明け行く空に…。  ~ひねもすひとり?~ -5ページ目

小さな命と巨乳、そして人命救助の初夏。

とらうま郡しがらみ町。

そこがオレの生まれ育った町だ。


ちょっと前までは養殖漁業が盛んに行われ、優れた漁場を多く抱えた町は活気に溢れ返っていた。

漁港には威勢の良い漁師の声と元気な子供達の声がいつもこだまし、それはそれは賑やかだった。

自然の恩恵を充分に受けることが出来た漁師達の経営は潤い、それに伴い町自体も潤っていた。


だが月日は流れ、幾度となく世代交代を繰り返すうちに、第一次産業を支える仕事を受け継ぐ若者は一人、また一人と姿を消して行き、後継者不足といった自然の摂理には逆らうことすら許されず、気がつけば漁港から活気は失われていった。

最新の技術開発に伴い、コストと労力の削減が可能になったことにより、今まで必要とされた人手を減らすことに成功し、後継者不足といった当面の不安要素は回避し生産量は維持することが可能となったものの、一度失われた活気を取り戻すことは出来ていないのが現状だ・・・。


まぁね、こんなモンはどーでもいい話なんですけどね。

あまり知られていないんじゃねーかななんて思いますが、養殖漁業って実はかなり美味しい仕事です。(年収激高!)

一般サラリーマンの年収の3倍くらいは軽く稼げますからね。

まぁその種類にもよりますが・・・。

んじゃなんで後継者がいないのかって話ですが、そりゃやっぱメンドクセーからですよ。

汚れ仕事だからですよ。

世の中金だけじゃ無いってことですよ・・・。



閑話休題。



休日の午後、オレは車を走らせ野暮用を片付けるため、久々にしがらみ町へと向かった。
程なくしてしがらみ町の実家に着くと、たばこが無いことに気が付き、オレは紫煙を求めてブラブラとお散歩気取り。
漁港に隣接する商店街まで足をのばし、たばこをゲット。
まぁ足をのばしたといっても徒歩3分の範囲ですけどね…。

購入したマルボロのパッケージをはがしつつ、岸壁まで行きまして揺れる漁船など眺めつつ、オレはたばこを吸う。
コンクリートむき出しの岸壁に腰を下ろし、緩やかに流れる時の中に身を置く。

オレの横を小綺麗な服装をした若いママさんが、4歳くらいの子供を連れて通りすがる。

小綺麗な服装をしたちょっと巨乳チックなママさんが、潮の香りに乗せてさわやかな香りもまき散らしながら通り過ぎる。(巨乳バンザイ)

あぁ、なんかムカつく程のどかであるなぁと思いつつ、活気は失われてしまったが美しい自然はあの頃のまま何も変わらないでいる生まれ育ったこの地を、もっと大事にせねばならんぁと思った。
なーんて物思いに耽っていると



どっぽーん!



と、何かが海に落ちる音が聞こえてくる。

なんだ?とオレは音のした方に視線を向ける。



きゃーーーーー!!



なんて追い掛けるように若いママさんの悲鳴。



リョウくん!リョウくん大丈夫!?



と連呼するママさん。

大丈夫な訳ねーだろ!子供が海に落っこちたんだから・・・と心の中でつぶやくオレ。

で、回りを見渡し助けを求める様子のママさん。

どうやらオレしかいないらしい。

大事な息子を救出してくれそうなターゲットはオレしか見つけられなかった様子。



すいません!息子を助けてください!



懇願される休日のサラリーマン・ユキオ31歳。

冷静に状況分析を施し、無情にもオレはメンドクセーと思ってしまう。

でもね、困ってるヒトは無条件で助けなさい!ってのが死んだじいちゃんの口癖だったので、渋々オレは立ち上がる。

ポケットの中身をすべて取りだし、彼女に手渡す素振りで一応聞いてみた。



あんたの子供が海に落ちたんだぞ!自分で何とかしようって気は無いのか?



ごにょごにょぼそぼそ・・・。

彼女から明確な答えはなかったが、どうやら飛び込む気はないらしい…。



早く!早く助けてください!



再び懇願されるも、はっきり言わせてもらいますけどオレだってやだよー!

状況をよく確認してみてくださいよ、奥さん。
ほら、あんたの息子だけどさ、笑いながら泳いでるぜ!?
正確には笑いながら浮かんでるじゃないですか…。


まぁしかし、ガキ一人でよじ登れるほどヤワな岸壁でもないので、改めてポケットの携帯とたばこ、財布に車のカギ等々、濡れたらマズイ所持品を彼女に手渡してみました。

あらためて確認してみたら、海へダイブかました子供は徐々に岸壁から沖へ流されつつあるしね。

でも当の本人は、おのれはラッコか!?って感じの半笑いでプカプカ浮いているけどね。

しょーがないから助けてやるか・・・。

で、オレはTシャツにジーパンのいでたち、且つ夏先取りって感じで海へダイブですよ。


そうしましたら、遠くで一部始終を見ていた実家の近所にお住まいの地元漁師のオヤジが近寄ってきまして



おっ!ユキオ君、息子と海水浴か?どうだ?まだ水は冷たいだろう、あはは!



なんて茶化してくる始末。
オレはガキをひっつかまえて、岸壁にかかるハシゴまで泳ぎ、漁師のオヤジにガキを引っ張りあげさせた。



ありがとうございます!ありがとうございます!



と、子供を岸壁から引き上げた漁師のオヤジに何度も礼を言うちょっと巨乳の若いママさん。(巨乳バンザイ)

オレはね、ちょっとおかしいんじゃねーか?と疑問に思いましたよ。

全身ズブ濡れのいでたちで思いましたよ。

ちょっとくらい巨乳触らせてくれてもいいんじゃねーか?と思いましたよ。(巨乳バンザイ)

でもね、まぁアレですよ。オレも大人なモンですから、そんな思いは闇に葬り去り、子供の無事を喜ぶふり、あくまでふりしておきましたよ。



しかし海に落ちても泣かずにいるなんて、凄いねーボク



なんて等の本人である子供に問いかけると



うん!俺スイミングに通ってるから泳ぎには自信あるんだ!でも海で泳ぐのって初めてだったけど、面白かったよ!!



