明け行く空に…。  ~ひねもすひとり?~ -7ページ目

もしも願いが叶うなら。

バレンタインデーと言う名の必要悪・・・。

まぁアレですよ、否定はしませんよ。

そりゃ恋人達の熱き炎を燃えたぎらせるためだったり、幼き男女が失恋という大人の階段上るためにには必要だと思うんです。

オレだって、そうオレだってその昔には淡い恋だの愛だのという思い出の1ページを描き出すために、その必要悪なるイベントの恩恵をフル活用させてもらいましたよ。

そうやって人は大人になるんです。


でもね、31歳サラリーマン(既に間違いなく大人)の実情というモノは哀しいモンで、結局今年の収穫?は、いつも行く定食屋のおっさんからチ●ルチョコ1個もらって終了。

淡くもなく儚くもなく終了。

なんでおっさんから?せめてその定食屋で働いている若くてちょっと可愛い女の子が手渡してくれりゃいいじゃん!

でもコレが現実ってもんです。

哀しいなぁ・・・。



その哀しき現実から立ち直れなかったワケではありませんが、オレってば翌15日から今日まで連休なんてモンを取っちゃいまして、ウダウダと休日を満喫していたワケです。


そんな4連休の最終日を締めくくる本日の出来事。




入院中の知人を見舞うべくとある総合病院へ。

何だかんだと時間が経過して帰路につく。

やばい、気がついたら既に夕方だ!。

オレは夕飯の時間に間に合わせようと、普段なら滅多に通らない農道というなの近道を通り我が家へと向かう。

狭いこの道、すれ違うのがやっとのこの道。

オレは細心の注意を払いながら可能な限りアクセルを全開にする。


見渡す限り田んぼのこの道、気がつくと沈む夕日が辺りの景色を紅く染めていた。



夕暮れ。


あぁ、きれいな夕焼けだなぁとオレは沈む夕日に見とれていた。

気がつけばアクセルは緩めになり軽ナンバー1のスピードは遅くなりがち。

でもまぁ何だか心が洗われるようで、ちょっとくらい夕食の時間に遅れてもいいかなぁと思った。


その後もゆっくり車を走らせていると、バックミラーに何やら農道を爆走してくる一台の車が写る。

やべ、ちんたら走っていたら迷惑をかけるとオレはまたアクセルを踏み込んだ。

ミラーに映った車はあっという間にオレの後ろにピタリとくっつく。

おいおい、どんなにあおってもココは農道、追い越しとかそう言うのは無しだよ。

だって狭いもんね、この道。


と思った矢先、後ろの車は路肩に乗り上げながらオレを抜き去ろうとしている。

つーかさぁ、迷惑かけたらいけないと思ってオレだってそれなりのスピード出してるんだよ。

それなのに抜き去ろうと言うんですか?

あまりのプレッシャーに負けたオレは、仕方なく車を田んぼ転落のギリギリまで愛車を寄せて、まさに頭文字Dに出てきそうな頭イカレタ車をやり過ごした。

軽だと思ってなめやがって…。


あぁ神様、願わくばこのイカレタ走り屋気取りのドリフト小僧を痛い目に遭わせてください…。


むなしく神に祈るオレだった…。


ココロノセマイオトコ・・・。




その後、何事もなかったかのように更に沈む夕日を眺めながらオレはマイペースで車を走らせた。



さらに夕暮れ。



さぁ、もうそろそろ我が家に到着だ。

そう思いながら先を急ぐと、最後のカーブ手前に人だかりが出来ていた。

何だ何だ?と近くに車を停車させのぞき込むと、畑につっこんで炎上している1台の車が…。

それはさっきオレをぶち抜いて行った走り屋気取りのドリフト小僧の車だった。

愛車が炎上しているのを崩れ落ちながら眺めるドリフト小僧。


可愛そうだが仕方ない。

無理な運転をするからだ!とオレは非情にも思った。

そしてオレの願いが神に通じたのだと非情にも思った。

さまぁみやがれ!非情にも思った。


ふと見ると、人だかりの中に我が親父の姿が。



おぉ、ユキオ帰ってきたか。



そうか、ここは専業農家である我が父の畑。

親父が心配そうな顔をしているのでちょっとどうした?と聞いてみる。



オイルやらガソリンやらが大量に漏れてしまって、この畑は当分使い物にならないなぁ…。

回避するには土を入れ替えなければならない。

来週からその作業に取りかかるぞ!



オレは来週から休日返上で畑の土の入れ替え作業を行わなければならなくなった…。




神様ごめんなさい。

人の不幸を願ってごめんなさい。


オレの休日を返してください。

もう人の不幸を願ったりしません…。


あぁ、ごめんなさい・・・。




以上。





追伸


当然ドリフト小僧にも手伝わせます。

その他、ボランティア希望者はご連絡ください。


とほほ・・・。














嘘つきは脚線美のはじまり。

好きな女性のタイプは?


何て聞かれますと嘘をつかない女性と答えるオレ。

決して外見では判断しない。

そりゃね、見た目好みのタイプってのはありますよ。

でもね、そんなモン長く一緒にいればどうでも良くなるってモンです。

まぁそんな感じです。



閑話休題。


仕事中は靴を脱いでサンダルでの勤務が許されていまして、オレもせっせと事務処理などするときはお気に入りのサンダルなんぞ履いているでありますが、今日ですね、ふと脱いだ靴を見るとやけにくたびれてやがるんですよ。

やっぱおしゃれは足下からって言うじゃないですか?

なモンですから、仕事帰りに靴屋など冷やかしに街へ出たんです。

まぁね、アレですよ。

いくら足下から始まるおしゃれと言えども、隙間風がぴゅーぴゅー吹く昭和枯れススキ状態と化すオレの財布の中身では、所詮購入できるモノなんて限られているんですけどね。

で、お高い靴なんかを憧れの眼差しで眺めながら、あーでもない、こーでもないと買う気もないのにちょっと楽しんでいたんです。


そこへ若いカップルが登場、どうやら彼女のブーツを一緒に選んでいる様子。

いつも思うんですけど、長めのブーツを履いた女性の後ろ姿っていいです。

非常にいいです。

もうね、みんな足が細くて確実に可愛いく見える。

まぁアレですけどね。

あえて前に回って顔を覗き込むマネはしませんけどね。

身の安全のために・・・。



お客様コレなんかお客様にお似合いだと思いますよ♪



セールストーク満開で彼女と彼、そして店員は盛り上がっている。

試着?をする彼女に対して店員は追い打ちをかける。



やっぱりお似合いですぅ~♪



満更でもない様子の彼女。



ねぇ~、のぼる君どぉ~お~♪



この状況でダメ出ししたら、たいしたモンだ!

と思うも、やっぱり彼は同調してしまう。

心なしかつまらなそうな彼。



ちょっとふくらはぎのところがキツイ感じだけどコレにします♪



おいおい、ちゃんと吟味してから購入決断した方がいいぞ!

