☆___________「財界」日本経済を斬る!!! -472ページ目
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住友商事・加藤氏が経団連ベトナム委員長に就任した理由

 二期目に入った御手洗冨士夫・経団連の中で話題となっている経営者が少なくない。


一人はもちろん自社のトップになったばかりの東京電力社長・清水正孝氏のいきなりの経団連副会長就任である。


 そしてまた、住友商事社長の加藤進氏が、同じく経団連の国別委員会の一つである日本ベトナム経済委員会の委員長となったことも目を引いている。


 同氏は、現在の会長・岡素之氏の後継トップとして、昨年六月末に就任してまだ一年ほどなので、経団連の委員長ポストは早過ぎるのではないかという見方も一部にあった。


 実はこのポストには昨年までは岡氏が就いており、昨年十一月下旬、ベトナムのチェット国家主席初来日の際には加藤氏ともども表敬、あるいは宮中晩餐会への出席など数々の場をこなした。


 つまりは同ポストは二代の住商トップが続けての就任、ということになったものだ。


 もともとベトナムに強い商社は旧日商岩井(現双日)だったが、特に岡氏が同ポストに就いて以降、鉄鋼、電力、繊維、自動車、物流などの事業で住商のベトナムビジネスは弾みがついた。特にキヤノンを始め、我が国の有力企業が多く進出しているハノイ近郷のタンロン工業団地の成功で、住商の存在感を増した。


 一昨年十一月の安倍晋三首相(当時)の訪越ミッションには御手洗経団連会長(キヤノン会長)が同行し、ともに自社工場を視察している。

 現在は第二タンロン工業団地も開発中で、経済状況が落ち着けば、また多くの我が国企業の工場進出も期待されている。


 加藤氏のベトナム経済委員会委員長就任は、あるいは「ハマリ役」であるのかもしれない。

経団連「御手洗体制」支える中村事務総長、事務局融合に腐心

 日本経済団体連合会(日本経団連)が新しい事務局体制を整えた。


 日本経団連は二〇〇二年五月に経済団体連合会(旧経団連)と日本経営者団体連盟(日経連)が統合して発足。


 初代会長は奥田碩トヨタ自動車取締役相談役。最近は内閣顧問で知られる。二代目会長は、〇六年五月に就任した御手洗冨士夫キヤノン会長。現在二期目(三年目)。


 事務総長は和田龍幸氏(故人)から中村芳夫氏が受け継ぎ、御手洗会長を支えている。


 中村氏は政策畑の担当が長く、平岩外四経団連会長時代には米国に留学し、国際経済・通商政策をも深めてきた。


 和田事務総長が、財界の企業献金など政治家や永田町への対策を担当し、政策通の中村氏が専務理事として「二人三脚」で事務局運営にあたった。


 現在は、総務畑が長い田中清専務理事が主に政界担当を和田氏から引き継いでいる。


 中村事務総長は、懸案であった経団連と日経連の事務局スタッフの「融合」をじっくりと進めているほか、「政策通」という側面だけでなく、伊勢神宮の式年遷宮での資金協力を経団連の会員企業に求めるなど「黒衣」としての活動も精力的にこなしている。田中専務理事の下に常務理事は現在五人(旧経団連三人、旧日経連二人)で構成され、事務局体制も整ってきた。


 経団連は東証一部上場の多くの有力企業で構成され、その利害関係を盛り込んだ主張は社会問題に反映される。消費税引き上げと法人税引き下げといった税の問題をとっても、その提言は、格差で苦悩する層から非難される。


 また自民党を始めとする日本の各政党への政治献金実施(共産党のみが受けていない)も政界への一定の影響力を持つなか、民主党、公明党も経団連とのパイプを確保しようとしている。政界や官僚に対する交渉力など事務局の一段の能力アップが求められる。



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