ですって・・・。




想像したよりは冷たくなかった海の水。

むしろ、既に海水浴に適した水温にまで上昇しているんじゃないかとすら思った。

あぁ、夏はもうすぐそこまできているんだなぁと思った休日の午後であった。



で、ズブ濡れで実家へ戻ったオレ。

初夏の海の水は思ったより冷たくなかったが、そんなダラダラなオレの姿を見た嫁さんの視線は、真冬を彷彿させるほどに冷たかったことは言うまでもない。


とほほ・・・。




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赤い彗星降臨(後編) ~タイムアタック~

不慮の事故 に遭い大怪我を負った我が愛車軽ナンバー1。
その修理に要する日数は車屋の話だと3~4日とのこと。
その間の代車として届いたのが、二人乗りでマニュアル(MT)の真っ赤なスポーツタイプの車だったのだ・・・。




赤い彗星



いやーアレですよ。
まさかね、この車が代車としてやってくるなんて夢にも思ってなかったもんですから、度肝抜かれたっていうんですかね、とにかく激しく驚いたわけですよ。

実はこの車、オレが中学生の頃から憧れていて、免許取ったら絶対に手に入れてやると野望を抱いていた車だったんです。
そんで大人になり免許ゲット、実際に車を購入できる身分になったときには、二人乗りなんて実用性なさ過ぎる車に対する興味なんて消え失せていたんですけどね。

まぁ余談ですけど・・・。



さて、愛車軽ナンバー1がピットインしてしまった翌朝、オレはちょっとだけ興奮気味でいつもより早く目を覚ました。

その理由と言ったら、代車としてやって来た二人乗りでマニュアル(MT)の真っ赤なスポーツタイプの車、今朝はコレに乗っての通勤となるからだ。

駅までのおよそ30kmの道のり、そんな通勤コースの今までのタイムレコードは29分ジャスト。

非力極まりない軽ナンバー1がたたき出したこのレコードを、この車ならば確実に更新できるだろうと思ったからだ。


そそくさと身支度を調えて、オレは早速代車、赤い彗星の運転席側のドアを開けた。



なんだこりゃ?



オレは困惑した。激しく困惑した。

そこにはおよそ必要ねぇだろうと思われる後付の、何の役に立つのかワケ分からんメーターの類が4つ程くっついていたのだ。

うーん困った。

まぁあんまり気にすることもないだろと、オレはさっさと運転席に座る。

で、さらに困惑する。

シートベルトの付け方が分からない。

いつもの3点式のシートベルトではなく、この車ときたら生意気にも4点式のベルトが装備されていて、当然のようにバケットシートが積み込まれていた。

うーん、これどうやって装着するんだろうか・・・。

試行錯誤の上何とか装着完了したその姿は、何だかランドセルを背負った小学生のようだったことは否定できません。


さぁコレで準備は万端だ!
オレは高ぶる気持ちを抑えクラッチを一杯に踏み込んでキーを回した。
心地よいエンジンの始動音が響き、まもなく背中から腹の奥に重低音が響いてくる。
ド・ド・ドっと背中に伝わる振動、あぁコレがミッドシップの最大の特徴なのかとオレは驚喜した。
時刻は午前6時30分。
さぁ、タイムアタックの開始だ!
オレはシフトをローにぶち込んで、アクセルを踏み込んだ。



ぶすん・・・。



あれ?なんかエンジンが止まっちゃいましたけど?
うわっ!ダッセーエンストじゃん!?
オレは苦笑いで再度キーを回した。さて仕切り直しだ。
今度はもっと慎重にクラッチ繋ごうと、優しく、そうまるでアレの時のようにソフトなタッチでアクセルとクラッチにつま先で触れた。



ぶすん・・・。



もうね、この車あほか!って話ですよ。
確かにね、最近マニュアル(MT)車って言ったら軽トラくらいしか運転してなかったけど、オレの運転ってそんなにヘタクソだったっけ?って自己嫌悪に陥りそうになりましたよ。
とにかくクラッチのミートポイントがさっぱり分からんのです。
あーだこーだと試行錯誤の結果、何とか走り出した赤い彗星号。
気が付けば5分近いタイムロスがあったようだ。


だが、一度コツを掴んでしまえばもうこっちのモノってなもんで、軽ナンバー1ではありえないラップタイムをたたき出しながら爆走する。
オレが所持する軽ナンバー1、お父さんの4駆ともに視界高め車なので、赤い彗星号の地を這うような位置にあるコックピットを流れ行く景色はとても新鮮だった。
普段ならありえない進入スピードで魔の10連カーブに差し掛かっても、心地よいスキール音を響かせながらガシガシ曲がる。ドンドコ曲がる。ウキャキャキャーと叫び声をあげながら曲がる。とにかく気持ち良くスイスイ走ってくれるのだ。
滑走路を彷彿させるほどの長ーいストレートでは、気が付けばスピードメーターが1●0km/hオーバーを表示していて、前方をちんたら走る邪魔な車は全て追い越しちゃう。ドンドコ追い越しちゃう・・・。



滑走路




程なくして市街地へ突入し、もう追い越しとかは無しだ。
この頃には既に自由自在に操れるようになって、もうエンストなんてのは遠い昔の話である。
あぁ、オレってかっこいい・・・。


駅近くに借りている駐車場に赤い彗星号を駐車しタイムを確認してみる。
31分。
えーと、出発時に5分ほど時間ロスってるから正確には26分。
コースレコードは29分ですので、3分も短縮しちゃってるじゃねーか!
恐るべし赤い彗星号・・・。
でも所詮は参考タイムであって他ならない。
実際は31分の時間が経過しているのだから。



よし!本当の勝負は帰りだ!
赤い彗星号の扱い方が微妙に分かってきているので、本当のタイムアタックは邪魔な車も少ない帰宅時に持ち越すことにして、オレはいつもの電車に乗り込み職場へと向かったのだった・・・。







時刻は午後11時15分。


オレは再び赤い彗星号に火を灯し命を吹き込んでやる。
心地よいエンジンの始動音が響き、まもなく背中から腹の奥にかけて重低音が響いてくる。
さぁ、タイムアタックの再開だ!
オレはライトを点灯させクラッチを一杯に踏み込んだ。
あれ?
何だかやけに暗いライトだな・・・。
運転席から降りて確認してみると、向かって左側のヘッドライトが消えていることが分かった・・・。
くっそー○○自動車めぇー!!きちんと整備してから車持って来いってんだよ。
まぁいいや。あんまり走りには関係ないしね・・・。


ライトのことは気にしないことにしてオレは赤い彗星号を走らせた。
予想通りこの時間になると邪魔な車はほとんど走っていない。
オレは持てる力を十分に発揮し、軽快に車を走らせた。
間違いない。コレはコースレコード更新ペースだ!
各チェックポイントを通過したときのラップタイムが全て大幅に短縮されている。
魔の10連カーブを越えたあたりでは、もしかしたらコースレコード10分くらい短縮しちゃうんじゃねーかって感覚が頭を過ぎる。
よし、あとはもうチェッカーフラッグが振られるのを待つばかりだ・・・。



程なくして滑走路を彷彿させるほどの長ーいストレートに差し掛かると、何やら赤いキラキラした変な棒をこれでもか!って勢いで左右に振っているおっさんが立っているとの情報がオレの視界に飛び込んできた。



やばい!検問だ!!