なんて言ってやりたい気分でしたがそこはアレですよ、オレも大人なモンですから余計なことは言いませんよ。


で、彼女試着したブーツを脱いで店員に渡そうとしてたんですよ。

でもね、それが脱げないでやんの。

きつくて脱げないでやんの。

その事実を誰にも悟られないようにしていた彼女。

オレは見ちゃったモンね。

脱ごうとして力任せに引っ張ったけどうまくいかず顔が歪んでいたのを。



コレ、気に入っちゃったからこのまま履いて帰っていいですか?



嘘つくんじゃね~!

きつくて脱げなくなっただけだろがっ!

彼氏も



うんそうだね、じゃあ今日履いてきたのを袋に入れてもらいなよ。



なんて話合わせてるんじゃねーぞ!

お前も見たろうが、彼女の形相を!

一瞬、本当に一瞬鬼と化した彼女の形相を!




オレは嘘をつく女性が嫌いです。


似合ってますよ♪と言った店員。

似合っているけどサイズ合ってなかったじゃん。

気に入ったから履いて帰ると言った彼女。

脱げなかっただけじゃん。


でも彼女のために嘘をついた彼は好きです。

天晴れでした。


優しさに包まれた彼の言葉に涙…。




で、脱げたのかな、彼女のブーツ…。



以上。






強烈キャラの定義。

常識を度外視した強烈キャラってのは人の集まる場所には必ずいるモンです。
突飛な行動だったり特徴のある顔つきだったり、まぁそのキャラを構成する要素ってのは人それぞれだったりするとは思うんですが、そんな強烈キャラをマジマジと観察してみると実は別に特別でも何でもない、一歩外に出て街を歩けばそこら中にもっと激しく強烈なキャラなんてのは当たり前のように溢れていたりする。


人間が何らかの目的を持ち集合体として一堂に会すれば、そこには必ずその集合体のまとめ役なんてのが必要であり、そいつが当然のように目だってしまう。或いは広い目で見たときにはそうでもなくても、小さな人の集まりの中では望まずともキャラが立ってしまう人・・・。
人から注目されるってことは良いことで、それは訓練してもなかなか身につかないレアな特殊技能なんじゃないかなと思うんです。だが、そんな一見プラス的要素満載の特殊技能も、使い方を間違うとそのベクトルは一瞬にして負の方向へと向かってしまい、悲しいかな単なる強烈キャラと言う名の目の上のタンコブ、もしくは触らぬ神に何とか…ってな扱いを受けてしまうのである。
そんな気がする。


まぁね、アレですよ。
最近思うことがあるんです。
我が職場にも、若いのにあなたはどちらの山奥から出てきたおじいちゃんですか?ってな感じで、妙に訛りが酷く外部との交渉の席ではそのキャラ故に大人気、終いにゃ図らずとも営業成績ダントツの彼だとか、およそ太陽系の生命体とは思えないような宇宙規模の、そんな小さな物差しでアタシの美を量るなんてできないわ!と言わんばかりの名は体をあらわさない地球外生命体的美人の彼女とか、上げればきりが無いほどに秀でたキャラ勢揃いの職場・・・。

でもね、彼らだってこの職場にいるから目立っちゃうんであって、然るべき場所にいれば特段目立つワケじゃないと思うんです。

然るべき場所、まぁ田舎の山奥とか地球外ってことになるけど。




先日こんなコトがありました。


オレのお気に入りの老舗のそば屋があるんですけど、ここのオヤジがまぁ絵に描いたような頑固オヤジでありまして、そこに集う客ってのもまた頑固モノが多いんです。

そこにメーテルのコスプレ 風今時のねーちゃんが彼氏か何かと一緒にやって来たんですよ。

もうね、この時点で彼女は店の雰囲気にマッチしていないんだな。

タダでさえ目立っちゃってんのに、昼時の込んでる店内で相席は嫌だのケータイはガンガン鳴らしちゃうだの香水の匂いを店内に充満させちゃうだの、とにかくこの狭い空間の中では現時点で彼女が強烈キャラNO.1として鎮座。

やっと4人掛けの席が空いたので、彼女と彼はそこへ座るワケ。

でもね、相席が嫌だからって待ってた彼女、後から来る客はそんなのお構いなしなワケじゃないですか。

で、彼女と彼のテーブルの空いてる席におっさんが座ったんですよ。



相席するよ。



そう言ったおっさんに彼女ったら言っちゃうワケですよ。



ちょっと待ってよ!アタシ達相席嫌だから空くの待ってたんだけど。



でもそんなんで怯むおっさんじゃないワケで、普通に自分の注文しながら彼女に言い放つんです。



あそう。ココはそういう店じゃないから嫌ならこんな込んでる時間に来るんじゃねーよ。



彼氏が彼女をなだめてとりあえずはその場はおさまったんだけど、今度は後ろの席のおっさんが彼女に攻撃。



おい、ねーちゃん!あんたのその香水のせいでそばの香りが台無しじゃねーか!



で、ねーちゃんは注文もせずに怒って帰っちゃったワケです。

彼氏も申し訳なさそうにみんなに頭下げて彼女の後を追った。

その彼はと言うと、ちょくちょくこの店で見かける馴染みの男なんですけどね。

この店の雰囲気を知らないワケでもあるまいし、こうなることくらい想像できたと思うんだけどね…。


彼女だって若者の集うちょっと洒落た店で、ちょっと洒落たモンでも食ってれば別に何てことなかったはずなんです。

でも、この店では通用しなかった。相席の時点で余計なこと言わなければ、後から香水のこと文句言われることもきっとなかったと思う。

でもこの店の空気の流れを読めなかった彼女は自滅した。
結果目立ってしまった。

強烈キャラとしてその店で同じ時間を共有した人々の心に刻まれたのだ。



八百屋の魚じゃないけれど、自分の居場所とその空間に流れる空気ってのを理解しないと目立ってしまう。

極めて悪い意味で目立ってしまう。

なんかね、うまくまとめられないんですけど、とにかくアレです。

最近自分の居場所について違和感を感じているオレなのです。


いい意味でキャラ立ってるかな、オレ…。




支離滅裂につき以上。(逃避!)

前略、タカ アンド トシ 様。

学生時代4年間ドーナツ屋でバイトしていたオレにとって無視できないCM・・・。

新商品が売り出されると無視できない性分。

甘いの苦手なのに足を運んでしまう…。


でもさぁ 抹茶  ってどーなのよ?

そもそもお茶嫌いなのにいい迷惑です・・・。


でまぁ一人仙台駅地下のドーナツ屋で抹茶かじってた訳だ。読みかけの本などめくりながらかじってた訳だ。

やっぱダメじゃん、やっぱ無しじゃんとか言いながらかじってた訳だ。

そうしましたら、隣の席にキャラ濃いめの女子高生が二人座りまして、きゃっきゃ言いながら同じく抹茶食ってたんですよ。



えぇ!何コレ、ホントにお茶じゃん!?でもコーヒーに合うよね?



