小さい会社を強い会社に変える戦略 ①/生産性新聞3月25日発行 | 「バックパッカーがH・Ⅰ・Sの役員になった奇跡」小さな会社の未来の創り方

「バックパッカーがH・Ⅰ・Sの役員になった奇跡」小さな会社の未来の創り方

出来ない事はやらないことだとHIS創業者「澤田秀雄」氏から学んだ。ベンチャー魂と自ら経験した多くの失敗が成長の奇跡を創る。伝える事よりも伝わること!直ぐに実践したくなる、熱き魂に触れてください。

小さい会社を強い会社に変える戦略 ①


 本年の2月末に出版した自著「小さい会社を強い会社に変える方法/現代書林」の内容を掘り下げ、会社の規模の大小ではなく、強い会社になる方法を具体的なポイントに絞って、6回シリーズで提案致します。一回目は「小さくても強い会社」になるための基本です。

 3月11日に起きた東日本大震災の影響は簡単には取り除けるものではありません。被災地の企業の中には、装置・工場・社屋等の損壊、倒壊だけではなく、経営者、従業員の方が亡くなられる等、企業のシーズ全てが失われたところもあります。その為、平時では有効的に機能したサプライチェーンも崩壊し、特に輸出企業にとっては生産減少を強いられ、大きな痛手となりました。この状況は、海外諸国のコンペティターにこの上ない機会を与える事になったのです。

 今回の震災はまさに想定外の事であり、大企業でさえ予測出来ない事態だったのです。

 私はこのまま、被災地の企業が失われるとは信じていません。この未曽有の危機から脱出し不死鳥の様に蘇る企業が沢山出て来ると信じています。お分かりですか?

強い会社とはどんな困難な事にも負けない会社なのです。



1. 情熱というエネルギーを高める。



 トラブルや問題にぶつかった時、「諦める。」「挑戦する。」どちらを選択しますか? 予想可能な出来事への対処(事前に準備したシステム・しくみ)など。今回の震災の様な想定外の事が起きた時にはあまり役にはたちません。しくみやシステムで解消出来る問題は困難ではないのです。

 トップの「どんな事をしてでも立ち直って見せる。」「必ず成功させる。」「何が何でも遣って見せる。」というような力強い思いが情熱に変るのです。情熱はエネルギーを高めます。高まったエネルギーはがむしゃらな行動となります。その経営者の姿勢を見て社員、取引先もエネルギーを高めます。燃える集団となった企業にはお客さまも引き寄せられてきます。

但し、どんなに強い思いも時間の経過と共に低下して行きます。高いエネルギーも冷めてしまい、情熱も萎んでしまいます.


2. 一点集中で絞り込む。



 あれもこれもどれもと沢山の事を同時進行で行なうと、情熱を持ってがむしゃらに遣ればやるほど無駄が多くなり全ての事が分散されてしまいます。そうなれば社員のやる気も殺がれ、気持ちの余裕もなくなり何をやっても上手く行きません。そういった状況を脱するには、会社の力が一番出せる事に絞り込むのです。絞り込むとはいらないモノを捨て去ることです。社員と徹底的に話し合いましょう。会社のシーズ(設備・装置・ノウハウ・ナレッジ・人材等)を生かす事が出来て、社員達の力を結集出来る物は何か?お客様が喜んでくれるものは何か?ダーツの的の様に外側から円の中心へと絞り込むのです。



3. 未来の幸せな姿をイメージする。



 情熱を持って一点集中で行なっても、そのうち社員も経営者のあなたも元気が萎んできます。人間にはバイオリズムがあります。良い気分、沈んだ気分を繰り返すのです。「未来の幸せな姿」は人の元気・ヤル気を高めます。今の状況(給料や休暇)が社員の気持ちを高めるのではありません。だからこそ経営者はどんなにきつい状況の時でも、皆で頑張っていく先にある未来の幸せな姿を言葉で伝えなければなりません。

 「社員旅行は海外に行こうかなぁ。」「家でも持てる様になるよ。」「世界進出も夢じゃない。」など何でも良いのです。未来はこれから創れるのです。

生産性新聞3月25日発行