気が付けばスピードメーターが1●0km/hオーバーを表示している。
万事休す・・。
停車を指示されオレは肩を激しく落としながら運転席側の窓を開けた。
免停、いやもしかしたら免許取り消しの可能性も濃厚だ。
オレは腹をくくった。



こんばんはー。なんで止められたか分かりますかー?



もうね、死ねばいいのにって思ったね。
そんなくだらない問いを投げかけやがって、この警官はオレをなぶり殺すつもりかよ・・・。
どうせアレでしょ?100km/hオーバーくらいしてたんでしょ?
もう分かったから煮るなり焼くなり好きにしてくれ・・・。



ライトひとつ切れてるね。これ整備不良ですよ。



ですって。
なんか状況をうまく理解できていないオレ。
とにかくセーフティだったみたい。
おっと!整備不良で切符切られちゃたまらん!ってことで、この車は代車なんですよーとか、ライトが切れてるなんて知らなかったんですよーなんて言い訳してみる。



んじゃー気をつけて帰ってくださいねー。



なんて笑顔を見送ってくれるお巡りさん。
よかったー。

さ、安全運転で帰ろうっと。


あ!忘れてた!そういえばタイムアタック中だった。
大事な事を思い出したオレは時計に目をやる。



42分31秒・32・33・・・。



結局コースレコード更新ならずでした。
やっぱ安全運転と定期的な点検って大事ですよねー。


とほほ・・・。



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赤い彗星降臨(前編) ~軽ナンバー1の悲劇~

いつもより少しだけ遅く起きた休日の朝。
まだハッキリと目覚めていない体を引きずりながら、オレはテーブルの上に無造作に置かれたタバコを掴み台所へと向かう。
冷蔵庫から缶コーヒーを取り出し、苛立つほどに快晴の表へと足を向け、庭先に腰を下ろしタバコに火を付けた。
必要以上に冷えた缶コーヒーのプルタブを、鈍い音とともにこじ開けて一気に胃の中に流し込むと、半開きの目が徐々に全開になっていくのが分かった…。
あぁ、天気いいなぁ…。
時刻は午前9時、オレは今日一日何をして過ごそうかなぁと紫煙を燻らせながら考えてみた。
ぼけーっと庭先を眺めていると、ひどく汚れた愛車軽ナンバー1の無残な姿がオレの視界に飛び込んできた。
どうやらこれで午前中の予定は決まったようだ。



洗車でもするか・・・。



本来鈍い妖艶な光を放つ黒のボディーは、無残にも泥にまみれツートンカラーと化し見る影も無い状態である。
オレは愛車の側まで歩み寄り、そのボディーに軽く触れてみる。
汚れだけではない、よく見れば無数の細かい傷があることをはじめて知った。
日頃無茶な運転ばかりしているからなぁと深く反省し、今日はワックスもかけてやろうと心に誓った。


さて、洗車の道具やらワックスやらはどこに積んであったかなぁと運転席のドアに手を掛けると、なにやらちょっとした異変に気がついた。どこからとも無く油というかオイルというか、とにかくそんな感じの異様な臭いが車の周りに立ち込めているのだ。
オレはその臭いの元がどこにあるのか確認すべく、エンジンルームの下を覗き込んでみた。



これだ!



原因はすぐに分かった。オイル漏れだ…。
昨日オイル交換したばかりの我が愛車、原因は火を見るよりも明らかだ。
確実にオイル交換作業を行った車屋にミスがあったに違いない。

早速その車屋に電話して文句のひとつも言ってやりたいところだが、そうも行かない事情がある。

専業農家の我が家には、軽トラだったりワゴンだったという作業用の貨物車両が4台ありまして、商売道具でもあるこれらの車両の整備に関する全てにおいて、親父の友人が経営する○○自動車っていう小規模な販売店に任せてあるので、今回オレの愛車軽ナンバー1も親父の顔を立ててそこに預けたのだ。


ため息交じりで○○自動車に電話し事情を告げる。



ユキオさん、本当にごめんなさい。すぐに車とりに行かせますから!



受話器の向こう側で○○自動車の社長がバツの悪そうな声で言う。
だから嫌だったんだ、そんなワケの分からない車屋に愛車を預けるなんて…。
でもね、そこはアレですよ。
専業農家に嫁ぎ、マスオ的生活を送る男の定めって言うんでしょうか、郷に入っては郷に従えって言うべきか、とにかく親父の顔があるもんですから、声を大にして文句のひとつも言うことができない。
通常であれば相手に付け入る隙など与えずに、不平不満苦情罵声という名のミサイル連続、且つ水平発射の総攻撃を加えてやるところなんだが、今回ばかりは大目に見てやることにしとく・・・。


さて、程なくしてつなぎ姿の整備員らしき男が軽トラに乗り登場する。
オレは事情を説明し、文句のひとつを言うでもなく笑顔で愛車のキーを彼に手渡した。
正面から車の腹を覗き込み患部を覗き込むと、彼はパッキンの咬み合わせが悪いんだなと判断し、そのことをオレに告げる。
とにかくすぐに直るからちょっとだけ車を預からせてくれってことだった。
ちょっとだけラッキーだったのは、この車屋、オイル交換だろうが車検だろうが、一度車を預けるとワックスがけ込みで洗車完了させ返してくれるってこと。手間が省けたってことだ。



んじゃお預かりしマース。



と一言残しオレの愛車を持っていく整備員らしき男。
さて、これでまた休日の過ごし方を考えなければならないなぁ・・・と我が愛車を見送ったその時



どがったーん!