なんて一人がデカめの声を発しましたら、もう一人が



欧米か!



なんて言うんです。

オレは、ん?ちょっと使い方違うんじゃねーか?と思いましたけど、そこはまぁアレですよ。オレも大人なモンですから黙って聞き流しましたよ。

そうしましたら、ソイツら調子に乗りやがりまして



すいませーん、コーヒーお代わりくださーい!


欧米か!


ごめん、ちょっと砂糖取ってくれる?


欧米か!


見て!おじさんが一人でドーナツ食ってるよ。


欧米か!


つーかおじさん一人は無しだよね?


欧米か!



もうね、しつこいくらいに欧米欧米ってはしゃいでるんですよ。

別にね、あんた達の間で流行ってるコトなんでしょうからとやかく言うつもりは無いですよ。

でもね、しつこいんですよ。

微妙にオリジナルの使用方法から外れてるのも耳障りだし、おじさんがドーナツ食ってるのを批判的要素満載でつっこむのもいけ好かないんですよ。

オレに言わせりゃお前らにドーナツ屋の何が分かると言うんだ!?ってことですよ。


ついでに言わせてもらいますけどねぇ



おい!小さい方のそのパーマ、明らかに失敗じゃね?


原住民か!?



おい!デッカイのその体型、どこぞの外国人力士かと思ったよ。


オアフ島か!?



え?その無駄に焼けた肌、今時どーなの?助っ人外国人野手?


クロマティーか!?



何だかあんた達の会話意味不明過ぎて、まるで海外の女性が働く夜の店みたいだよ。


フィリピンか!?



もしかして、お二人さん出稼ぎに来てる?


ジャパ行きか!?







前略、タカ アンド トシ 様。


オレ、普通に貴方達のネタが大好きなんです。

大人から子供まで虜にしたそのギャグ、本当に面白いですよね。

でもね、彼女らの使う 欧米か! どうしても我慢がならなかったんです。

いやね、他人に迷惑をかけないように楽しむならいいんですよ。

それなのに声を大にしてオヤジ批判はどうかと思いますよ。


ついでに言いますと、見渡す限り店内にいた男性客のなかで最年長はオレだったんですよ。

ちょっとショック~。


なもんですから、声を大にしてオレもつい言っちゃったんですよ、心の中で・・・。


あぁ、そんな一人でドーナツ喰らうおじさんの独り言を分かってください。



                                        草々











恥ずかしい過去。

決して暇だからってワケではないんですが過去の日記をですね、何となく眺めていたんですよ。

そうしましたら理由は良く分からないんですが、非公開になっているモノが出るわ出るわ・・・。


つーワケで、そんな日陰に葬り去られる寸前だった日記の一つをここに公開!

誰だ~!ネタ切れなんだろ~なんて言うヤツはぁ~!

その通りです。






2006-06-16 22:13:43


週末の金曜日、就業時間が近づいてくるとオフィスは落ち着きをなくしてくる。


東北最大級の繁華街を徒歩での射程圏内にロックオンしているオレの職場ではみんな仕事が終わるのが待ちきれず、検索エンジンはうまい酒が飲める店や、エロな店の情報を探るのにフルスロットル状態と化す。

新卒の若いやつらは、コンパの会場探しに試行錯誤で、オヤジ連中はピンクな店のエロいHPをモニターに堂々と表示させ、あーでもないこーでもないと大議論大会となっている。

仕事に関する会議の席でもそんな熱い議論が飛び交うことなどないのに、週末のオフィスでは真夏の暑さに匹敵するような熱が発生し、思わずクーラーのスイッチを入れようか?ってレベルまで室温は上昇するのである。



職場ではクールでインテリなイメージを醸し出してるともっぱらの噂になってるなんて妄想中のオレのところには、若い同僚が今夜狙いの女を落とすためのプランを練るための相談にやってくる。

何を勘違いしてるのか分からないが、会社ではオレがお洒落な店に詳しく、週末になると繁華街を帝王にでもなったかのごとく闊歩してるということになっている。

確かにちょっと前まで単身赴任状態だった頃は、夜な夜な繁華街をブラブラしてましたよ。でもオレが行く店ってのは極々限られていたんだよ。

高校の同級生が切り盛りしていたショットバー、そこだけ。もう頑なにそこしか行ってません。だって知らない店に行って、ぼったくられたら洒落になんないですもの。

一度職場のネーちゃんと街でばったり出くわし、それ以来どうやらオレは帝王扱いにされていたらしい。

あることないこと言ってたんだろうなきっと。




先輩、今日急遽ナースとコンパすることになっちゃて困ってるんですよ



って夢のようなことをオレに言ってきた後輩の大山君。

え?何々??もしかしてメンツが足りなくって困っちゃってんの???しょうがねーなぁ、んじゃオレがその足りないメンツを埋めてあげますよ。でも今日も車で来てるから本来なら酒なんて飲んじゃマズイんだけど、ナースの皆様に不快感を与えたらお前の先輩として申し訳が立たないから、今日は車は捨ててだなぁ、大山君のアパートに泊まってでも是非参加させてもらうよ。

良かったー今日は比較的オサレなスーツにネクタイ、しかも一番のお気に入りのパンツだよ、偶然。

あっ!意気投合して二人でどっかにドロンな時には、お前の部屋使わせてくれなんて言わないから安心して。んーそう考えるとやっぱあらかじめホテル予約しておいたほうがいいかしら?


なんて一人勝手に舞い上がり、オノレのエロエロプランって言うか、妄想をぶつぶつ口に出していたら大山君は簡単にオレを突き放す。



メンツは足りてるから大丈夫です。それより急遽決まった話で店の予約が取れていないんです!



だってさ。週末の金曜の夜だから、しかたないねぇ。

んじゃやめれば、どーせオレは参加できないんでしょ。どーせオレは・・・。

で、オレにどーしろって言うんだ?と聞くと



先輩がよく行くショットバー、先輩の顔で6人予約取れないですか?



っていい放つんです。

確かに気心の知れた高校の同級生が経営する店です。多少の無理は聞いてくれます。でも週末の夜ですよ、さすがに無理だよ。

つーかさ、コンパの1次会でショットバーってどうよ?食いモンねーぞ。

まぁいいや。

でも一応聞いてやるけどサァってことで早速電話しましたよ。



おい!今日の7時から6人で行きたいんだけど、どーだ?さすがに無理だよネェ?つーか無理だって言ってくれ! 



