地下ダンジョンに迷い込む。
東北地方梅雨入り宣言。
雨の嫌いなオレにとっては迷惑な話です。
こんなジメジメした季節、オレだけじゃなくて大抵の人間は不快に感じるはずです。
大体にして雨を好むヤツなんて、新しい雨具を買ってもらってそれを早く着てみたい!使ってみたい!って怪しげに雨乞いし、そんでアホみたいにはしゃぐ子供くらいなもんでしょう…。
雨雨降れフレ、そんでもって ぴちぴちちゃぷちゃぷランランラン♪ ってな具合で。
職場から最寄の駅までは徒歩で約20分ほどなんだけど、こんな雨の日はやっぱ外歩きたくないじゃないですか?なので、地下鉄を使っちゃうんですよ。
片道200円、普段なら絶対にありえない出費なんですが、背に腹は代えられません。
今日も朝は駅から何とか歩いて出勤したんだけど、帰りはアホみたいに雨が降ってやがるんで地下鉄使っちゃいました。
ちなみにオレ、地下鉄も苦手なんです。
正確には 【地下道】 が苦手なんです。
極度の方向オンチなもんですから、一旦地下に降り立つともう大変。途端に方向感覚を失います。
仙台の地下道なんて所詮たかが知れてるんですよ。都心のソレとは比べ物にならない程に単純明快。地上の立地関係を把握してればどーってこと無いと周りの皆さんは口々にいう。
が、しかし、地下苦手と自覚アリなオレにとっては、たかが仙台の地下道、されど仙台の地下道ってなワケで、イメージ的には、ロールプレイングゲームで最後のボスが潜むダンジョンクラスなんです。
朝はまだいいんですよ、会社まで一直線に向かわないと遅刻しちゃうって自制心が働くから。
ところが仕事が終わり開放感が溢れる時間帯だと、ちょっと寄り道したりとかしたいじゃないですか?本買ったりエロDVD借りたりしたいわけですよ。で、全ての地下道はローマにも通じていれば、エロDVD屋に通じてるわけですよ。そこを地上のイメージと地下のイメージをリンクさせて目的地へ一直線!なんです。少なくともオレの心の中では一直線のつもりなんです。この階段を上ればドンピシャ!でエロDVD屋の正面に出るハズなんです。
が、しかし、大変分かりやすい案内板に従って歩いてるんだけど、気が付くとまったく明後日な場所に到着しちゃうんです。あれあれ間違っちゃったかなって一度引き返してもう一度目的地への軌道修正したつもりが、何だかまた同じ場所に出ちゃって、まるで合せ鏡の回廊にでも迷い込んだのか???って軽めのパニックに陥っちゃう。とにかく方向を失って迷っちゃうんです。
リレミトが使えるなら速攻使いたいって思っちゃいます。
でも時にその方向音痴っぷりが功を奏して、意外な発見をしちゃう時もあったりするんです。
「あれ?道に迷っちゃったかな??」 って辺りを見渡すと、こんなところにラーメン屋なんてあったんだ!ってさ。仕事帰りの夕飯前なワケで、当然腹は空いてるもんだから、折角だから喰っていくかって事に決め、軽めの夕飯にすると、コレが意外なことにめちゃめちゃうまかったりするんですよ。他の人にとってはそんな店かなり前から知ってたよって事かもしれないが、オレにとっちゃ偶然迷い込んだことによる大発見だったりするわけ。隠れた名店発見ってな感じ。
この大発見は自分だけの秘密にしようって思っていたんだけど、会社の後輩と一緒に帰ったら、ついつい口を滑らして言っちゃったワケです。うまい秘密のラーメン屋があることを。
しつこく 「先輩連れてってくださいよ」 って言うもんだから、渋々連れて行くことにしましたよ。
んじゃオレについてこい!ってな具合で。
あーあ、秘密にしておきたかったなぁってちょっと後悔。
でも後輩のお願いとあっては仕方ありません・・・。
ついでにあるはずのお店がありません・・・。
つーか、どうやってそこまで行ったのか記憶がありません・・・。
あくまで道に迷い、偶然到着した店だったので、方向音痴なオレがその道順を覚えてるはずもなく、一発でたどり着けるはずがネェーってことなんです。
「先輩、なんて店なんですか?」 って言われても、それすら覚えちゃいねーんですよ。
大体にして、自分の通勤ルートすらままならないのに、いきなり応用編なんで土台無理な話だったんです。
結局どうやって帰るのかも分からなくなり、後輩に案内してもらい駅改札まで連れて行ってもらいました。オレ一人だったら、MP使い果たしてダンジョンから抜けられず死んでいたかもしれません。
雨さえ降らなければこんな道通ることもないのに、とんだ恥さらしですよ。
天気予報は明日も雨。
明日も懲りずに地下ダンジョンに挑みます。新たな発見を期待して。
でも、やっぱり雨は嫌いだ。
エロメガネ。
自分でも良く覚えていないんだけど、気が付いたらメガネをかけていたんですよ、オレ。
ガキの頃のオレはというと、自分の部屋から朝日が上るのを見ることのできるオーシャンビューを独り占めな環境という、都会の雑踏に揉まれるOLなんかがコツコツ安月給を貯めて、有給休暇なんかを消化しつつわざわざ旅行代理店の餌食になり予約し宿泊しちゃうような、しょーもない場末の民宿のようなところで育ったのです。
揉まれるOLは場末の民宿になんか行かないか…。
小銭貯めてハワイくんだりに揉まれに行くんかな?