オレの愛車軽ナンバー1が断末魔の叫びを上げた。
ダッシュで音がした方へと向かうと、そこには側溝にはまり抜け出せなくなっている、見るも無残な我が愛車の姿があった。
オレは目を疑った。
駆動輪が溝にはまっていて、明らかに脱出不可能であることは容易に想像できる状況にもかかわらず、運転席の整備員らしき男はアクセル全開で脱出を試みようとしている。腹をつかえてアクセルを踏み込むたびにズルズルと引きずっていて、被害状況はさらに拡大しようとしているのはとても否定できやしないのである。
まぁね、でもそこはアレですよ。
オレも大人なもんですから、笑顔で運転席に近づき、やさしく諭してあげましたよ。車壊れちゃうでしょと・・・。
ところがね、この腐れ整備員らしき男ときたら悪ぶれるでもなく



大丈夫ですよー。今抜け出せますからー。



なんてさらりと言うモンですから、超が付くほどに温厚で名の通った31歳サラリーマンのオレ様も堪忍袋とかその他、忍たま二つくらいを収納してる乱太郎印のアレ袋とかの緒だとかが、ぶちぶちと切れる音が聞こえてきまして、整備員らしきクソガキを運転席から引っ張り出して外からこの状況を確認させてやりましたよ。
そうしましたら、絶妙なタイミングで黒く妖艶な輝きを放つ液体(エンジンオイル)がどっぱどぱとあふれ出してきまして、もうね、オレの車は死亡確定となりました・・・。
更に時間が経過すること30分、○○自動車の社長が直々にレッカー車に搭乗して参上しまして、我が愛車軽ナンバー1の救出に取り掛かる。ここでオイル漏れの原因がオイルパンの損傷だと発覚する始末ですよ…。


○○自動車の社長がいうには部品の取り寄せから修理まで、どんなに急いでも3~4日の時間を要するとのことである。
とにかくね、もうどうでもいい感じになってきちゃったもんですから、事を荒立てるようなことはぜずに、その間の代車用意してくれればそれでよしってことにしましたよ。
あぁ、なんて大人なんだ、オレって・・・。


で、代車なんですが、マニュアル車でもいいですか?


とか


二人乗りでもいいですか?


なんて○○自動車の社長がオレに聞いてくるもんですから、オレは話の流れから察するに、あぁ軽トラなんだろうなぁと思いましたよ。
つーか、整備員のクソガキが乗ってきた軽トラをそのまま置いていかれるんだろうなと思いましたよ。


ところが、程なくして届いた代車を見てオレは絶句した。
小気味よい重低音を響かせてやってきた車は真っ赤なスポーツタイプの車だったのだ…。




赤い彗星





次回、赤い彗星降臨(後編) ~タイムアタック~ を、こうご期待!(期待はずれ感濃厚!)



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手紙を書くよ。

先日、オレの元へこんな1通のメールが届いた…。



ユキオさんへ。


私はユキオさんの 「前略シリーズ」 が大好きです。


なのでもっと前略シリーズで日記を書いてください。


                              草々




めちゃんこ要約しちゃいましたが、まぁこんな感じの内容です。

伝えたい気持ち、伝えたいこと。

そんな思いが発生したとき、オレは手紙を書きます。

なので、そのときが来るまで待ってて欲しいってのが本音です。


誰だー!ネタがないだけだろうなんて言うヤツはぁ~!!


そのとおりだよぉー…。

まぁいいや。



とりあえず、前略シリーズをまとめてみました。


前略、山下達郎 様。




前略、さとう宗幸 様。




前略、タカ アンド トシ 様。




前略、篠原凉子 様。




前略、トータス松本 様。





まぁこんな感じであります。

お暇な時にでも眺めていただけたら幸いです。

全く意識していなかったんですが、結構あったんですなぁ・・・。


自分でお気に入りの日記にはそれほど反響がなく、むしろ書きなぐった感が否めない前略…なんかに食いつかれる…。

不思議です…。


さて、次は誰に手紙を出そうか…。



そのうち書きますよ。

そのうち…。




では、これからもどうぞよろしく(無理矢理締めます)。






以上。





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落書きの王様、むしろお姫様。

携帯電話の普及がもたらした影響ってのは甚大である・・・。

まぁ今更オレが言うまでもないことですけどね。
おじさん的発言大爆発ではありますが、オレらがガキの頃ってのは当然のように携帯電話なんてハイカラなモンは存在してるワケも無く、通信の手段っていったら各家庭に設置された電話か公衆電話、もしくは手紙、ちょっと頭がイカレタ輩だったら鳩(新沼)なんか使ったかも知れない・・・。


大好きな女子とコンタクトを取ろうと、彼女の自宅へと電話をかけようなんてもくろんだ日にはもう大変!
ダイヤルを回すけど最後の一桁がなかなか回しきれず受話器を置く。ため息交じりで再度挑戦し、また最後の一桁を残し受話器を置く・・・。

はち切れそうなほどに高鳴る胸の鼓動を押し殺し、やっと呼び出し音を確認した時には緊張がピークに達すると同時に、もう勝利を確信したかのような安堵感があふれ出し軽くガッツポーズなどとったりしちゃっていたら、電話に出たのが彼女の親父さんだったりしちゃったりして奈落の底に叩き落される・・・。


猫も杓子も、それこそ女子も弱子もじじぃもばばぁもお兄ちゃんもお姉ちゃんも、とにかく誰彼かまわず携帯電話を所持しちゃってる昨今でありますので、そんな淡いブルーの季節の中で何かをみてるスターライト・スターライト♪なんて思いは皆無に等しいことでしょう。
一人にひとつづつ、もしくは二つ三つ電話番号が存在する時代ですので、ピンポイントアクセスが可能ですからねぇ・・・。



閑話休題。



今年中に取り壊し&移転することが決定している我が社のビル。
間借りで事務所を構えていた多くの企業は既に撤退を完了していて、現在ビル内は極めて閑散としている。フロアによっては人っこ一人いない状態となっているところもあり、昼間でも薄暗くまるでゴーストハウスのような雰囲気を醸し出している。
我々の撤退までのリミットはあと半年、オレは今のうちから地味に要らないものを処分したり、当面使わないだろう書類や機材などをちまちま梱包&倉庫へ移動などを行っていた。