って言ったら



おう!全然平気。ご来店お待ちしてます。



だって。

実は経営が厳しいのかなぁ?わが友の店は。

知らなかった・・・。


とにかく、オレの参加できないコンパの会場は、先輩の威厳をフルに活かしてゲットできました。




ナースとコンパか・・・。

羨ましい限りです。今度は是非!スターティングメンバーとして声をかけてください。



結局夢のナースとコンパ、男のロマンナースとコンパ、男なら一生に一度ナースとコンパは不参加と言うことになりました。




とぼとぼと帰るいつもの道。

いつもの丸善でコレ買いました。


文庫本


※【僕がはじめてグループデートをした日】 泉麻人


そうですよ!

ナースといえども白衣を脱いだらただの人。

白衣を脱いだらアダムスファミリーの一員かもしれないですよ。

そんなギャンブルチックなイベントに参加するなんて、こっちから願い下げですよ。


とほほ・・・。




最近では コンパ=酒。

最近では コンパ=王様ゲーム。(古っ!)

最近では コンパ=エロ。

こんなイメージが強いけど、そういえばコンパなんて言葉がまだ主流じゃなかった頃、ソレはグループデートと呼ばれていたはずです。

もっと健全な男女の素敵なイベントだったはずです。

もっとプラトニックだったはずなのです。


だけど、ひとつだけ言える事は

コンパだろうが、グループデートだろうが、男の胸のうちに秘める目的はひとつ。

みなまで言うことはないでしょうが、ひとつだってことです。

まぁアレですよ、アレ。

子孫繁栄。


それは、それだけはいつの時代でも変わらないって事。



以上です。


なめんじゃねーぞ!

遅く起きた日曜日の朝。

いや、時間は既に10時をまわっていたので、昼って言った方がいいのかな。

まぁ、とにかくそんな感じの休日・・・。


目覚ましにタバコでもとテーブルに手を伸ばしたがそれは空っぽ。

仕方ねぇ、起きたばかりでかったるいんだけど、たしか車に買い置きがあったはずだと渋々外へ出た。

ちょっと肌寒いが憎らしいほどの晴天に何だか知らないが嫌気がしてくるオレ。


タバコを噴かしながらぼぉ~っと今日は何をしようかなぁと考えてみる。

そう言えば、軽No.1のオイル交換時期がそろそろだったなぁと思い出したので、天気も良いことなのでドライブがてらスタンドにでもいこうかなぁと考える…。





オイル交換を済ませあてもなく車を走らせていると、オレの視界に何だか最近必要以上にでっかいハンバーガーを発売し調子に乗っている店の看板が飛び込んできた。

なんてったっけ?

あぁ、メガマック?

いや、メガじゃイマイチデカさにインパクトが無い。

ギガマック…。

う~ん、テラマック!

テラ(寺)マック、テラ(地球)マック…。


もうどうでもいい…。


とにかく、小腹も空いてきたことなのでドライブスルーにてメガマックをゲット。

コレが本日のオレの昼食だ。

嫌みな晴天が続いておりましたのでそこからほど近い海岸にでも行き、海でも眺めながら喰らおうと車を走らせた。


あほみたいに重たいメガマックを置いて、海岸に腰をおろしタバコに火を付ける。

砂浜では子供達が楽しそうにサッカーなんてやっておりまして、波打ち際を大きな犬が駆けていた。

しばらくぼぉ~っと穏やかな休日の風景を眺め、雑踏に揉まれる日常を振り返る。

こういった時間のゆっくり流れる休日がきっとオレには必要なんだろうと思った。


時計の刻む時間は常に一定のはずだ。

だけど、ただがむしゃらに突っ走る日々の時の流れと、今日みたいな一時では明らかに秒針の奏でる音の間隔には違いがあるとしか思えない。

きっとオレは疲れているんだろう。

穏やかな風景は休息の必要性をオレに訴えかけているようだった。


ふと見ると、既に駆けていた犬は視界から消えてどこかへいなくなっていた。

きっと走り疲れた犬も飼い主の元へ休息のために戻ったんだろう。


そろそろ昼飯にするかと、オレは買ってきたハンバーガーを取り出し、この必要以上のデカイさに困惑しつつもどこからかぶりつつこうか?と試行錯誤していた。



おじさ~ん、ボール取ってくださーい!



子供達の蹴ったボールがオレの近くに転がってきた。

オレはメンドクセーな~これから食事だって時に・・・と思いながらも、ハンバーガーを紙袋の上に置いて砂浜に降りサッカーボールを子供達のいる方へ蹴ってやった。

つーか、誰がおじさんじゃ!

この言葉と一緒にボールは正確に彼らの元へと届いた。


さて、さっきの場所に戻って今度こそ昼食にするかと振り返ると、オレの座っていた場所にはさっきいなくなった犬がいる。

ん?何やってんだ?と近づいてみると、舌なめずりした犬がオレの昼飯を見つけて喜んでいるようだった・・・。




以上。





マジシャンがタネを明かす時。

駅に隣接する月極駐車場(3000円/月)に愛車軽No.1を駐車したならば、駅の改札を通過して反対側の上り列車用のホームまでダッシュ!そんで滑り込みセーフな感じで電車に飛び乗る。
コレが毎日の日課。
まぁ準備体操みたいなモンですかね・・・。


毎朝同じ時間に到着する電車、3番線ホームの中央に止まる車両に乗る。やっぱみんなお気に入りの時間帯とお気に入りのポジションがあるんでしょうね、この車両に乗ってる奴らは毎日お決まりのメンバー、そしてお決まりの冴えない連中ばかりだ。
当然オレも含めてだけど・・・。
だが今日ばかりは違っていた。
既にホームに入っていた電車、発射寸前のこの列車はオレがいつもの車両まで到達するのを待ってはくれずドアを閉めようとしていたのだ。
しかたない、今日はこの辺に滑り込んでおくか・・・ってことで、いつもよりかなり前方の車両に乗り込んだ。


いつもとは違った顔ぶれのこの車両、何だか新鮮なこの気持ち。
ちょっと照れながら居心地の良い立ち位置を確保。
でもこの車両でオレは新参者なので、先輩達というか常連さん達の機嫌を損なわないように細心の注意を払う。


既に乗車している人々もいつもと違っていれば、当然後から乗ってくる人々も、たかが隣の車両ってだけでその顔ぶれはがらっと変化する。
いつもなら小説でも読みながら40分という、微妙に長い時間の暇つぶしをするのだが、今日はこの車両の住人たちの観察をすることに暇つぶしの時間を費やしてみた。
オレが乗ってから4度目に停車した駅、ここで次々に乗り込んでくる乗客に混じって、何だかすごくその仏頂面に見覚えのある50代くらいのおっさんが乗車してきた。
確実にどこかで合ったことがあるはずだが思い出せない。
誰だっけかなぁ・・・いくら記憶の引き出しを開けまくっても記憶はよみがえらない。
おっさんはオレのすぐ近くに立ち、つり革につかまりながら外を眺めていた。


すると、ふと何かを思い出したかのようにカバンから一冊の本を取り出してそれを読み出す。
悪いとは思いながらも横からのぞき込んでみると、そこには一面の横文字が羅列してあり、おっさんはそれを何ら苦にすることなく読解している様子だった。
へぇ~英語が読めるんだねぇ~すごいなぁ、おっさん。
なんて心の中で呟いていると突然オレの引き出しの一つが飛び出し、そこから古い記憶が溢れ出した。



思い出した!こいつマジシャンじゃね~か!