とにかく、わざわざ早起きして朝日なんか眺めながらまずいインスタントコーヒーをすすり「ダバダー」なんて言ったことも無いです。
そんな環境で育つと、視力が激しく発達するのです。常に水平線の向こうを夢見がちに眺めちゃうので、遠くをゆったり横切る貨物船なんぞを日々見ていると、アフリカの原住民が地平線の向こうにいる獲物を常人では確認できないのにもかかわらず、「あっ!いまライオンがハナクソほじってたぞう!」なんていうのと同じようなレベルまで発達しちゃうのです。
てなわけで、当時のオレは確実に視力3.0以上あったのだ。たぶん…。
そんなオレも、大学入学と同時にしがらみだらけの漁村を離れ、いっぱしの都会人気取りで雑踏の中に紛れ込んだのです。それこそ田舎モノ丸出しで。
ところが、元来の漁村魂が消えうせることは無く、大学卒業と同時に、買ったばかりの自転車が即潮風で錆だらけになっちゃうような生活に返り咲いたのです。
寂しがり屋の代名詞、Uターンってヤツです。
一旦捨てた漁村魂、出戻りと化したオレを地元の漁師がそう簡単には受け入れてくれることはなく、「どうしても帰りたければ、その必要以上に凝らした瞳を捨てろ!」と言い放ち、結果オレの視力は軟弱な都会人バリに両目0.1という、視力検査のたびに C の向きを予め暗記しなくてはならない屈辱的な状態まで低下したのだった。
あまりに回りくどかったが、一人暮らしという誰にも文句言われない環境のため、テレビ見まくりギャルゲーやりまくり、薄明かりでエロ本見まくりで、なるべくして近視になっただけ。
当初、あまりにも自意識過剰なオレに【メガネ】なんて選択肢はありえなかった。
メガネ=だっさださ。
メガネ=クラスの真面目っ子。
メガネ=国語の先生。(中学の頃女子からの不人気ナンバーワン)
ってイメージがこびり付いていたんですもの。
真面目っ子の代表格、出来杉君ですら裸眼でがんばってるのにオレがメガネなんて軟弱なモン使うわけにはイカン!しかし見えないモンは見えないです。これじゃせっかくドキドキしながら借りてきたエロビデオも心置きなく堪能することも出来ず、世間一般の皆様の右に習いコンタクトを使用してみたのです。
おお!コレならばオレのステキ度を低下させることなく心行くまでエロビデオ観賞を堪能できる!メガネを使用することなく、視力をupし、さらにはモテモテ度を維持できる!と、齢30歳にしてモテモテで困っちゃうなんて時期が一度も訪れることはなかったくせに、とりあえず自意識過剰レベルは維持できるような気がした。
が、あまりにも不精なオレ。高価なコンタクトを購入したはいいが、そのケアが面倒でなりません。大体にして手のひらで擦って洗えだの、そのあと濯げだの淡白除去しろだのいちいちオレに指示すんじゃねーって項目が多すぎます。そんなもん擦ってる暇があったら、テメーの下半身を擦ってタンパク除去するわいって話です。
メンドーなことこの上なし。
かといって、1日使い捨て購入できるほど裕福な月給をもらってるわけでもなく、仕方なしにメガネライフを満喫しております。
いや~オレくらいのレベルになるとある意味メガネすらイケメン度アップに貢献してくれるんだよね…って勘違い街道まっしぐらで、かつ、堕落人生まっしぐらなわけです。
けど、もともと可もなければ不可もない、どこにでもいるようなありきたりな非イケメンなオレなので、ちょっとメガネなんてかけちゃうと、やっぱマジメっこに見えるようです。
職場では女子社員から「ユキオさんって真面目でいつも一生懸命仕事してるよね、素敵だわ」とか噂されてんじゃねーかって妄想に浸ってます。
実際はそのメガネ越しに「うるせー!お前の今日のそのエロい服はオレを挑発してんのか?」 とか 「そのエロいストッキング、オレに破かせろ!」などとエロオヤジ度120%強で嘗めるように日々眺めているのです。
言い訳するわけではありませんが、世の健康な男子はみんなそんなこと思っているのです。
とくにメガネを平然と使いこなす男はそうなのです。
間違いありません。
以上、メガネについてでした。
※エロメガネ。
水溜りと戦う。
朝からあいにくの雨…。
昨日の帰宅途中のPM11時頃、愛車のR(軽No1)の給油ランプが点灯しだしまして、さっさと帰りたい気持ちを押し殺しながら、舌打ち雑じりでガソリンスタンドへ急行。こんな時間に開いてるのはセルフ式のスタンドばかりだ。
オレはセルフのスタンドが嫌いだ。
石油価格が高騰し、我々はもとより運送業を営む者は勿論のこと、漁船を操る漁業関係者や農機にまたがる農家の人々と言った、第一次産業を支える者まで経営、家計を圧迫されてきている。燃料代金の高騰はさまざまな分野において悩みの種だ。
そんな中、颯爽と登場しアメーバのように増殖してきているのが、セルフ式スタンドだ。リッター2~3円安いって言うのは、庶民には大変ありがたい話だ。
が、オレはセルフのスタンドが嫌いだ。
だってメンドクセーんだもん。
とは言ったものの、今、目の前で光り輝く給油ランプを無視することは出来ない。久々に見たよこれが光るトコ。コイツはコイツでちゃんと仕事してんだナァ。慎重派?っていうか猛烈ビビリなオレの場合、ガソリンは出来るだけ余裕を持って入れるようにしてるから、滅多に活躍の場を与えてやれていなかったもんなぁ・・・。
とにかく、背に腹は代えられないので渋々セルフっておきました。もうグダグダで車降りてグダグダで給油キャップはずして、グダグダでカード入れてグダグダでノズルぶち込んで・・・。もうメンドクセーオーラ全開だったオレに店員が近づいて来たんですよ。
お客さん、洗車はいかがですか?
ってお前はオレに喧嘩売ってんのか?あぁ確かに汚いよ、泥だらけで黒のはずのボディカラーがいまや何色か判断に苦しむ状態になってますよ。でもさぁ、既に夜の11時過ぎてんですよ。ネクタイを緩めちゃったりして明らかにグダグダな感じでしょーが。早く帰りたいって気持ちが伝わらないのかナァ、君には。大体にしてこんな時間に洗車する奴っているのかねって疑問が頭を過ぎる。
さっきですネェ、洗車機の調整をしまして調度終わったトコなんです。例に私の車を洗ってみようかなって思ってたんですが、もしよろしかったらどうですか?モチロンお代は結構ですよ。
やりますやります!むしろやっちゃってください。そうそう調度洗車しようと思ってたんですよネェ、何なら今日ココでやろうかと思ってたんですけど、こんな時間なんで店員さんにご迷惑かと思いましてあきらめていたんです。タダでいいんですか?何だか悪いナァ。そうそう!ワックス洗車したいなぁって思ってたんですけどそれでもいいですか?