先日、もう必要ない書類棚をビル1Fの粗大ごみ置き場へと運んだ。
そこには既に撤退完了した企業の置土産が多数鎮座し、足の踏み場も無い状態となっていた。
貧乏性なオレなもんですから、なんか使えそうなお宝ないかなーなんて物色していると、今や懐かしいあるものを発見した。
「伝言板」 とデカデカと書かれたホワイトボード・・・。


その昔、まだ携帯電話なんて便利なモンが世に普及する以前、これは駅だとかデパートなんかの入り口などに必ずといっていいほどに設置されていて、恋人たちの待ち合わせはもとより、営業マン同士の連絡手段や時に「人を探しています」といったような不特定多数に対しても情報を発信できる手段として、大変重宝がられた優れたアイテムであったことは記憶に新しい。
目まぐるしく発展を続ける科学技術の波は、新しい通信の手段として携帯電話を生み出し、今ではひとり一台持っているのが当然のようになってしまった。



学校帰りの最寄りの駅。

遅くまで部活を頑張る彼女に対してメッセージを送る。

「いつもの喫茶店で待ってます。ユキオ」

いつ来るかも分からない、それ以前に彼女がこのメッセージを読んでくれたかすら定かでない。

でもオレは彼女が来るのを待っている。

漱石の小説なんぞ読みながら待っている・・・。


そんな青い思い出に浸りながらオレは粗大ゴミと化した伝言板を見つめていた。

ふとある事を思いつく。

この伝言板をビルの入り口に設置したら誰かが使ってくれるかも知れない。

オレは期待に胸を弾ませながら、一度は粗大ゴミと化した伝言板を復活させてみた。



伝言板を設置します ご利用ください   経済事業部 ユキオ



この言葉を残し、太めの黒の水性マジックを添えて誰かがメッセージを残すのを待ってみた。

翌日の朝、はたしてどんなメッセージが書き記してあるのかと、オレはウキウキしながら伝言板を確認に行ってみた。

だがしかし、そこに残されたメッセージはアレだった。

そう、アレですよ。落書き…。

しかも、落書きの王道まっしぐらのアレ。

具体的に言いますと、女性器をモチーフにしたアレ。

まぁ早い話がマ●コマークがデカデカと書き殴られていたのでした…。



ちょっと前なら公衆便所ではお馴染みとなっていたマ●コマークの落書き。

きっとウ●コしながらの手持ちぶさたを解消すべく、人は落書きを施してきたのだろう。

だがしかし、携帯電話の普及によりその手持ちぶさたはめでたく解消され、人は落書きしようなんて考えを持たなくなった。

そう言えば最近落書きってあまり見ないなぁと思ったら、その答えはこんな所にあったのか…。



今回オレが学んだこと。

それは、どんなに優れた通信手段である携帯電話であっても、所詮伝言板には勝てないだろうってこと。


だって、多種多様な絵文字を用意してあっても、女性器を表現する記号って携帯には存在しないだろうって事ですよ。

手書き文化バンザイ!アナログバンザイ!

そして女性器バンザイってことです…。



以上。




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冷やし中華 ハ ジ メ マ シ タ 。

連日の睡眠不足がたたってるのでしょうか、とにかく眠くて眠くてしょうがない毎日であります。
もうね、起きてるんだか寝てるんだかよく分からない状態で仕事しているもんですから、まともな結果なんて残せるはずもない。
上司に呼ばれてはミスを指摘され、電話が鳴っても気がつかないほどの度を越した居眠りを堂々とするもんだから、事務員さんが仕方なく電話取っては舌打ちされたりと、とにかく踏んだり蹴ったりなのであります。


それでもね、オレは与えられた任務を投げ出すことなく遂行しようと頑張ったワケですよ。
半分眠りながらも頑張ったワケですよ。
それでね、何とかかんとか午前中を乗り切ったワケだ。
そうしましたら遠くの方からお昼を告げる鐘の音が鳴り響くのが聞こえてきまして、まぁアレですよ、コレでお昼休みというなの小一時間、堂々と寝れるゼ!と小さくガッツポーズなどしちゃったりしてたんです。
当然昼飯なんぞ食ってる場合じゃなく、食欲 < 睡眠欲 って具合なことは言うまでもない。
そうしましたら、上司のウンコヤローが、はっ!?っと何かを思い出したかのように口を開く。



どうやら近くのラーメン屋が冷やし中華始めたらしいぞ!どうだ、みんなで行かないか?今日はオレが奢っちゃうぞ!?



ですって。
もうね、アレですよ。
人の和っていうんですか?そういうのを、それはそれは大事にするオレですので、「すいませーん、ボク寝てます・・・」なんてとても言えるはずもないんです。
そんなワケで、オレはみんなの後をとぼとぼと、眠い目を擦りながら重い足を引きずったのです。



50代男、40代男、30代男、そんで40代と30代の女子二人という中年率激高の5人組。
確実に加齢臭渦巻くこの集団は、夏先取りで冷やし中華なんぞ始めてしまった、本日のオレにとって激しく迷惑極まりないラーメン屋へ向かったのであった。


程なくして目的地であるラーメン屋の前にたどり着く。
くそっ!本当に掲げてやがる



冷やし中華 ハ ジ メ マ シ タ !



まぁね、アレですよ。
何で 「ハジメマシタ」 だけカタカナなんだ?って話ですよ。
でもね、今日のオレはとても眠いので、それはそれは激しく眠いのでいちいち考えないことにします・・・。
とにかく店に入ろう・・・。



店内には既に多数の先客がいて、お決まりのようにみんな冷やし中華を食っている。
みんな初物が好きなんだねぇ・・・。
まぁオレ達もその初物、むしろハツモノ食いに来たんですけどね。
で、早速オレ達5人は席に着き注文をする。



すいませーん、冷やし中華5人前お願いしまーす。



さて、注文も したことだしちょっと一休みしよう。
可能ならハツモノ届くまで一眠りしようかと目を閉じる。
オレ以外の男性2人は競馬の話で盛り上がっている。どうやら万馬券がどーとかこーとか言っているようだが、既に半分夢心地となっているので詳細までは判別不能だ・・・。
一方女性陣2人は、30歳はお肌の曲がり角だとか、いやいや○○ちゃんはまだまだ若いわよとか、そんなことないですよ●●さんこそ40代には見えないですよ。どんなお肌の手入れしてるんですか?教えてください・・・なんて傷のなめあいというんですかね、とにかく褒め殺し大会の真っ最中で火花バチバチッてな具合でありました。
まぁね、オレに言わせればどっちもどっち。お前ら既に曲がってるよ。つーか人生の曲がり角すらとっくに曲がっちゃってるじゃねーか!なんて思いましたが、そこはほら、アレです。今日は激しく眠いのでスルーです。