古い記憶、それは13年前のオレが高校生だったの記憶・・・。


仙台○高 英語教諭 鈴木。


当時オレ達は彼のことをマジシャンと呼んでいた。
理科教諭でもないのに、タバコの煙が衣服に染み込むのが嫌だからと毎日白衣を身にまとう。
そして教鞭を振るいに教室にやって来る時には必ずその手にお手製のカードを持っていた。
このカードこそ、彼がマジシャンと呼ばれる由縁であった。
彼はおよそ一般人とは思えない手つきでそのカードをシャッフルしながら授業を行う。
その技の素早さと華麗さときたら、プロ顔負けであったことは校内でも有名であった。


シャッフルしたカードを1枚抜き取りそこに書かれた番号(1~45)に該当する出席番号の生徒を指名する。
指名された生徒はマジシャンの質問に答える。
このカードを使って指名するときの彼の決り文句は



はーい、お楽しみ会始めマース。



ここまではどこの学校でもありがちな、教師の行うお戯れのお遊び行為のようであったが、マジシャンが校内にその名を轟かせ生徒達を震撼させた最大の理由といえば、指名された生徒が質問に答えられなかったり誤った返答をすると、そのペナルティとして英語の本文を20回とその和訳を20回を書いて次回の授業の時までに提出しなければならないということ、これだった。
なんだそんなことかと思うかもしれないが、Lesson 1の(1)~(4)まで、約10ページに及ぶ英文と和訳を20回も書くその行為は相当な時間と労力を費やさなければならない。

1時間や2時間で終わるモンじゃないんですよ。
やっぱアレですよ、みんな放課後はグダグダしたりダラダラしたり、時にイチャイチャしたりしたい訳じゃないですか?
もうね、このペナルティを喰らったらそんな余裕は無いですからね。
もし期日までに提出できなかったら、書く回数を倍にしやがりますからね、このおっさん。
ホント、意味分かんないですよ。
手にはペンダコができ、さらには真っ黒になり、そんでいて苦痛なだけでコレが勉強になってるのかどうかよく分からん。


とにかく、高校生活3年間クラスでも5本の指に入るほどに成績の悪かったオレにとって、このお楽しみ会はまさに地獄だった。
何故か知らないが、オレはその指名率が激しく高かった。
そして不思議だったのが、彼がシャッフルして抜き出すカードは決まって成績の悪いヤツの出席番号が書いてあるモノばかり。
成績優秀者が指名されることは稀だったのだ。
オレを筆頭に、キムラだったりアツトあったり、とにかく成績不振者が毎回犠牲になる。
不信に思って一度カードを調べさせてもらったことがある。きっと成績のいいヤツの番号は存在しないに違いないと。
だが、そこにはしっかりと1~45までの番号カードが揃っていたのだ。
一体どんなマジックを使っていたのか誰も分からなかった。




ある日、オレはマジシャンの毒牙にかかり、お楽しみ会のペナルティを払わなければならない状況に陥る。
毎回毎回何故オレばかり・・・不満な頂点に達した。
で、言ってやりましたよ、声を大にして。



こんなこと生徒にさせて一体何になるんですかぁ!



ちょっとかっこいいオレ。
他の生徒から沸き起こる歓喜の声。



おぉ~!(生徒一同)



悲しいかな、決して黄色い声ではない、低くドス黒い歓声。
コレが男子校を選択してしまったオレの悲しいサガ。

まぁいいや。
で、マジシャンにその理由を問いただす。



え?嫌がらせですけど何か?



オレは屈服した。
コイツには勝てないと・・・。
そして手を真っ黒にしながらせっせと英文を書いたのだった。
いつか、いつか見ていろ!絶対にこの仕返しをしてやるからな!!と心に誓いながら・・・。







アレから10数年、偶然にも電車の中で再会したオレたち。
よし!神がオレに仕返しをするチャンスをくれたんだ!

いや、オレももう大人だ。
そんなことはもういいじゃないかと思い止まった。
きっとあれはあれで、勉強の出来ない生徒に対して、少しでも英語を理解させようという彼なりの愛情だったり配慮だったりに違いない。
大人になった今なら何となく分かる気がするよ。

せっかくなので鈴木先生に話かけてみることにした。


オレ:失礼ですが鈴木先生ではありませんか?


鈴木:はい、そうですけど。


オレ:実は私、10数年前仙台〇高で先生から英語を教えていただいたことがあるんですが覚えていますか?


鈴木:おぉ!そうでしたか。あぁ思い出した!君は陸上部のユキオ君だね?懐かしいじゃないか。


オレ:覚えていてくれたんですか!?嬉しいですね。


鈴木:出来の悪い子ほど可愛いっていうじゃないか、君は相当成績悪かったもんなぁ。オレの歴代の教え子の中でも5本の指に入るぞ。


オレ:あはは!そうですか。ところで先生、あの当時から疑問に思っていたことがあるんですけど、お楽しみ会のカードなんですが、指名されたのってオレを始めとした成績不振者ばかりだったじゃないですか?あれ、どんなタネがあったんですか?


鈴木:簡単なことだよ。カード引いたあとにそれを君達には見せてなかったでしょ?だから40番を引いても3番とか適当に言ってただけ。


オレ:え?そんなことだったんですかぁ・・・。でもまぁお蔭さまでたくさんペナルティをこなしたオレは、勉強になったとはちょっと言えませんけど、根性というか忍耐というか、とにかくそんなモンが身についたと思いますよ。


鈴木:え?そうなの?ただの嫌がらせだったんだけどなぁ・・・。まぁ良かったよ。



やっぱ嫌がらせだったのかい!
殺す、コイツ殺してやる、今ここで!


鈴木:でもさぁ、数年前ペナルティを課した生徒の親からクレームつけられてさぁ、「うちの息子にこんなことさせて一体どんな意味があるんですか!」なんてさ。まさかただの嫌がらせですっては言えないだろ?だから今はもうやってないんだよ、お楽しみ会・・・。


さすがのマジシャンも時代の波には勝てないらしい・・・。
お楽しみ会と言う名のマジックショーに付きまとうペナルティは、今では体罰とみなされるらしい。
そして、マジシャンはあの頃と同じく、我が母校の最寄の駅で姿を消した・・・。



今度学校に遊びに来なよ。またお楽しみ会やろ!新しいペナルティを用意しておくから。



と、一言を残して・・・。




つーか行くワケねーだろ!