って心にも無いことを言いつつ、洗車までしたんですよ。昨日・・・。
で、今日この有様です。
朝から鬼のように降ってやがって、農道がホームコースの私のマシンは、駅到着と同時に昨晩と同じ状態に返り咲き…。
車を置いて駅に向かう途中、ちょっとしたトンネルを徒歩で通らなきゃいけないんだけど
ココでトラブルが発生!
出口付近が水浸しになっていて、ちょっとやそっとじゃ渡れそうに無い。これは困った。
そういえばトンネルの入り口には「雨の日には通れない場合があります」って書いてあった。
ついにその時がやってきたのだ。
水溜りの中心からは次から次へと水が湧き出してきていて、状況の改善は当分期待できそうに無い。それよりも何よりもあと10分ほどで電車が到着してしまう。それに乗り遅れると、次の電車まで30分以上待たなければならないのだ。
遅刻必至!!
トンネルを回避して迂回してもまだ間に合うかもしれない。ただし走ればの話だ。しかし、トンネルの外は傘も役に立たないほどのドシャ降りで、そんなことをしたらズブ濡れ確定だろう。
どうやらオレに残された道はトンネル内で勝負を決めるしかないということらしい。
これでも高校時代は陸上部に所属し、跳躍を専門として汗を流してきたのだ。当時のオレの幅跳びの記録は7m弱で、県の代表にまでなったことがある。目の前に広がる水溜りは目測で4m強。行ける!既に現役を退いてだいぶ時は経っているが、たかが4mだ。楽に飛び越えられるはず。気をつけなくてはならないのは、このトンネルが極めて狭いということ。幅は人がすれ違うのがやっとで、高さは2m弱。身長177cmの私が助走をつけてジャンプしたなら確実に天上に頭をぶつけてしまうと言うこと。だが、そんな悪条件であっても、飛び越えるのは不可能ではない。つーか、もし失敗したところで今ならまだ誰も見ていないので、なぁ~んも恥ずかしいことは無い。
思い返してみれば、日曜祭日お構いなしにタダ直向に練習に明け暮れていたのは、今日この時の為だったのかもしれない。男子校に通っていたオレだが、時に女子校とのコンパの誘いもなかった訳ではない。しかし、オレの青春は女子とちゃらちゃらと遊ぶ為に費やす訳にはいかない!行きたきゃお前ら勝手に行きやがれ!って今なら仕事さぼってでも行きそうな甘い誘いに目もくれず、体を鍛え続けていたのだ。それは記録の為じゃない。一段と高い表彰台の上に立つ為でもない。今日、この水溜りを飛び越える為だったのだぁ!!
そんな妄想に思いを巡らせつつ、助走を取るため一歩、また一歩とあるきだした。
振り返り着地地点をにらみ、さぁ行くぞ!って思ったその時
えぇ~何コレぇ~やだぁ~!
って声が後ろから聞こえてきた。学生風の20歳くらいの女子がそこに立ち尽くした。一気にオレの戦闘モードは解除されちゃいました。
飛ぼうと決意したオレだったが、これで着地失敗でビチョビチョって状態は許されなくなってしまった。自意識過剰なオレに失敗の場面を誰かに見られるなんて選択肢はないのだ。
女子は「どうしよう、アッチ回ったら遅れちゃうかナァ」って迷ってる。大丈夫!まだ間に合うからそうしたほうがいいよ、そうしなよってさっさとこの場から立ち去るように促すオレ。飛ぶって決意が堅いうちにやらせてくれ!だからあっち行って、しっしっ!って思っていたら、続いておっさん二人が登場。もうだめ。ハイ、コレで飛ぶって選択はなくなりました。
そうそう!ホントは部活サボってコンパ行きました。チャラチャラ女の子と遊んでましたよ、実際は。だからいつまで経っても二番手でした。インターハイだって、後ちょっとのところでその切符を掴み損ねましたよ。大体にしてたかが水溜りを飛び越えるために3年間も汗水垂らすバカがどこに入るってんだ!と自分に言い聞かせる。やっぱコッチが本心だね。
さて、大人4人が狭いトンネルの中で、あーでもないこーでもないと議論し水溜りを快適に通過する方法を模索した。結果、あるプランがおっさん1号から提案される。そのプランとはこうだ。
トンネル内に敷かれている滑り止めの人工芝みたいなのを引っぺがして、水溜りにかぶせる。そんでその上を歩けば、直撃は避けられるんじゃないかって案だ。一同「おぉ~」って。
時間が無い。早速作業に取り掛かった。オレを含めたおっさん3人と、女学生1人が力を合わせてがんばった。程なくおっさん1号の思惑通りの橋が掛けられ、うん、これなら濡れたとしても最小限で済むだろうと、自然と笑みがこぼれた。
さぁ、時間が無い。早く行こうって言ったその時!
「びゅ~ん!」
なんだ?この声は?って顔を見上げた瞬間、前方から自転車がトンネル内に突っ込んできた。乗ってるのは小学生の少年で、雨具を身にまとい、長靴っていう完全装備、さらにはご丁寧に両足をペダルからはずし高く掲げて水が跳ねて濡れるのを回避しようとしている。
狭いトンネル内の大人4人は、はっとして壁際に退避。
「いやっほう~!」
そんで 水溜り内に突入!
バチャバチャ~っとトンネル内に水しぶきが舞った。全員ずぶぬれ。
「てめぇ~ぶっ殺すぞ!」って女学生の雄叫びも時既に遅し。
せっかく運んだ人工芝もどきは見事水没。
もう怖い物は何もない。誰も躊躇することなく水溜りを通過したのだった。
雨は嫌いだ。
時には素直に。
ずいぶん前から気になっていたんです。
中島らも。
「コイツいいぞ!面白いから読んだほういい!」
だとか
「お前好みの作家だ!間違いない!!」
なんて友人たちがよく進めてきた。
つーか、そんなこと言われたら、ぜぇぇぇぇっ対に読まないもんね~って思っちゃうひねくれモノであります。
そもそも らも って何だよ?