さて、そろそろ冷やし中華が届いてもいいころかな?なんて思っていますと、店員のおばちゃんが申し訳なさそうにやってきまして



すいません・・・。材料が足りなくて4つしか作れなそうなんですが・・・。



なんて言うではありませんか・・・。
ちょっとがっかりする同僚の皆さんではありましたが、オレにとっちゃ冷やし中華なんぞ始めからどうでもよかったモンですから、んじゃオレはカレーでいいですっていっときました。
あぁ、なんて大人なんだ、オレって。



さて、食事も終えて職場へと戻るオレ達5人。
思った以上に激辛であったカレーのおかげで、オレの眠気はどこかへ吹き飛んだようであった。

とぼとぼと歩いていると、オレの頭のなかでこんななぞかけが完成した。



「競馬のレースとかけて、三十路女のお肌と解く」


そのこころは?


「どんなに吟味しても荒れるときは荒れる・・・。」



うーん、我ながら良い出来だ!と自画自賛していると、上司がつぶやく。



ん?何だかひとりだけカレー臭いヤツがいるな?これが本当のカレー臭!?なんちゃって。
コレでユキオ君もおじさんの仲間入りだな、あはは!



ですって。

クソッ!うまいこと言いやがる・・・。



今日分かったこと。
お肌の曲がり角も加齢臭の発生時期も、どうやら三十路がターニングポイントだってこと。



以上。



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オレ色に染まれ。

今日は朝から必要以上にオレの机の上にある直通電話が鳴り響いていた。



あの、リク●ビで御社が社員募集しているのを見まして電話したのですが・・・。



朝から間違い電話かよ!

オレの楽しみの一つである朝のコーヒータイムを邪魔される・・・。



トゥルルルルゥ~♪



がちゃ



あの、リク●ビで御社が社員募集しているのを見まして電話したのですが・・・。



もうね、朝から間違い電話のオンパレードですよ。

オレへの直通番号なんて知ってるヤツ極小なのにも関わらず、今日ばかりはお祭り騒ぎと化している我が卓上・・・。

あまりにしつこく鳴り響くので、そんな間違い電話をかけて来たお馬鹿さんの一人を問い詰めて見ると、どうやらどっかの企業の番号が類似していて、そこがリク●ビに社員募集の公告を打ったご様子だ。

朝から得体の知れないヤローから殺到する間違い電話に、オレは大変憤慨していた。

もうね、1時間に20回以上の間違い電話ですよ。

そりゃいかに温厚なオレであっても怒りますよ。

これがね、女性からの間違い電話だったらまだ少しは穏やかでいられたかも知れないんですが、ヤロー率100%ですからね。

もう次の電話が間違いだったら、今日は電話線引っこ抜こうと思いましたよ。




トゥルルルルゥ~♪


またか・・・。

がちゃ

あ、あのぉ~、リ・リク●ビで、お・お・お・御社が社員募集しているのを見まして、で・で・で・電話したのですけどぉ・・・。

ん?

こりゃヤローじゃないぞ!?

めちゃんこ緊張してるっぽい女子だ!

ちょっと可愛い声の女子だ!

オレは思った。ちょっとだけ思った。

朝から自分の仕事の時間を割いて、散々間違い電話の対応してきたんだから、ちょっとだけ、そうちょっとだけ悪戯しちゃおかな?なんて思っちゃいました。



我社の採用の条件に身長165cm以上ってのがあるんだけどご確認いただいておりましたか?



へ・平気です。167cmですから。



それと、接客業なワケですからできるだけ清楚なイメージの女性を採用したいんです。そう、できればショートカットの方が良いのですが?



え?接客なんですか?募集には一般事務って書いてあったと思ったのですが・・・?



やべ!早速ボロがでた。

でもうまく軌道修正を試みる。



まぁアレですよ。来客者に対して受付業務なんかもやらなきゃならんってことですよ。



どうしてもショートじゃなきゃダメでしょうか?



ダメです(キッパリ)!



分かりました。それなら切っちゃいます、髪!



それと、できればインテリなイメージを醸し出すようなメガネしようなら更にヨシですよ♪あっ!ダテでも可です。



メガネですか・・・ダテでもいいなら用意していきます。




もうね、朝のコーヒータイム邪魔された腹いせに、ここぞとばかりに悪戯しときました。

ここぞとばかりにオレの女性に対する趣味を押しつけておきました。

可能ならばCカップ以下じゃなきゃいかん!ってフレーズも加えたいところでしたが、さすがにそこまで言うと怪しいので辞めておきました。


オレへの直通電話。

滅多にならない直通電話。

今日ばかりは無条件でワンコールキャッチしまくって、相手が男なら小言の一つも言ってやり、女性ならばオレ色に染まれ大作戦でした。



結局何処の会社が間違った電話番号をリク●ビに掲載したのかは分かりませんが、オレ色に染まった女性が履歴書持参で訪ねた場合は、そのときはどうか前向きに検討して是非!採用してあげてください。



以上。




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決意を揺るがすセクシー下着。

ここ最近のオレってば、著しく活字離れしているとの自覚症状がある。
ちょっと前までなら、往復80分間の通勤電車内では小説だったりエッセイだったり、とにかく活字の世界を彷徨い歩くことを日課としていたのに、今では車窓の中を流れ行く、見慣れた風景をぼけぇーっと眺めるだけの毎日となっている。


年を重ねていくと、若い頃のように手当たりしだいに目に付いた作品を読みまくるって芸当はできなくなってしまい、余っ程興味を持って購入したものでない限り、1冊の途中で力尽き放置してしまうという現象が頻発するようになってしまう。
とにかく最近は活字を目で追うって行為がひどく億劫なのだ。
そのうちまた、以前のようにすぅっと文字群が頭の中に滑り込んで来る日がくるだろう。

きっと、オレの少なくて、まるで軽石のようで変に意固地な脳みそが目覚める日がやってくるだろうと、人ごとのように楽観していたんですが、そうも行かない現状にぶち当たるようになってきた。