でも、新しいペナルティ、ちょっと興味があるな!?




以上。


早起きは三文の得。

珍しくすっきりと目覚めた本日の朝。
今日のオレは目覚し時計がトチ狂った様にシャウトし出すその前に、ヤツの息の根を止めてやった。
まぁスイッチ切っただけなんだけどさ。
寝起きの悪さには定評があるオレにとってこれはありえないことなのだ。

身支度を整えてコーヒーなんぞ飲みながら朝刊をチェック。これも早起き故に成せる業。
ほうほう!今日のゴールデンタイムはなかなか充実したラインナップですなぁ・・・。
所詮はテレビ欄しか見ないオレ。
あ!あと4コママンガも見るよ。アレ意外と面白いよね!?



普段であれば朝から時間との戦いを余儀なくされ、狂ったようなドライビンの中でのコーヒータイム(勿論缶物)。
なのに今朝のオレったら、生意気にもお気に入りのコーヒーをドリップして優雅に香りを楽しむ。
あぁ、この時間が一日の活力をオレに与えてくれるんだナァとつくづく思った。早起きとはいいもんだ。
いや、別に特段早く起きたワケではない。
予定通り起きただけなのだ。
とにかく、今日は穏やかな朝のひと時を過ごした。



さて、コーヒーも飲んだことだしそろそろ出かけようか。
それでもまだ時間に余裕がある。いつものように頭のネジ数本外さなきゃ実現不可能なイカレタ運転せずとも今日は十分に電車に間に合うだろう。
もう忘れかけていた安全運転という言葉を思い出し、流れ行く景色を楽しみながら車を走らせることにしようと思う。



いつもとは微妙に違ったルートを選択して駅まで向かう。ちょっとだけ遠回りの一面田んぼばかりの殺風景な道なんだけれど、普段通っている信号の無い市街の裏道では見ることが出来ない、東の山から昇る朝日をこの道ならば眺めることが出来る。

バックミラーに映る朝日が眩しい。そして心まで染み入るようなその光はオレに力をくれるようだった。そんな錯覚もきっと早起きの副産物に違いない。



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いいもんだなぁ早起きって。昨日までの堕落した自分に深く反省し、オレは明日から規則正しい生活を送らねばと強く心に誓った。




時間にして10分ほど車を走らせただろうか、まもなくいつもの市街地から続く道との合流地点である橋に差し掛かろうとしていると、なにやら前方に数台の車が停車しているのが見えてきた。
なんだろ?なんでこんなところに車が止まっているんだと不思議に思いつつも、その近くまで車を走らせた。
両サイドが田んぼの狭いこの道、停車していた車が数回に分けてハンドルを切りなおし次々にUターンしてコッチに向かってくる。



なんじゃこりゃ!?



オレの目の前に広がった光景はまさに悪夢のようだった。
荷物を満載した大型トラック、その荷台から転げ落ちた多数の巨大な材木が道路を封鎖してしまっているのだ。
回避し先に進むには余りにも狭すぎるこの農道、オレは他の車と同様に数回に分けてハンドルを切りUターンした。
バックミラーに写ってるのはもはやさわやかな朝日などではない。今ごろ既に通過してたであろう橋が悲しそうに鏡の中にたたずんでいた。



余裕があったはずの時間、もはやそんなものは皆無に等しい。
なぜならば、今来た道をまた10分ほど走って振り出しに戻らなければならないからだ。



結局今日も頭からぽろっぽろっとこぼれ落ちるネジ。
安全運転?んなモン知るかっ!て具合で、オレは今日も床が抜けるほどにアクセルを踏み込んだのでした。



早起きは三文の得・・・なんてよく言ったものですが、所詮は現存しない通貨単位。
そんな使えない通貨など要らないから、トラブルがあっても通過できる広い道路を作っていただきたいと切に願うと同時に、二度と早起きなんてするもんかっ!と心に誓うのでした。




以上。

ウイルス感染症の恐怖。

ノロウイルスだの鳥インフルエンザだのってさぁ、ちょっと前なら聞いたこともないような病気っていうかウイルスっていうか、とにかく新種の病気が蔓延して世間に恐怖を与えている。

たぶんね、あくまで素人の考えなんですけど、これらの病気って化学が発達した昨今であるがために、ついついうっかり見つけちゃった病気なんだろうなって思うんですよね。

昔だったら何だかよく分からんけど飼ってる鶏が死んじまったんだよね、いっぱい…とか、う●こしたあとに手を洗わずにメシ作ったら、何だか知らないけど家族全員腹痛起こしちゃって…なんて簡単に片づけられていたモノが、なまじ化学が進歩したがために人間の眼に発見されてしまった…。


ひっそりと身を潜めて生きてきたウイルスにとっても、きっと迷惑な話なんだろうなと思うんですよね。

今まで自分がいったい何なのかそれすら知らずに、まして疑問にすら思っちゃいなかったのに、それでも種の保存のために力強く生きてきたのに、ある日突然「お前の名前は今日からノロウイルスね!」なんて命名されちゃって、その日から悪者として吊し上げられる…。

もうちょっとかっこいい名前にしてくれよぉ~!なんて願いも聞いちゃくれない。

ホント、善良?なウイルスにとってはいい迷惑だって話ですよ。

ん?なんだかまるでオレがウイルスの代弁者だ!って話になってきてるな…。




我々日本人にとって馴染みの深いウイルス感染症といえば、麻疹とかおたふく風邪なんて誰もが子供の頃に一度は経験したことのある病気であろう。

何を隠そうこのオレも子供の頃発症したことがある。

誰だぁ~!へぇ、お前にも子供だった頃があったんだ…なんて言うヤツはぁ~!

あったんだよぉ、たぶん…。


先日友人と電話で話をしていたら、どうやら友人の息子がウイルス感染症を発症したらしいとの話だった。

友人の息子はウイルス所有者のレッテルを貼られ、沢山の子供達のいる保育園からも登園シャットアウト、で家中に監禁状態。既に病床からはい出して元気いっぱいの子供は、自宅監禁の現状に我慢ならず毎日大暴れらしい。

で、そんなウイルス潜伏中の子供を連れて遊びに行けるところ、どこかないかな?なんて話だ。

ちなみに病名は何だ?と尋ねると、その病名は水疱瘡…。

この病名を聞いてオレの血の気は一気に引いていった。

忘れもしない今から16年前、オレはコイツのためにとんでもない目に遭わされていたのだ。

数年ぶりにその名を耳にし、オレの記憶は徐々に蘇っていった…。




16年前のちょうど今頃、オレは高校受験を控え日夜勉学に励んでいた。

あと半月もすれば私立高校の受験日というある日、学校から帰ってくると何やら顔面に怪しげな白いポツポツを無数にちりばめた親戚のガキが我が物顔で我が家に鎮座している。

なんじゃその顔は?