中島らも って・・・。
う~ん、かっこいい。そのセンス。
意味分かんないし、意味なんてどーでもいいけど かっこいい。
つーワケで、仙台駅内ブックガーデンにてコレ、買いました。
※【お父さんのバックドロップ】 中島らも
絶対に読むもんか!絶対に読むもんか!!って思い続けてもう10年。
ついに!?禁断の果実に手を出してしまった私。
本当は読んでみたくてたまらなかったんだよね。
しかも、読むならこの作品ってのがあって、本屋に行く度にチラチラ「あっ!置いてる!しかもかなり目立つところに」って気になって気になってしょーがなかった。
今日の電車のお供が不在だったので、「しょーがない、読んでやるか」って自分に言い訳しながら本屋へ立ちよる。
他の客の目が気になって気になって仕方ない。
「見て!彼ったらついにアレに手を出すわよ。あんな頑なに拒否してたのにネ、うふふっ♪」って言われてるみたいで、妄想の中で照れまくる。
電車の時間まで間もないので、さっさと購入して帰ろうと思うのだが、いつも並んでる場所にお目当ての本が無い!
やべぇ!ないないない~!
どこを探しても無い~~!
しかたないので目に止まったコレ購入。
そんでそそくさと電車のホームへ向かったのであった。
電車に揺られながら「どれどれ・・・」と早速読み始める・・・。
・・・ん?
内容云々より以前に、何だか物凄ぉ~く読みにくい。
なかなか先に進めない。
軽い苛立ちが伴いはじめるくらいに読みにくい。
ぬぬぬぬ~!なんじゃこりゃ---!!
と怒りを感じ始めた頃にやっと気が付いた。
これ、漢字が物凄く少ないのだ。
ひらがな主体で書かれているんだもの。
そりゃ読みにくいわけだ。
言うなれば、小学校中学年くらいの国語の教科書のような感じなのだ。
しかし、読み進めて行くにつれ、だんだん話の中に引き込まれていった。
面白い!
なるほど、こりゃおもしれーわ。
みんなが勧めてくれたのも分かる気がしてきた。
どうやら子供の目線、子供の思考で描かれたその世界に、多分オトナな私でも瞬時に引き込まれた。
ひらがな中心の世界は、子供の視点をうまく表現してくれて、なんだか少年時代に戻ったみたいな錯角にとらわれた。
う~ん、侮れんぞ、中島らも。
何だか偉そうな発言続出になったけど、とにかく面白かったの一言です。
気になっていた作品、明日もう一度探します。
以上。
書を読み心を読む。
仙台駅前の丸善にてコレ買いました。
※【我輩ハ作者デアル】 原田宗典
最近、手元にあるモノ、人が読んでたモノ、職場に転がっていたモノ・・・。
手当たりしだいかばんに詰め込んでは、退屈な小旅行(トイレ付き電車通勤)の時間に読み耽っていた。
とにかく、退屈極まりなく苦痛な通勤時間を有効利用したく模索中・・・。
決して黙って拝借し、かばんに詰めていたいた訳ではありません・・・。
学生時代の私の読書といえば、戦闘機のパイロットが撃墜した相手機の数をひけらかすために、機体に星の形を並べるがごとく、安い本棚に次々に並んでいく読破した文庫本を眺め一人悦に浸っていたが、今ではとにかく時間つぶしの手段としての意味合いが強くなり、読み終えた本はアッチコッチに散乱しちゃってる。
今も昔も自分の中で変わらないことがひとつ。
とにかく一度読み始めたモノは、面白ろかろうが、そうではなかろうが読破しないと気がすまないこと。
ツボにはまり、先が気になってしょうがないモノならいいのだが、時にあまりにつまらなかったり、あまりにも難解な内容だったりすると、目を通すことすら苦痛以外の何モノでもない時もある。
だが、一度読み始めたが最後、読破せずにはいられない・・・。
当然自分にとってつまらないと感じるものであったならば、結局【目を通しただけ】であり、その後は何も残らないし、その内容すらおぼろげであったりして、なんだか無駄なひと時であった気がしてならない。
読書に対する、自分の姿勢がそうさせるのだろうか・・・。
この本の中にこんな一文があった。
「世の中には一生を読書に捧げても読み切れないほど沢山の本がある。だから我々は面白い本だけを読むべきであって、つまらない本を無理して読むなんて時間の無駄である」
うわっ!
なんてことだ・・・。
久々に脳みそを直接 グー で殴られたみたいだ。
作者自身が他の書物から受けた衝撃を紹介した一文だったのだが、オレはオレで確実に多大な衝撃を受けたことに違いない。
義務感、達成感なんてしょーもないことから、苦痛を感じることなんてやっぱ馬鹿らしいことだったのね。
これからは、つまらなぁ・・・って思ったならば無理しないことにします。
もう 撃墜マークは必要ないってことだね。
以上。
便意と戦う。
PM7:00
軽めの残業を終えてそろそろ帰宅の準備を整える。
まだまだやるべき仕事は山積みだが、今日はこの辺で勘弁してください・・・。
帰宅の前にトイレに行っとこう。
ココ2~3日腹の調子が良くないので、帰りの電車の中でモヨオシタラことだ。
酒ばっか飲んでるからだろうか…。
トイレに向かう途中給湯室の前を通ると、若い女子社員が私に声をかける。
先輩お疲れ様。コーヒーでも飲みませんか?
う~ん、せっかくなのでご馳走になりたいところだが、先輩は今激しく急いでいるんだよね。
ウンコしたいんだよね、ちょっと激しく。そんでお家に帰りたいの。
なので丁重にお断りいたします、ハイ。
えぇ~そんなぁ・・・でも捨てるのもったいないんだもん…。
なるほどね。あんたもさっさと洗い物済ませて帰りたいんだね。
んじゃカップに入れてそこに置いといてよ、トイレから出たら飲むからサァ。
でも、カップ置きっぱなしで帰ったら明日怒られちゃうから今飲んじゃってください。お・ね・が・い。
いいよ、自分で洗うから。
そんなことよりクソしてぇ~んだよ。
でもそんな可愛く言われたら断れませんから。
とりあえず、ぎゅるぎゅる言ってる腹具合は封印しちゃいますから。
あーでもない、こーでもないとしょーも無いこと話しながら急いでコーヒーを腹の中に流し込む。
猫舌な私には、熱々のコーヒーは強烈なダメージを与える。
やっと熱々を飲み干し、ほっと一安心。
ちょっと先輩の威厳?を保ち、給湯室談義もそこそこに盛り上がり言うこと無しだ。
でも水面下ではうんことオレの激しい攻防戦が繰り広げられていたことを君は知らなかっただろう…。
んじゃ、クソして帰ろう・・・って思ったら上司が声を大にして叫ぶ。
おーい、駅まで乗せていくから車用意してくれ~至急な。
えぇ~!って振り返った私に車のキーが飛んでくる。
しゃーない、駅に着いたら便所行くとするか・・・。
PM7:40
駅到着。
急いでトイレに駆け込む。
既にウンコしたい度98%
が!ダメです今夜は超満員!!
