レディ“L”の肖像⑳ 葛藤の日々が続いた。 | A300yamadaのブログ

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このテーマの最初の記事はこちらです。

これはこの記事の続きです。

 L”の“L2”としての行動はあまりにも理由が不可解だ。彼女はその後この出演について私にも公けには何一つ語っていないと思う。どう逃げていたのか知りたい。忖度せずにぶつけた人はいないのか。

私なりの想像は別に考えるとして、わからない中では彼女にどう対処すべきか悩んだ。あれこれ想像を巡らしたり、彼女への手紙の中でアドバイスを付け加えたりするものの、この話題で追及するのを控える様にした。

一方私がアーカイブをスクリーンショットし続けていたのはその頃だが、心の休戦状態だったと思う。いつかは真相を語ってくれると思っていた気がする。

私は自分が他の“L”の公演で見るストリップ客、特に顔を知っている、たぶん向こうも私の顔を知っているような人物とさえ、この話題について“L”のファンとしてのコミュニケーションを一切持てなかったことが大きな弱点だったと思う。もしかしたら限られた常連の中にはこのことについて“L”とひそかな了解事項として共有している人たちもいたのではないかと疑っている。

彼女のファンを自認するにしては観覧頻度の少なさによる情報交換の機会不足、交流下手な性格が十分克服できなかった、などのために、私はいつしか「浮いてしまった」と思う。

B掲示板の“L”のスレッドには、ある一時「やらかしちゃったけど」、ということがヘッダーに掲げられた時期があった。チャットへの出演はファンにとって公然たるものであると同時に、黙認するのがコンセンサスになっていった気がする。

私は“L”に対して、彼女の公演に影響のないように、できるだけ平和に気持ちを伝えようと思い、手紙の中で押さえた表現で触れたり、やがて黙ったりしたつもりだった。

それからチャットに新たな出演がないとわかったことが最低限の進歩でアーカイブが続いたことは黙認し、いつかの解決を期待した。

彼女は真相について語ることはなく、そして私に対する態度もそっけないことが多かったが、それでもポラの応対はしてくれた。

その頃は応対に時に応じてばらつきがあった。

平和な内容の手紙を渡そうとした時、一瞬こわばった顔つきになり、私が「変なものではない」と否定することがあったかと思うと、私が描いた中でもとくにへたな足を開くポーズ絵のイラストを見せたときは、底抜けな態度で私に応じ、私の表現や頼み方が彼女の体の硬さの弱点を気にして手加減していると受け止め、「できないと思っているな」と言われ、今までため口をきかれた記憶があまりないこともあり、びっくりしたことも。

その時は見事に弱点を克服した股わり開脚ポーズを見せてくれたかと思うと、「四つん這い? 四つん這い?」と言いにくい依頼を向こうから水を向けてくれたり、と、少し私を怖がっている裏返しだったかもしれないが、明るいおどけた態度を見せてくれたりもした。精神状態が違っていたのだろうか。

股わり開脚ポーズは次回撮ると約束しながら、ついに果たせなかった。

一方で、私は “L2”のアーカイブ画面にアクセスし繰り返しウォッチすることは、一種の病気のように止められなくなっていた。

先に記したようにそれをもとに1枚だけ彼女の画面内のポーズをそのまま取り込んだイラストを作った。

ソファーを使って露出も多い大胆なデザインのコスチュームを身に付けてポーズした写真から切り取り、顔は自分のテーストで描き直したイラストだ。

スクリーンショットの中でとくにこのポーズに注意が行ったのは、“L”のポラタイムにある客が頼んだポーズに似ていたからだ。恐らく私が“L”から長文のメモをもらった日に絶望しながら退場しつつ見たのだと思うが、その時それに対して彼女が「わあ、過激なポーズ!」みたいな歓声を上げて応じたポーズも似ているような記憶があるのだ。

私はそのイラストをそのまま劇場で見せてポラのポーズを頼んだ。試してみたのだ。

似顔ではなかったが、コスチュームの色やデザインには映像の影響を残している。それに対して邪推されるようなことはなく、“L”は顔色一つ変えずそのポーズをとってくれた。結果として、私のイラストとそっくりな写真が撮れてしまった。ショックでもあった。

このことは彼女に当てたどこかの手紙で書いたかもしれない。もしかしたらポーズを依頼した時点でわかっていたかもしれない。そういうことが想像されるように、“L”は割り切った態度で臨んでいたように見える。