☆___________「財界」日本経済を斬る!!! -468ページ目

東京海上が米社を巨額買収 株式市場は慎重な見方


 東京海上の独走を許したくない他の大手損保が、じり貧状態の国内で業界再編を仕掛ける可能性も高まってきている。


 米国社の買収を発表した会見の席上で隅修三・東京海上HD社長は「他の追随を許さない世界トップクラスの保険グループを目指す」と宣言。もはや敵は世界にありと言わんばかりの口ぶりで、大型買収について語った。


 隅氏は5000億円という巨額の買収費用についても、「価格は妥当だ」と説明。ただ、「買収金額5000億円は高過ぎるのではないか」という声も株式市場からは聞こえてくる。東京海上が米社買収を発表した翌日の24日の株価こそ前日の4000円から4090円に跳ね上がったが、翌25日には3870円まで下落するなど、市場関係者は慎重な見方をしている。


 一方、買収対象となるフィラデルフィアは米国で50位程度の規模だが、収益性は高く東京海上への収益の貢献度は年間300億円程度だという。これを400億円程度まで高めていけば、十年で投資回収できる計算になる。


 損保業界は国内市場の頭打ちを背景に、海外に成長の活路を見いだそうとしている。国内では東京海上、損保ジャパン、三井住友海上の大手三社にあいおい損害保険、日本興亜損保が続く、大手五社体制だが、「いずれ大手損保は三社になる」という声が根強い。


 となると三井住友海上か損保ジャパンのどちらかが、あいおい損保や日本興亜の買収に動く事態も想定される。


 東京海上の独走を止めるには損保ジャパンか三井住友海上が、国内同業他社の買収に走るしかないという見立ても成り立つ。

 東京海上ホールディングスが年内にも米国の中堅損害保険会社、フィラデルフィア社を約5000億円で買収することを決めた。本件は日本の金融機関による海外企業の買収では過去最大級となるだけに、他の大手損保の経営戦略に与える影響は計り知れない。

「人は見かけによらぬもの」

取材先からの移動中に、編集部副編集長の畑山崇浩と、

自動車・化学担当記者の大浦秀和で「学生時代の趣味は何だったか?」という話になった。


「とにかく映画を見ていた」という畑山に対して、


「パソコンで音楽つくったり、クラブに通ったりしてましたよ」と大浦。


「ええっ?今は全くそんな風には見えないけど?」と驚く畑山に、


「え?そんなに驚くことですか?自分にとっては全く意外感がないんですが……」と困惑気味の大浦。



どうやら人は見かけによらないようである。

三井住友、みずほCB…大手行 インド、南アなど新興国開拓へ

 国内大手銀行が成長著しい新興国向けのビジネスを相次いで強化している。


欧米の金融機関とタッグを組んだり、新興国の大手企業向けの協調融資などを拡充する動きが加速している。


 三井住友銀行(奥正之頭取)は今年6月、英国の大手銀行で世界屈指の金融機関のバークレイズグループとの資本業務提携を発表した。三井住友がバークレイズに約5億ポンド(約1060億円)を出資し、出資比率は約2%(議決権ベース)になる。


 三井住友側の狙いの一つとみられるのが、これまで「邦銀にとっては未開拓同然」(メガバンク幹部)で、欧米金融機関が先行してきた新興国でのビジネス展開だ。とくにバークレイズが強みをもつ南アフリカやインド、パキスタンで、三井住友は事業を育てる考えで、富裕層取引や現地通貨の調達などでの協力を模索しているようだ。


 みずほコーポレート銀行は7月、インドの最大財閥で自動車メーカーなどを傘下にもつタタグループと業務提携した。タタの中核的な金融会社のタタ・キャピタルを通じ、タタグループへの協調融資を発展させるのが目的だ。今年2月には、みずほ証券が富裕層向けの資産運用ビジネスで提携するなど、みずほグループ全体でタタグループとの結びつきを強化する。


 三菱東京UFJ銀行もインドネシアの中堅銀行を傘下に収め、成長著しい中国市場への切り込みをはかっている。


 存在感を増す中東のオイルマネーの取り込みを狙った動きも活発だ。三井住友は昨年、邦銀初となるドバイ支店を開設。みずほや三菱UFJも拠点の増強を進めており、現地の公共プロジェクトへの融資も盛んだ。


 不良債権問題からの脱却で体力が回復した邦銀は、国内市場の成熟化もあり、海外事業を最重要の経営戦略に掲げている。ライバルとなる欧米金融機関がサブプライムローン問題で苦しんでいることもあり、世界の金融シーンで邦銀の存在感が際立ち始めている。