電車の時間は PM7:50
これに乗らないと次の電車は8時以降になってしまう。
電車出発時刻から計算すると、家に着くのはPM10時近くになってしまうのだ。
けど早く帰りたいとオレの心は叫んでいるので、何が何でもこの電車に乗らないといけない。
別のフロアのトイレまで移動している暇は無い。
仕方ない、ガマンついでだ。残り2%で何とか乗り切ることを自分自身に誓う。
とりあえず電車に乗ってしまうことにしよう・・・。
幸いなことにオレが乗るのは激しいほどのローカル線。
列車にはトイレが付いてるのであります。
あぁやっぱ小旅行。
車内販売もあるのかなぁ。
あるわきゃネェ…。
とにかく電車に乗り込んだ後にゆっくり快楽の時を向かえることにしよう。
で、トイレの付いている車両に急いで乗り込む。
が!
満員!
ぎゅーぎゅー。
オレの腹は ぎゅるぎゅる。
電車の発車時刻まであと3分。
それでも容赦なく乗り込んでくるバカ野郎たち。
もう乗れないって、マジで。
人を掻き分けてトイレに向かうことすらままならない状態。
気が付けばオレの周りには若いオネェーさま方が取り巻いていた。
オレの腹にはビックな爆弾が仕込まれているとも知らずいい気なもんだ。
普段ならこの夢のような花園状態を満喫しちゃうんだが、今日はそんな余裕全く無し。
爆発の時は刻々と近づいて来ているもんで…。
それでも押し寄せ来る便意という波を、根性と言う名の防波堤でかき消し、ただひたすら耐える。
PM7:50
電車が走り出した。
激しく揺れる電車だが、どうやら波は越えたみたいで随分楽になった。
ほっとひと安心。4つ目の駅で大半の乗客は電車から降りるので、この満員状態は嘘のように解消される。
そうすれば楽勝でトイレまで到達できる。
と、油断したその時!
がた~ん!
大きな揺れが発生し、満員状態の車内の人々はバランスを失った。
その時、密着状態だった女性のカバンがオレの腹を激しく圧迫!
今までに体験したことが無い、宇宙規模の便意がオレを襲う。
もう発射寸前だ!
このクソ女!カバンは人に迷惑をかけないよう、前に抱えとけ!
いや、クソはオレか。クソ男。もといクソしたい男。いやいや激しくクソしたい男。
クソっ、そんなのどうでもよかった。
母の話だと私は、3歳を前にしてオムツが必要なくなった、すごく母親思いの手のかからない子供だったそうだ。
それ以来、便意をモヨオスときちんとその意思を母に伝え、ひとりトイレで便をしたそうだ。
以来27年間、おもらしをしたことは無かったが、どうやら今日この公衆の面前で記録は途切れてしまうかもしれない。
手のかからない子供だったオレは、本日見知らぬ誰かに激しく手をかける、しょーもないオヤジになってしまうかもしれない。
あぁ母さん、許してください・・・。
しかし、来るその時まで、最後のゴングの音を聞くまで、周りの人々に気づかれちゃいけねぇ・・・。
うふっ、あの人ウンコ我慢してるわよ♪
なんて思われるのは屈辱以外の何者でもない。
額からは変な汗が流れ始めた。
ウンコしたい度 100%オーバー。
PM8:12
4つ目の駅に到着。
我慢しきった!オレは勝ったんだ!
満員だった電車からは次々と乗客降り、さっきまでの状態が嘘のようにガラガラとなった。何なら座って帰れるくらいだ。
とりあえず便所だ!トイレだ!厠だ!と急行する。
使用中。
チックショー!!
いや、まだだ。この路線の電車は1両置きにトイレが付いているはず。
4両編成のこの列車にはもうひとつ、あとひとつ残されているはずだ。
使用不可。
チックショ~!!!
手詰まりだ。
とりあえず最初にいた車両のトイレ付近にて先客が出るのを待つことにした。
滅多に座って帰れることなんてないので、空席をそのまま見過ごすことなんてもったいなさ過ぎるが、座ることによって集中力が途切れることを恐れ両手でつり革を握り締めただひたすらに待った。見知らぬ ヤツ がトイレから出てくるのを。
脂汗が滝のように流れ出し、前かがみになった体を両手でつり革をつかみ支えた。
その風貌はまるでジャイアンツに助っ人としてやってきた外国人の彼のようだったろう。
PM8:40
結局使用中のトイレから先客が出てくることはなかった。
悔しいがオレの負けだ…。
もう・もう思い残すことはない…。
人からなんて思われようがかまわない…。
もうガマンしなくいいんだよ、楽になりなよって悪魔のオレだけじゃなく天使のオレも互いに手を取り合い涙を流しながら語りかけてくる。
白目むき出しで半ば諦めかけていたら目的地到着!!
ドアが開くや否やも猛ダッシュ!!
陸上部時代どんなに頑張っても破れなかった11秒の壁を、今まさに突き破った。
いつもなら、あまりに汚くて避けて通っていた駅のトイレ目掛けてGO!