会議資料や企画書なんかを作成する際、オレは必要以上に説明文を長く書くようにしている。
その方が上司の読む気を削ぎ易く、楽勝でGo サインが出やすいからだ。
ところがね、このところ何だかよく分からないですけど、文章をうまく綴れなくなってきていることに気が付いた。
これはね、活字離れが原因であってそれ以外の何物でもないなと思うワケですよ。
でね、そんな状況を打破しようと、昨日の仕事帰り久々に本屋に立ち寄り一冊の文庫本を購入したんです。
そんでこれからはまた通勤電車に揺られる時間は読書の時間にしようと、ひとり心に誓ったワケですよ。

そして神にも誓ったんです。


で、今日の朝電車に乗り込むと早速昨日購入した小説を開いて活字と戯れようとしてたんです。

1ページ、2ページと順調に捲りながら、オレは徐々に話の中にのめり込みつつあった。

そんな矢先、オレの視界に活字をはね除けて割り込んできた人物がいた。

それは目の前の席に座っている40歳くらいの一人の女性でした。

ただそこに座っているだけならば、今日からまた読書生活を始めようとするオレの決意を揺るがす事など無かったのですが、彼女の読んでいる雑誌にオレは激しく興味をそそられてしまったのだ。


彼女の読んでいた雑誌、それは懸賞関係のモノだったのですが、それを食い入る様に読んでいた彼女の動きがいけない。

アッチコッチのページを何度も行ったり来たりしながら、何やら悩んでいる様子。

あぁ、どの懸賞に応募するのか迷ってんだろうなとオレは勝手に解釈して、さぁ今度こそ本読むぞーって仕切り直しの体制に入った。

そうしたら彼女、今度はカバンの中から官製ハガキの束を取りだして、せっせと宛先やら何やらを書き始めるではありませんか。

こうなるとオレの興味は一体何が当たる懸賞にハガキだそうとしてるんだろこの女性は?ってことになる。

悪いとは思いながらも、彼女の手元を上から覗かせてもらった。


そしてオレの目は釘付けになった。

目に飛び込んできた言葉、それは



2番、セクシーランジェリーセット希望!



もうね、どんだけセクシーなのかって話ですよ。

およそ色気とはほど遠い感じのこの女性が、何故に2番を選択するのかって話ですよ。

きっと、目指せ!脱いだら凄いいい女!?ってことなんですよ。


彼女の手は結局終点まで休むことなくハガキを書き続けておりました。

その数30分で22枚でしたよ。

オレは芸術的早さでハガキを完成させていった彼女の筆裁きに目を奪われっぱなしでしたよ。



結局有意義な朝の電車での時間を費やした彼女に対して、オレってば決意したはずの読書は全く手つかずとなってしまいました。



よし、神様読書は明日からって事にします。


そして、ついでに神様、どうか彼女にセクシーランジェリーセットを当選させてあげてくださいね。




以上。



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終業式の怪。

夏休みを筆頭に、冬休みや春休みなんて長ーいお休みをゲットできるのは子供の特権、正に特化された権利である。
少年から大人へ変わろうとする高校生あたりがどんなに泣こうが喚こうが、そんな特権を当たり前のようにゲットしてあたかもごく自然の行為として休日を消化してしまっているならば、所詮お前らは子供であってそれ以上では無いのだよ。

どんなにチ●ゲボーボーだって主張したところで、小児科はお前らを快く受け入れてくれるってことだ…。

ボーボーでも子供は子供なんですな。



まぁいいや。


夏休みや冬休み突入の前日、学校ではいわゆる終業式って言われるこの日は特別だった。
ガキの頃のオレは、明日から始まる長期休暇を目前に控え、そのうれしさに心打ち震えたことを今でも鮮明に覚えている。
ここぞとばかりに宿題をてんこ盛りに課す腐れ教師共の濁った瞳なんぞ眼中には無く、とにかく明日からの自由な時間をいかにして謳歌するか、友人たちとのそんな作戦会議に心振るわせることで大忙しだった。
オレにとって終業式の日とはそんな日であったのだ。


クソみたいな、ホントどうでもいい校長の話と、担任からご丁寧に手渡しで渡される目も当てられない腐った通信簿、そんな通過儀礼を終えると後は子供達の独壇場と化す季節休暇。
オレにはそんな通過儀礼の中に、どうしても納得がいかない事が一つだけあった。
それは休暇に突入する前に、学校のロッカーに詰め込まれた書道の道具だとかアルトリコーダーだとか、はたまた図工に必要な諸道具なんかを自宅に持ち帰らなければならないって事だった。
若き日のユキオ少年は、なぜそんな無駄なことをせねばならんのかと頭を悩ませていたのだ。


先生!今回の夏休みの課題には書道とか笛の練習なんてありませんよね?なぜ道具を持ち帰らなければならないのですか?


こんな質問をしてよく教師を困らせたモノだった。
まぁね、今になって考えてみれば何となく分かるんですよ。
学校側としては長期休暇中に、生徒が置いていったモノに何かあったら責任が取れないって事なんでしょう。

課題ではないにしろ、自主的に勉強しろって事なんでしょう。
長期休暇中に好きな子の笛をくわえにやってくる、バカなガキがいたら責任が取れなって事なんでしょう…。

とにかくオレは休暇中に家に持ち帰っても絶対に使用する事など無い諸道具を、アホみたいにぶら下げて家路につくことに対して非常に抵抗があり、確か小学5年の時の夏休みだったと記憶しているんですが、教師の指示を無視してそれらを教室に置き去りにして帰ったことがあるんですよ。
そうしましたら、夏休みを最大限に謳歌しておりましたオレ様の自宅へ腐れ教師から電話がありまして



教室に置いて帰った道具を明日取りに来なさい!