オレが訪ねると



○○ちゃんは水疱瘡になっちゃって保育園をお休みしてるんだって。他の子にうつすと困るからどこにも行けないってことでウチに遊びに来たのよ。



そういうお袋の話を聞き流しオレはそそくさと自分の部屋にこもって受験勉強を始める。

まぁこの後はお察しの通りでありまして、まんまとオレが発症するわけだ。

息子は当然小さい頃に発症済みと勘違いした我が母。

バカですね~。

オレってば流行には疎い男なもんですか、15歳にして未だ水疱瘡の恐怖から逃れ続けていたんですよ。

つーかさぁ、自分の子供の事なんだからもうちょっとしっかり記憶しておこうよ・・・なんて心も叫びも無駄ってモンで、オレは高校入試を1週間後に控え、近所の病院に隔離されることとなった。


全身に湿疹なんだかニキビ何だかよく分からない吹き出物が出まくり、連日40度近い高熱にうなされる。

当然同級生達も受験を目の前に控えているワケでお見舞いに来てくれるはずがない。

ウイルス感染を恐れ、だ~れも来てはくれない。

担任の先生ですらウイルスを持ち帰れませんので来てくれない。

孤独な闘病生活の幕開けだ。


高熱にうなされ勉強など手に着くはずもない。

いや、オレは既に今年の受験は半ば諦めていたね。

この状況じゃ受験なんて到底無理だ。

でもオレは最後の力を振り絞り、うつろな目で参考書を眺めていた。

既に涙すら高熱で蒸発してしまったかのように一滴も流れやしない。


全身に広がった発疹、15歳という既に大人と化した下半身にもその魔の手は伸びる。

そう、アレですよ、アレ。

アレにもまるで真珠でも埋め込んだのかい?ってな感じでゴージャスな発疹が発生したワケですよ。


この病気、大人になってから発症すると男性機能に取り返しのつかない障害を負うことがあるらしく、看護師のねーちゃんにはアレですよ、アレ見られるは薬つけられるはって今考えりゃとんでも無く愉快痛快な、できることなら今のオレが代わってあげたいくらいの屈辱という名の未体験ゾーン突入!にも耐える日々であったのだ。

う~ん、ちょっとうらやましいぞ!15歳のオレ。



そんなある日、オレの病室を訪れるチャレンジャーが登場!

なんと!校長先生がお見舞いにやって来たのだ。



ユキオくん、喜びたまえ!君が願書提出していた私立高校が病院での受験を承諾してくれたぞ!



へぇ~。

既に第1希望の公立高校だけの受験でいいや・・・って腹をくくっていたオレにとってはどうでもいい報告を満面の笑みでする校長。

どうせ私立なんて滑り止め程度にしか考えていないオレに取っちゃ逆に迷惑だったんですけどね。

まぁいいや。


とにかく病床での受験という、貴重な体験をするオレ。

病室で試験官とマンツーマンでの受験。

左手には点滴の針が刺さっているので右手だけで鮮やかに解答を作成していくオレ。

あぁ、なんてかっこいいんだ、オレ。

なんて悦に浸っていると計算ミス!

やべ!消しゴム消しゴムと思うも、片手が使えないので答案用紙を押さえられずうまく消すことができない。

それを見た試験官がオレに代わって間違いの箇所を消してくれる・・・。

そこ!そこ消して!なんてオレの注文を快く聞いてくれる試験官の先生。

で、何とか無事全ての教科を終える。

本来ならばこの後面接があったのだが、試験官の先生はもう既に充分君の事は分かったからとそそくさと帰っていった。



数日後、オレは無事完治し退院することになった。

帰り際看護師のねーちゃん



アレ、大事にしなさいよ、ウフフ♪



なんて励ましの言葉を頂戴したのでした。
15歳の冬、他人にはできない貴重な経験を経てオレは大人への階段を登った・・・。





息子が水疱瘡でどこにも行けないからお前んち、遊びにつれてってもいいか?



答えは NO だ、友人よ。

オレはもう発症することは無いだろう。でも NO だ。



ん?息子が水疱瘡!?

ムスコが水疱瘡。ムスコが暴走!


そうか、そういうことか。

お前、若い子が好きだもんね、昔から。

早く言ってくれよ、あの看護師さんだね。

うん、紹介するよ。オレが入院した病院。


でもね、あの看護師さん、当時今のオレ達くらいの年齢だったと思うんだ。

だから今は・・・。




よし!頑張れ受験生諸君!

(今日はコレが言いたかったんだ)



以上です。







韓国の銀幕スター来襲。

8:45

今日も遅刻ギリギリの滑り込みにて無事会社に到着。
毎朝駅からダッシュ!これは何の罰ゲームですか?って思う程に走らされるオレ。一体オレが何をしたって言うんだ!って思いで小さな胸は一杯になる。
世間では毎日適度な運動は健康のために必要だとか何とか言ってるが、オレの場合確実に 「 適度 」 ってレベルを超えている…。
こんだけ激しく運動してるんだから、そろそろ健康体の完全体(19号20号吸収!)になってもいいんじゃねぇーか?と思うも、どう考えても命は日々削られているとしか思えない…。

誰のせいでもない自分の意志の弱さがなせる技だけど・・・。
まぁいいや。


デスクに着き息を整えて、毎朝のお楽しみコーヒータイムを満喫しようと準備に入る。だが、そのお楽しみをぶち壊す雄叫びがオフィスに響き渡る。



おーい!ユキオく~ん、ちょっとお願いがあるんだけどぉ~。



でた!はい今日も出ました。上司による朝の開口一番。
恐怖のロシアンルーレット、名前を呼ばれたヤツは地獄行きのチケットゲット!
大好きこしあんルーレット、粒あんではなくこしあんが入っていた人が負け(参考)。
まぁあれです、とにかく朝から面倒くさい仕事を押しつけられる気配濃厚だったんです。



今日さぁ、韓国政府からのお客様が来る予定になってるんだけど、僕行けなくなったから代わりに行って来てよ。これ、今日のスケジュールだから渡しておくネ。そうそう!相当偉い人みたいだから粗相の無いように気をつけてん♪



なんて激励?の言葉を受けてスケジュール表を受け取るオレ。
ため息混じりで内容を確認する…。


9:15 仙台○○ホテルロビーにて待ち合わせ。
っておい!あと15分しかねぇーじゃねーかYo~!(だいたひかる風)
コーヒー飲んでる場合じゃないYo~!(だいたひかる風)
つーか仙台○○ホテルってどこだYo~!!(だいたひかる風)

急いでデータの収集に入るオレ。
まずネットで仙台○○ホテルの所在地確認。
次いで韓国政府のお役人の詳細を上司に確認。


オレ:相手は何人ですか?