これで使用中ならアウトだって思っていたが、神様はオレを見捨てなかった。
………・・。
人生最良の時を今まさに迎えた。
こんなステキ時間がやってくるなんて夢にも思っていなかった。
1時間40分。
オレの人生で最長の時。
以上。
女の本性。
【ラスティー・ネイル】 カクテル
コイツは私の大好きなカクテルであります。
一見水割りのようだが、言うなれば甘~いウイスキー。
久々に友人と飯でも喰おうって事となり、共通の友人が切り盛りするバーで待ち合わせすることにした。
開店にはまだ2時間ほどの時間があったが、友人(マスター)が俺の到着と同時に店を開けてくれた。
ドアにはまだ CLOSE の文字が揺れている。
今日はこれから飯を食う予定だったので、とりあえず印のビールは後の楽しみとし、食前酒としてはちょっと重い感じだが、大好きなラスティーを頼んだ。
本日の予定はこんな感じだ。
1、まず、ココでマスターとくだらない話をしながら時間を潰し、友人の到着を待つ。
2、その後、ココで友人と合流し、牛タンでもかじりながらビールを喰らう。
3、再度この店に戻り、マスターと3人でどこかに飲みなおしに出る。
とことん飲む予定。
ちびちびとラスティー・ネイルをなめていると
カランカラ~ン ♪
いつもならまだ開店前のこの店のドアが開いた。
お!友人の登場か?結構早かったなぁと思いながら振り返ると、そこには真新しいスーツにネクタイ姿の若いサラリーマン風の男と、いかにも大学生風の女の子が立っていた。
男
「マスター久しぶり。ココいいかな?」
カウンターの一番奥に座る俺と3つ席を空けて2人が中央に座った。
久しぶりと言われたマスターは、慌てた様子でA4の名刺ケースを開き始めた。
マスター
「誰だったかなぁ・・・思い出せん・・・ブツブツ」
2人から死角となるオレの前で次から次へとページをめくるマスター。
そんなことより注文を取れと促すと、いいんだまだ開店前だしとマスター。
あった!
マスターは男の名刺をそっとオレに差し出した。
商売柄だろう、名刺の裏には初めて来店した日付、注文した酒そしてタバコの銘柄と男の特徴が詳細に記入してあった。
脱帽である。
平成18年2月2日 22歳
ジントニック ・ ギムレット ・ ジンライム
マルボロメンソールライト
※田中氏と共に来店。おとなしい青年。あまり強くは無い。
ジン好きの男か・・・。
オレもジンは好きだ。しかも愛煙するのはマルボロ。
仲良くできそうだ。
でも彼は本日女連れ。いつか一人でやってきた時に話でもしてみよう。
ちょくちょくココで会う代理店の田中さんの部下らしい。でもおとなしい青年か・・・。
マスター
「斉藤さんいらっしゃい。お連れの方は彼女ですか?何をお作りいたしますか?」
おいおい!友人よ。誰だっけってさっき言ってなかったか?
やっぱりプロだな。
テーブルに無造作に置かれたタバコで確信したらしい。
脱帽です。
斉藤
「彼女は涼子ちゃん。オレの友達なんです」
マスター
「はじめまして。木村と申します。ごゆっくりおくつろぎください」
さりげなく名刺を差し出すマスター。
涼子ちゃん
「よろしくお願いしまーす。キャー私ダイちゃん以外の名刺もらうの初めてかもぉ~」
はしゃいだ感じで名刺を受け取る涼子ちゃん。
名刺一枚でそんなに喜んでくれるならオレも挨拶しちゃおうかなぁ~とスーツのポケットに手を伸ばすふりをして、マスターに目配せをした。
ダイちゃん=斉藤
「涼子ちゃん、何にする?」
涼子ちゃん
「アタシお酒のことは良く分からないからダイちゃんと同じでいい」
ダイちゃん
「でもおれがいつも飲んでるのは結構キツイぜ。涼子ちゃんよっても知らないよ」
涼子ちゃん
「ダ・イ・ジ・ョ・ウ・ブ。でもちゃんと介抱してね」
ダイちゃん
「じゃぁマスターいつものグレンリベットロックで2つ」
注文と同時にウインクするダイちゃん。
全てを理解する おやじ2人。
どうやらダイちゃん、今夜この娘を落とす気らしい・・・。
ならばおじさん2人は協力しましょう。
カランカラ~ン♪
そこへ待ち合わせしていた友人登場!
友人
「待たせたな!よう、マスター、あっ!?」
何かを言いかけた友人に涼子ちゃんがなにやら合図を送り言葉を遮った。
何だ?知り合いか?って状況をつかめないオレにマスターが1枚の名刺を差し出す。
平成18年1月4日
近藤涼子 22歳 某出版社勤務
シングルモルト派 酒豪 マルボロ
オレの隣に座った友人田村。
ちょっとだけ店内に流れるジャズのボリュームを上げるマスター。
田村
「あのこ、最近週末の常連の涼子ちゃんって娘だ。平日しか来ないお前はきっと初対面だろ」
マスター
「実は彼女が今日来るの知ってたんだ。まさかこんなに早い時間に来るとは思ってなかったから黙ってたけど、自分のことは知らないことにしといてくれって事だから」
全てが飲み込めた。
知らぬは俺だけだった。
田村から伝えられた彼女のデータはこうだ。
1、近藤涼子 22歳 有名な広告代理店の仙台支店勤務
2、ウイスキー、ジン、ラム、ウォッカ等とにかく強い酒をこよなく愛し、ロック・ストレートでしか飲まない
3、酒豪・ザル
4、職場の上司と不倫中
5、コンパで知り合ったしつこいダイちゃんと縁を切りたいらしい
彼女のデータを与えられたオレ。
涼子ちゃんはオレがマスターの友達だってことは事前に知っていたらしい。
これで知らぬはダイちゃんだけ。
涼子ちゃん
「ダイちゃんウイスキーが好きなんだね。コレちょっとアタシには強い感じ。でも飲みやすいね」
ダイちゃん
「ダロ!これシングルモルトって言って凄く飲みやすいんだ。日本で作るとピュアモルトって言われるんだ」
田村
「マスターオレにマッカランンの20年ロックで」
涼子ちゃん
「ダイちゃん、マッカランの20年ってなぁ~に?」
ダイちゃん
「マッカランもシングルモルト、20年っていうのは熟成させた時間のことだよ」
涼子ちゃん
「へぇ~20年も熟成させるんだ!おいしそうだね、アタシも飲んでみたい」
気が付くと、涼子ちゃんのグラスは空だ。
ダイちゃん慌ててグレンリベットを飲み干す。
かなりキツイ様子。
ダイちゃん
「マスターお代わりください」
マスター
「かしこまりました。同じものでよろしいですか?」
ダイちゃん
「あの人と同じものください」
マスター
「マッカランの20年でございますね」
ダイちゃんよ、言っとくがその酒は良心的なこのバーでもキープしたら1本2万は下らない酒だぞ。
ショットと言えども、かなり値が張る一杯なの知ってんのか?
