薄桜鬼小説【左之助】パート2 | べちー子’s駄文保管庫

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徒然なるままに
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続編でーす。
お楽しみくださーい。

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夜遅くに原田さんは帰ってきた。
玄関まで出迎えるとおみよさんが寄り添っていて、ちくりと胸が痛んだ。
おみよさんを家まで送る途中に厠の為に屯所に寄ったそうだ。
原田さんが厠へ言っている間の沈黙が重苦しい。

沈黙を先に破ったのはおみよさんだった。

「あなた、女でしょう」

驚いて固まる私に、おみよさんは鼻で笑うように続ける。

「やっぱり。そうだと思った」

女であることがばれた?!
何故原田さんがいない時に聞くの?相手の意図がわからない。

「悪いけど、左之助さんは私がもらったから」

胸の中にどす黒い感情が渦巻きはじめる。

「単純な男よね。ちょっと誘ったらすぐその気になるんだもの」

聞きたくない。心が否定する。

「どんなことしたか、詳しくおしえてあげましょうか?」

唇を舌で舐めながらいやらしい笑みを浮かべる。我慢の限界だった。
気がついたらおみよさんの頬を平手打ちしていた。
彼女は一瞬にやりと笑うと、ぽろぽろと泣き出した。

「何やってんだ」

原田さんが足早にこちらにやってくる。

「千鶴、なんで叩いたんだ」

おみよさんが泣きながら原田さんに抱きついた。

「もう屯所には来るなって言われて、訳を聞いたら叩かれて・・・」

「嘘!おみよさんが原田さんの事を悪く言うから!」

声が大きくなり、語尾が強くなる。
何故だか苛々した感情が入り混じる。

「助けてもらった恩人の悪口を言うはずがないじゃないですか」

しおらしく話す彼女が余計に腹立たしかった。

「千鶴、お前そんなに嫌な奴だったのか」

「違う!原田さん、聞いてください」

原田さんが私を睨んでいる。私が疑われてる。

「千鶴、お前はもう部屋に戻れ」

「原田さん、聞いてください」

半分泣き声になりつつも訴えたけど、原田さんには届かないようだった。
ぐいっと腕を引っ張られ部屋の前まで連れて行かれた。
そして私の顔も見ずに玄関へ向かってしまった。

おみよさんを送りに行って半刻ほどしてから原田さんは戻ってきた。
話を聞いてもらおうと出迎えた私にむけられたのは冷たい視線だった。

「千鶴、もう俺とおみよにはかかわるな。絶対にだ」

「・・・・はい」

返事をするのが精一杯だった。
何かが壊れていく気がした。
原田さんのやさしい微笑みは二度と私に向けられることがないんだ。
考えれば考えるほど、息苦しいほどに胸が押し付けられた。
視界がにじみ、涙が床を塗らした。