上司:二人らしい。


オレ:男性ですか?女性ですか?


上司:どっちも。


オレ:名前は?


上司:知らん。


オレ:目的は?


上司:視察。つーか日程表に書いてあるよん。


オレ:もっと質問しても?


上司:ダメ!時間がないからさっさと行け!


よし!情報収集完了。十分すぎる程にデータの武装を施していざ!出陣。
車に乗り込み日程表を熟読。


・・・・・・・・・・・・・・・。


半分ハングルで書かれていてさっぱり分からん。
とにかく、取引先衛生検査機関に突入し、日本のノロウイルス事情について、実際に検査を行っている担当者を交えながら楽しくお勉強がメインテーマらしい。
ついでに取引先衛生検査機関のアポイント済みと書かれている。
ちょっと安心。


9:15
ギリギリでホテル到着。
ダッシュでロビーへ。
とにかく相手の顔も年齢も趣味も、あっ!日本語が話せるのかも知らなかった!
やばい、コレ一番重要なポイントだった。
やっべぇ~。
ま、いいか。どうせ喋れなくても、今更通訳の手配なんて出来やしないし。
問題はどのような手段でどの人が韓国からのお客さんか、ロビーを行き交う人の中から探し出すかだ。
うろうろしながら頭を悩ませているオレの背後から声をかける女性が・・・。



すいません、ユキオさんですか?



振り返ると、細身で背の高い清楚な女性が一人笑顔で立っていた。
誰じゃコイツ、オレは今忙しいから後にしてくれよ・・・と困惑気味でいると



はじめまして!韓国政府からやって来ましたキムと申します。



ですって。
は?キム?金って書いてキムさんですか?
流暢すぎる日本語で話しかけられたモンだから気がつかなかったが、どうやらこの清楚な美人さんが、本日のお客様その1のようだ。
何よりも、とにかくオレは安堵のため息をついた。
キムさんはとにかく日本語がうまい。うますぎる。
むしろオレより日本語らしい日本語を使うのである。
言葉の壁という不安要素は吹き飛んだ。しかも美人ときたもんだ。
何だかんだと言っても今日は楽しい一日になるのかも知れない、な。

挨拶もそこそこに、もう一人のお客様を探してみる。
それっぽい男性は見つからないのでとりあえずキムさんに聞いてみる。



あぁもう一人の彼は李(リ)って言うんですけど、さっきまだ朝食会場にいたから少し遅れてくると思いますよ。



何だよ!急いできたのに!!
まぁ訪問先との約束の時間にはまだ余裕があるし、ちょっと金(キム)さんとお話でもしてようかなということにする。
金(キム)さんは小学生になるまで日本で暮らし、その後韓国へ帰国。大学生活を関西の超有名大学で留学生として日本文学を学びながら過ごしたという。


なるほど、どうりで流暢な日本語を話すワケだ。
ちなみに仙台に来るのは今回が2回目で、初めてきたときは学生時代の彼氏と一緒に観光にやってきたと言う。
まぁ余談ですけどね。

なんて話をしている間も刻一刻と時間は過ぎる。
李(リ)のやろーいつまで待たせる気だ!
既に次の約束時間(10:00)は迫っている。
と、そこへいかにも公僕って雰囲気を醸し出した50ちょっと前くらいの目つきの怪しい男が登場!
どうやらコイツがもう一人の李(リ)さんらしい。
時間も無いことなのでオレたちは挨拶もそこそこに車に乗り込みホテルを後にした。

何だカンダといっても相当偉い客人だ、オレは時間が無いのは承知の上だったが相当安全運転で車を走らせる。
すると何やら李さん、韓国語でぶつぶつ言っている。



ユキオさん、彼がこの後もスケジュールは一杯詰まってるから急いでくれって言ってますよ。



金(キム)さんがバツが悪そうな声で通訳する。
いや~マジで、本気って書いてマジで、コイツ可能なら射殺・許されるなら撲殺・イメージ的には瞬殺してやろうかと思いましたよ。誰の為に時間に追われる事態に陥ったんだって話ですよ。

こいつスキ見せたら殺す。国際問題上等!?


オレは、あはははは・・・。

と、意味なく笑うしかなかった・・・。




10:00

予定通り目的地到着。

何だかんだ言ってもしっかりと仕事をこなすオレ。

途中狂ったようなスピードを出した車に乗っていた客人二人がどんな表情をしていたかオレは知らない。

見て見ぬふりしていたので知らない。

結構おしゃべりな金(キム)さんが一言も話さなくなったなんて知らない・・・。

訪問先受付について早速挨拶をしようと名刺を差し出すオレ。

事前に上司が連絡をつけてくれているはずなので話は早い。

仕事でちょくちょく訪ねているところなので知った顔が多いはずなんだけど、どうやら今日対応してくれるのは初めて見る顔の40代くらいの女性だった。

で、話を切り出そうとすると、彼女はオレに向かっていきなり



アニョハセヨ~!なんとかかんとかハムニダ!



オレは困惑した。目の前で起こっている事態を理解できなかった。

とにかく、コイツオレに向かって韓国語っぽい言語を使っていることだけは確かだ。

オレは後ろにいる金(キム)さんに助けを求める。



こんにちは、私は田中といいます。今日は遠いところ足を運んでいただきありがとうございます。

って言ってますよ。



もうね、言うまでもないですけどオレが韓国からのお客さんと間違えられていたみたい・・・。

仕方がないので、金(キム)さんにオレの日本語を韓国語にしてもらうことにしましたよ。



初めまして、いつもお世話になってます。○○会社のユキオです。本日はお忙しいところ無理な依頼を引き受けてくれましてありがとうございます。

金(キム)さん、コレを韓国語にして田中さんに伝えてください。



笑いながら快く、そんで軽快な韓国語で話す金(キム)さん。

何だかあがっちゃってて事態を把握できていない田中さん。

それを見て大笑いしている、今日の依頼を受けてくれたこの会社の上役さん。

上役さんが田中さんにオレのことを正式に紹介してくれる。



あら!アタシったらユキオさんのこと韓国の俳優さんかと思っちゃったわ!?



喜んでいいんだか悪いんだか・・・。

微妙だ。


とにかくこの後は順調に役目を果たして帰路につく。

李(リ)さんは何だかさっぱり仕事していなかった感が否めないがオレの知った事じゃない。


夕方仙台駅までお見送り。

二人と握手してお別れ。

李(リ)さんは最後までつまらなそうだった。



ユキオさん、今度韓国に遊びに来てくださいね。韓国の映画俳優に間違えられるくらいだからきっとモテモテ間違いないですよ!?うふふ♪



どうもありがとう。でもね、半年前 韓国へ行ってきましたけど、全然モテモテじゃなかったですよ。

なんて言葉を飲み込んで、二人が改札の中へ消えていくのを見送ったのでした。



以上。