オレしーらねぇ~。
マスター
「お待たせしました」
涼子ちゃん
「おいしー!」
涼子ちゃん本領を発揮してきた。なんと一気に飲み干したのだ。
ダイちゃん
「おいおい!ダイジョウブか?」
涼子ちゃん
「平気平気。お代わりください」
田村がオレにつぶやく
「あいつ、マッカラン空けるぞ!俺は付き合いきれん。もうやめだ」
見とれていたオレのグラスも気が付けば空だ。
仕方なく同じものを注文する。
オレ
「マスター、ラスティお代わりください」
涼子ちゃん
「ねぇねぇダイちゃん、ラスティってどんなお酒?」
ダイちゃん
「う~ん、飲んだこと無いから分からないなぁ。マスターラスティってどんなの」
オレに目配せをするマスター。
仕方なく簡単に解説するオレ。
オレ
「ウイスキーベースの甘~いカクテルですよ」
涼子ちゃん
「へぇ~甘いんだぁ!飲んでみたぁ~い」
で即マッカランを空にする涼子ちゃん。
負けじとダイちゃん一気に飲み干す。
ダイちゃん
「んじゃマスタァ~、らすてぃくらはい」
おいおい!無理すんなダイちゃん。
カクテルって言っても、ウイスキーにウイスキーリキュール混ぜたへビィなヤツだぜ。
涼子ちゃん
「甘ぁ~い。スピードワゴンばりに甘ぁ~い」
涼子ちゃんも饒舌になりつつある。
田村
「マスター、ボンベイロックでくれ」
涼子ちゃん
「ねぇねぇダイちゃん、ボンベイってなぁ~に?」
ダイちゃん
「うぅ~ボンベイサファイアのことかなぁ」
涼子ちゃん
「えぇ~可愛い名前だねぇ。のんでみたぁ~い」
当然涼子ちゃんのラスティは空だ。
ダイちゃん、もうそれすら気が付かない。
ケド、マスターに問いかける。
ダイちゃん
「ボンベイってきつい?きついよね?」
マスター
「ジン好みの斉藤様ならお気に召すと思いますよ」
ダイちゃん
「んじゃ、それ2つ」
涼子ちゃん
「おいし~!」
ダイちゃん
「・・・・・・・・・。」
ダイちゃん撃沈。
そりゃそうだ。
飯も喰わずに強い酒立て続けに喰らったんだ。
当然だ。相手が悪かった。
涼子ちゃん
「あぁ~あ、潰れちゃった。マスターご飯食べて後でまた来るね。彼は置いていきます」
マスター
「ありがとうございました。」
カランカラ~ン♪
帰っていった。
ダイちゃん、お休み・・・。
まだ7時前だけど・・・。
オレたちは予定通り牛タンを食いに出かけた。
その後、マスターの元へ戻ったらダイちゃんはまだお休み中。
涼子ちゃんは、ダイちゃんに勝手につけてマッカラン1本キープしてる。
涼子ちゃん
「あっ!おかえり。一緒にコレ飲みませんか?」
ダイちゃん、ご馳走様・・・。
検問。
自慢じゃないが、車の免許取ってから10数年、無事故無違反の優良ドライバーだ。
当然、私の免許証は金色に輝く素敵なやつ。
煌びやかな光を放つかっこいいやつ。
ちょっと自慢だったんだよね。
だったんだよねぇ・・・。
昨年の8月までは・・・。
真夏の暑い日に追突事故を起こしちゃいまして、マイナス5点を喰らい自慢のゴールデンは効力を失いました。
見た目は煌びやかなままだが、中身は残り1点の薄っぺらな紙切れと化したのだ。
くそっ!非番のタクシードライバーめっ!
奴が吉野家か飯田屋か決めかねて優柔不断な運転しやがるから、ぶつかっちまったじゃネーか!
突っ込んじまうと問答無用でぶつけたほうが完璧悪者だからねぇ・・・。
気をつけましょう・・・。
そんなこんなで現在残り1点の背水の陣生活真っ只中!
どうやら10月で点数が復活するらしいので、あと約5ヶ月は間、模範的なセーフティドライバーじゃなきゃならん私です。
先日、仕事が遅くなり電車を降り車に乗り込んだのは深夜0時。
駅から自宅までは普通に走れば45分。イカレタ走り方をすれば30分弱。
深夜であれば当然他の車など皆無に等しい。
いや、日中でもそれほど車など走っていないような田舎道が私の通勤コースだ。
8割方農道で、1割がなんちゃってな市外地で、残りが砂利道。
街灯、いや、外灯もないような道。自分の車の明かりを消すと真っ暗になる帰宅路を爆走!
とにかく早く帰りたい一心でアクセルを踏み込む。
ストレートなどほとんどない、難易度の高いカーブが続く道をタイヤに悲鳴をあげさせながらひた走る。
自画自賛するわけじゃないが、つぼにはまったときの俺と我が愛車Rとのシンクロ率は急上昇し、ありえないほどの進入スピードでコーナーに突入する。
それでも俺の呼びかけに応えるがごとく、Rのエンブレムを輝かせながら颯爽とコーナーを走り抜ける。
が、時にブレーキのタイミングを間違うと、立ち直りまたスピードに乗るまでにはかなりの時間が必要となる・・・。
Rって言っても、ワゴンRなもんで・・・。
で、俺の前にはちんたら走る車もいなく、快調に車を走らせていた。
「このペースは、新記録になりそうだナァ」 とちょっと期待して時計を眺めていた。
次の緩やかなカーブを抜ければもうすぐ我が家だ。
って油断していたら、なにやらカーブの先に赤い光が点々と光輝いている。
「ん?深夜工事でもしてるのか・・・」とスピードを緩めていたら、赤い光は俺に停止を指示。
やばっ!検問だ!!ひぇ~!!!
