空港乗り入れ

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東京一極集中の緩和、地方の活性化、新潟の人口減少抑制、経済活性化、国土強靭化のため、上越新幹線の新潟空港乗り入れを考える。人口、経済、GDP、保健福祉、政務活動費、議会活動などにも関心を持っています。専門統計調査士。

昨日3月17日、新潟県は令和2年度の県民経済計算を公表しました。


県内総生産は名目8兆8,575億円、実質8兆6,992億円となり、また、経済成長率は名目マイナス3.5%、実質マイナス4.4%となり、名目、実質ともに2年連続のマイナス成長となりました。 

表は新潟県統計課ホームページから

この原因の一つとして、新型コロナウイルスの感染拡大が挙げられます。昨年公表された令和元年度にも影響が少し見られましたが、県レベルのGDPのデータに大きく影響が現れたのは今回公表の報告書。

近年では、消費税増税が影響したことによる平成26年度の実質マイナス2.2%があり、いずれも「県民経済計算標準方式(平成27年基準版)」(内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部)に基づき県が推計したものになります。

表は新潟県統計課ホームページから

また、若干の概念や計算方法、用いた統計データの違いはあるものの、平成23年基準版による県推計値では、平成20年度と21年度の実質経済成長率はそれぞれマイナス4.4%、マイナス2.0%で、リーマンショックによる影響が大きく、成長率だけで見れば、令和2年度のコロナ禍による新潟県経済への影響はリーマンショック並みだったように思えますが、次年度の成長率もマイナスでなければ、リーマンショックよりは若干弱いと予想されます。
いずれにせよ、宿泊、飲食、交通、観光関係の事業者にとっては、非常に大変だったことに変わりはなく、コロナ禍による倒産は少なくありません。

今回公表された県内総生産(生産側、名目)を経済活動別にみると、「宿泊・飲食サービス業」が、緊急事態宣言発令や外出自粛などの影響により前年度比マイナス42.6%、「運輸・郵便業」は、貨物輸送の減少や外出自粛に伴う交通機関の利用減少などにより、マイナス17.5%、「卸売・小売業」はマイナス3.7%など、多くの産業でマイナス成長となりました。

県民所得(分配)では、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞により前年度比マイナス6.7%、内訳では、企業所得がマイナス22.5%、県民雇用者報酬がマイナス1.3%となりました。
毎年の報告書を見ると、成長率が大幅なプラスでもマイナスでも、雇用者報酬は増減しにくく、企業所得で影響を吸収している傾向があるようです。

一方、感染拡大を受けた政府の緊急経済対策などにより、「経常移転の受取(純)」は前年度比プラス56.2%となりました。

支出側では、全体で前年度比マイナス3.5%、内訳では、家計最終消費支出でマイナス6.7%、そのうち、「外食・宿泊サービス」はマイナス29.7%、「交通」はマイナス21.6%、「総資本形成」はマイナス6.1%となりました。

また、「付表4 経済活動別県内総生産及び要素所得」の「営業余剰・混合所得」で、「運輸・郵便業」と「宿泊・飲食サービス業」の令和元年度の値はプラスとなっているものの、2年度はそれぞれマイナスとなっており、コロナ禍による各産業の経営の厳しさが示されているように思えます。

2021年度国民経済計算(2015年基準・2008SNA)の主要系列表の国内総生産(支出側、名目)の統計表では、令和3年度の成長率はプラスに転換し、同年度の経済規模は令和元年度と2年度の中間ほどに回復しています。

私見ですが、来年春公表予定の県GDPは、全国値との程度の差はあっても、プラス成長になっていると想定されますし、そう願っています。


詳しくは、新潟県統計課のホームページをご覧ください。