なんて言いやがったんですよね。
もうね、オレに言わせればアホかって話ですよ。
今更なんだよ。どうせ使わないモンばかりだし、2学期が始まったらまた持って行くモンだしさぁ、どーでもいいじゃねーかって思ったんですが、そのとき電話を取ったのが親父だったってのが不幸中の不幸、そりゃもう地獄ってモンで、コッチの主張など聞くまでもなくボッコボコにされる始末ですよ。
で、夏休み中だってのに、翌日教室まで赴いて使いもしない書道の道具とアルトリコーダーと絵の具セットを自宅まで運んだワケです。
ついでに当時大好きだったヨシコちゃんが置き忘れていった笛をさくっとひと舐めしときましたけどね。


結局当時のオレがそんな教訓とも言える状況から学んだことは、教師の指示ってのは絶対であり、言われたことは確実に守らなければならない事であって、それに従わなければ休暇中であろうがあんであろうが修正(グーでパンチ)されちゃうって事でありました。




あれから時は流れ、気がつけばこんなオレも人の親となり、名実共に大人になった。
大人、特にサラリーマンってのは損な生き物であって、子供の時のような長期的な季節休暇なんてモノはあるはずもなく、いったい何を楽しみに生きていけば良いのだろうか…ってな具合であることは言うまでも無いことであります・・・。
そんな大人にとって唯一と言っても良い長期休暇ってのが正にゴールデンウィークでありまして、こんなオレにもそんなゴールデンな一時がやって来たワケですよ。



ユキオ君、僕はもしかすると休み中に出勤するかも知れないので、お願いしていた資料を君が休みに入る前に完成させて机の上に置いといてくれないか?



なんて上司からの指示があったワケです。
まぁね、オレも大人なモンですから、メンドクセーなんて心でシャウトしながらもそんな指示を笑顔で受けたワケですよ。
どーせお前、連休中に出勤なんてしねーんだろ?って思いつつも笑顔で対応したワケですよ。
でね、普段からやる気ないオーラ全開の上司の命令だったモンですから、連休突入前日のオレはそんな命令はスルーで堂々とお休み突入したワケですよ。
そうしましたらゴールデンウィーク後半の先日、まんまと上司から自宅に電話がありまして



頼んでおいた資料は何処にあるのかな?



なんて言われる始末ですよ。
まぁね、オレも大人なモンですから言い訳なんてしませんよ。
やってないモンはやってないワケですから正直に やってません! って応えましたよ。
そうしましたらウンコ上司のヤローは



そうなんだ。んじゃ今から出勤してやってくれるかな?



なんて言うんですよね。
オレは鬼だと思ったね。
今日ばかりは上司のヤローを鬼だと思ったね。
午後から家族で動物園に行く予定だったのに、そんなオレを出勤しなきゃ行けない状況に追い込んだ上司を鬼だと思ったね。
本当は上司の指示ってのは絶対であり、言われたことは確実に守らなければならない事であるにも関わらずスルーしたオレが全面的に悪いんだけど、今日ばかりはヤツを鬼だと思ったね。


結局、今日は何が言いたいかってことだけど、オレの思考はガキの頃から何ら変わっていなかったってことと、今後更なる修正(グーでパンチ)が必要だって事ですかね。


あぁ誰か(できればブライト艦長)、こんなオレに修正を加えてください…。




以上。



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前略、トータス松本 様。

街を闊歩するいい女を目で追ってしまう…。


これ男ならばごく自然な、いわば生理現象みたいなモンではないかと思うんですよね。

「飯食ってクソして寝る」

正にコレと同様で、そんな行動は人として男として、ごくごく当たり前な事であると思うんですよ。
ましてそれが若くて可愛い女性の集合体かなんかだった日には



見ろ、いい女だぜ!お前どっちを選ぶ? (プロジェクトA 参照)


なんて台詞は、休日の昼間にもっさい男が当てもなくつるんで街を歩くという、正にビックバンに匹敵する程の屈辱を味わっているならば、図らずとも必ず口にしてしまう名言であると言い切ってもいいんじゃねーか?。
そんでもって、望んでもいないのにその天地創造の対象とされた女性は、そのもっさい男達にランク付けされ


俺はショートカットの娘がいいなぁ。で次が一番背の低い娘かな?


なんてさ、当の女性達は、見知らぬ野郎共の休日に華を飾る事に知らぬ間に一役かってしまっているのである。



閑話休題。


今朝の通勤電車のなかで、女子高生らしき3人組がオレの近くで キャッキャキャッキャ、己達は猿山の雌猿か?ってな具合ではしゃいでおりまして、朝からウルセーなんて思いつつも、まぁアレですよ、若い娘が嫌いではない、むしろ激しく大好きなオレでありますら聞耳立てつつ、そして半笑いで彼女らの無邪気なお喋りの世界に傍観者として勝手に参加していたワケであります。



つーかさ、彼氏のシゲルったらぁ~、アタシとデートしてる時だって言うのにぃ~、ちょっと可愛い子とすれ違うとぉ~、その子のこと目で追ってるんだよねぇ。ムカつくと思わねぇ?



なんておじさんはアンタのその話し方の方がムカつかねぇ?ってな具合でして、でもまぁそこはアレですよ。

オレも大人なモンですから、のど元まで出かかったそんな言葉をぐっと堪え飲み込み、その娘の友人たちの返答を待っていたんですよ。

そうしましたら、友人らしき娘の一人が口を開きまして



そんな浮気っぽい男、別れちゃいなよ!



なんて宣うワケですよ。

オレはね、思うワケですよ。

31歳サラリーマンのオレは思うワケですよ。


街行く女性を目で追っただけで浮気なんて言われちゃった日には、オレなんて極刑確定だって。


街行く女性を目で追っただけで浮気なんて言われちゃった日には、明日からオレの座る椅子は全て電気椅子だって。


街行く女性を目で追っただけで浮気なんて言われちゃった日には、次の一歩が13段目の階段だって。


街行く女性を目で追っただけで浮気なんて言われちゃった日には、オレは貝にならなければならないって・・・。




前略、トータス松本 様。



あなたが所属するバンドが誇る大ヒット曲に


バンザイ ~好きでよかった~


なんてもの凄い名曲がありますよね?

オレ、あなた方の奏で歌うこの曲が大好きなんです。

何だかんだ言っても一人の女性をこんなに愛しているんだよって叫びと言うかシャウトと言うか。

まぁこの際どっちでもいいんですけど、とにかくあなたの熱い想いがビシバシ伝わってくるこの曲が大好きなんです。



いい女を見れば振り返る♪

ホントスケベ オレの頭の中♪

でもやっぱグッとくるほどの女は♪

心の中にひとりだけ♪



この歌詞の意味を彼女らはきっとまだ理解できないんでしょうね。



あぁ、トータス松本様。


あなたのファンの一人として、次にこのクソ女子高生に電車で出会うことがあったなら、首根っこひっつかまえてエンドレスで,、バンザイ ~好きでよかった~  を聞かせまくるので、痴漢疑惑でお縄頂戴し、オレがバンザイの時は、そんな時はオレに代わって釈明の程、よろしくお願いしたいんですよね・・・。


                                       草々。


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