新記録達成を間近にして調子に乗っていた俺の車は、確実に100km/hオーバーだ。
残り1点・・・。
残り1点・・・。
残り1点・・・。
あーどうしよどうしよ。
頭の中にこだまする。
免許を失ってしまったらこれからどうやって通勤しよう・・・。
最寄の駅まで車で40分。自転車なんて不可能だ。
バスなんて走ってるはずもねぇ~くらいの田舎だし。
30km規制のこの道に100kmオーバーで突っ込んでいったのだ。
こりゃ免停どころの話じゃ済まされんかもしれない・・・。
よし!謝ろう。誠心誠意、ありったけぶちまけて ゴメンチャイすればきっと分かってくれるだろう。
警官
「こんばんは」
オレ
「え?あ、こんばんは」
警官
「随分スピード出してましたねぇ」
オレ
「すいません・・・気づきませんでした」
警官
「夜だからねぇ、車もいないし、しかもこんな道だからスピードも出ちゃうんだよね」
オレ
「ホントすいません、ゴメンナサイ。で、どのくらい出てました?」
警官
「え?分かんないよ」
オレ
「は?スピード違反の取締りじゃないの?」
警官
「こんな時間にスピード測定する訳ないじゃなぁい」
オレ
「え?でもかなり出してましたよ。オレ」
警官
「ん~でも測定してないから証拠無いからネェ。どーしてもって言うなら切符切るけど」
オレ
「じゃ~お咎めなしっすか?」
警官
「そうだね。お酒飲んでなければ。でも一応免許証見せてください」
オレ
「はい、どうぞ」
警官
「ユキオさん。ゴールドですね。んじゃこれからも安全運転でお願いします。お仕事お疲れ様でした」
ほっと胸を撫で下ろした。
夜だから車いない って思ってんなら、こんな場所に検問張るなってんだ。
迷惑な。
けど、なんちゃってゴールドだけど、なんだかちょっとは効果があったみたい。
話がマイルドに進むくらいの。
何度も言うが、こんなところで検問なんてするんじゃネーヨ!
おかげで新記録達成の夢がオシャカになっちまったじゃネーカ。
コンニャロメ。
あと5ヶ月。
安全運転を心がけます。
以上。
色褪せぬ音楽。
HMV仙台 にて コレ 買いました。
※【Feel Good】 Take 6
通勤のお供といえば
1、文庫本
2、MP3プレーヤー
3、iモード
であろう・・・。
その他多数ご意見もあるだろうが、私の場合はこーなのだ。
つーか他に何か時間つぶしの良い方法があればご指導願いたい・・・。
Take 6 は元々お気に入りのひとつだけど、ちょっと前に何かのCMで、テレサ・テンの『時の流れに身をまかせ』をカバーした彼らの歌声を聞いてから、ずぅ~と気になってた。
テレサ・テンの『時の流れに身をまかせ』・・・20歳の頃何故か大のお気に入りで、何度も何度も繰り返し聞いた曲だ。
近所の安売りで有名な、主におばちゃんが多く集うスーパーに、フルスモークの280馬力のステーションワゴンでガンガンに 今はあなたしかぁ~あ~い~せなぁ~いぃ~♪ ってわざと響かせながら買い物に出かけたものだ。
当時から年上好きは変わらず、おばちゃんの気を引きたかったのだろう・・・。
Take 6 のコノ曲のカバーは今やおばちゃんの気を引けるような音ではなくなったが、もともとかっこいい音だけに、かっこいい彼らが歌えばやっぱりかっこいい。
今宵さっそくMP3プレーヤーに詰め込んで、明日からの通勤のお供になるのは間違いない。
以上。
俺に欠けてる物。
仙台の丸善にて コレ 買いました。
※【男の作法】 池波正太郎
自分 という看板というかブランドというかなんていうんだろう、その価値について格が落ちると言うか名前に傷が付くというかなんていうんだろう・・・。
とにかくどーでもいいんだよね。
ちょっと敷居の高いお店なんかで飯くったりすると、マナーだ何だってしょーもないことで目くじら立てるヤツがいるけど、そんなモンクソ喰らえって個人的には思ってます。
ただ、他人に不快感を与えないくらいの常識くらいは持ち合わせてなきゃダメだとは思うけど。
いちいちウルせー奴に合わせるつもりはこれっぽっちもない。
オレなんかが子供の頃の、まだごく近い昔でも、大した店でもないのにウルせーオヤジが店を切り盛りしてたけど、最近じゃ少なくなったね。フランチャイズ化した当り障りのない店が軒を連ね、マニュアル化された接客ばっかりだ。
なので、「寿司の食い方はこーだ!」 とか 「そばはこうやって食わねばならぬ!」 なんて言われることも最近ではなく、『ウルせーバカ野郎!』 ってあらかじめ準備していた反撃の雄叫びも、必要なくなっている。
まぁ確かに正しい食い方や、正しい振る舞いってのは、それ相当に裏付けがあるもんなんだろうけど、違いの分からない男である私にはやっぱどーでもいい。
オレ っていう個人的な看板を掲げてチマチマと生きている分は、責任なんてモンは自分自身にしか降りかからないが、社会人として、自分が所属する職場の人間として生きていると、個人の看板よりさらに高い位置に職場の看板が掲げられてしまう。
〇〇会社の××さん。
××の部分はどーなってもいいんだけど、さすがに〇〇の部分は汚す訳には行かない。と思う。
〇〇を背負ってお客さんなんかとお食事なんかに行く場合は、やっぱりマナーだなんだって必要になってくることが多い。
これがすごく面倒くさい。
どーせ会社の金だけど、高い金額払って、気を使って神経すり減らして飯を食う。
身だしなみや、言葉遣いを気にしながらの行動。やっぱ面倒くさい。
そんなこと気にしながら育ってきていなかったので、いまさら育ちの悪さを上手く隠すことなんて出来ないのです。
でも 自分の育ちの悪さ = 〇〇の育ちの悪さ につながってしまうので困ったもんだ。
他人に大人としての生き方とはコーダ!って強要されるのは ごめん だが、男とは何ぞや? って他人の考え方を覗き見れると言う点に置いてはなかなか面白いと言うか、参考になる。
いまさら作者の真似をしても格好つく訳じゃないだろうが、この本に目を通したことにより〇〇の評価を下げちゃうような事態に陥ることは、ちょっとだけ減るかもしれない。
そんな感じ。