スクリーンに映し出される映像が見慣れたMVでも
これから彼が繰り広げるステージを思うと鼓動が高まる。
汗ばんだ手のひらをTシャツのすそでぬぐってもぬぐっても
落ち着くことはなくて…そう明らかに緊張してる。

暗転する会場から歓声が湧き上がった。
一段と高まる熱気…。
体中に響き渡る低音域のビート、突き抜けてゆく彼の澄んだ声
大きなうねりが会場を包み、そして揺さぶる。
音に身をゆだねて心のままに叫ぶ…。
声が出なくなるまで。

「ねえねえ、ジヨン絶対こっち見てたよね~」
興奮気味に友達が話してくる。
幸運にもステージ最前列だったし
彼もあたしが今日参加することは知っているので…。

そう、確実に見られてた…。

「指差ししたらさ~返してくれたし、あれあたし達にだよね?」
彼女は満面の笑顔でそして口早に話しかけてくる。
「うん、そうだよ!絶対」
と答えながら、次のことを考えてる。

約束の場所に行くべきかどうかを…。


答えの決まらないまま朝を迎える
昨日、はしゃぎすぎた結果が疲れとなって残っていて
頭も、身体もが重い。

バスルームに入って考える。
仕事も長引きそうだし終わったとしても
東京までは2時間半もかかる距離
約束の時間までには多分帰れない…。
だから…今日は逢わない。
逢えないんじゃなくて逢わない。
決心が鈍らぬようにお湯の温度を一気に下げて
冷たい水を浴びている。
泣いても涙は水が流してくれるからいい…。
バスルームを出れば、この事はもう考えないようにしよう。

何ヶ月も前から本当はわかってた
この苦しみを終わらせて
あたしを救えるのは彼じゃなく自分だって。
だからもう…逢ってはいけない。



ほぼ一年更新してないというwww
ツイッターの方では酔っ払って
ちょこちょこ書いたりしてるけど
完結しないままなのでこっちに保管はしない予定。
リハビリしなきゃ書けないかも

ん~~書きたいな~と思ってたところに
依頼を受けたのでじよん物から始めてみますw
シュチュ考えてたけど
うにのお寿司食べるじよんしか思い浮かばない!
久しぶりに完結させようと思ってる作文なので
ネタ考えてるけど降りてこないんだよなぁ
妄想が錆びてしまったのか?
それも怖い~~。

このブログで日記みたいなの書いたことなかったけど
ひとりごととして、ここにブツブツしちゃいます
~~の報告でしたw

降りて来い!ネタっ!!!
祈りながら寝るw

しかし何よりも前にTOP画とかデザインとかいぢりたかったりするw
「逢えると思ってたから…」
と小さく消えてしまいそうな声
「…ほんとはもっと前に分かってたんでしょ」
と言って黙り込む君。

電話の向こうで
君が何も言わないのは
泣いてるのを隠してるから…。

そばにいれば引き寄せて抱きとめる事だって
できるのに、それも今はできなくて。
「ごめん、俺も直前まで知らなくて…」
っていい訳にも聞こえるようなことしか言えない。

「こんな事でって思ってるでしょ?」
と一度言葉を切ってから
「今回はこんな事じゃないんだよ、今までだって約束してたのに逢えない事あったでしょ?」

出来ない約束はしないって決めてる。
約束に遅れたり、行けなかったり…。
逢えないことだってあったけど
こんなに重苦しい空気は初めてで。

「わからない?」
と震える声で言われても
何も答えられないまま、君が話してくれるのを待ってる。

「いつもはね、言ってくれたでしょ?直接行けないって伝えてくれたのに、今回は違うよね?
事務所の発表のが先で」
「…」
「一番先にあたしに話してくれるって思ってた、信じてたのに、違ってて…。」
予定の変更をマネージャーから聞いた時
仕事のことしか考えられなくて
だからといって、連絡しない理由にはならない。

「ごめん」
「ん~~、もういい。だって逢えないのは決定なんでしょ?」
抑えた声はそのままで、すべてを諦めたように話す。
もっと気持ち、吐き出してくれればいいのに。

「明日も早いんでしょ?じゃあもう切るね、おやすみ」
いつもならもっと話してたい、声が聞きたいと駄々をこねるのに
一方的に電話を切って。
そのあっけなさに違和感を覚える。
我儘が言えないのは俺のせいだね。

きっと君は泣き続けてる。

空が明るくなって
朝が来ても、明日になって…それからも

俺が同じ気持ちで、眠れないまま
夜明けを待っていることは知らずに。

忙しすぎて、いつも待たせてるから。
今日のOFFは俺が待ってるからと伝えた電話で
沈黙するのは、どういう意味だったんだろう。

なにも言わない君に、待ってるからと告げて
乾杯したいからシャンパンを持ってきて欲しいって
わがままを言った。
重い沈黙の後「わかった」ってひとこと言って
妙なタイミングで電話を切られたら
俺の何が悪かったんだろうって普通の男なら考えるでしょ?

約束の日は一日フリーだったから
起きたのは正午過ぎてて
ミネラルウォーターごくごく飲んで。
そのまま二度寝。
日差しが暑くて眠れなくなって時計をみたら3時
ぼーっとしたままシャワー浴びて
君の好きなものを買いに行こうと思い立った。

シャンパン頼んでるからチーズと生ハムと…。
自家製ピクルスって美味しそうだし。
固めのパンは必要かなって。
飲んだ後に絶対冷たくて甘いの食べたくなるの知ってるし。
美味しいアイスも用意して。
ってか…これって俺の食べたいものばっかりだよね。

君がコレを見たら絶対
「あなたの食べたいものだけ買ったでしょ?」
って言われるwwww
だから、そんなに赤ワイン飲めないのにつきあってくれてる
君の為に、カクテル用のリキュールも用意して。
今待ち構えてる。

一緒にいられればいい
小さな部屋なら、君を側に感じられるし。
一緒にいられれば嬉しいと思える。

簡素な部屋にじーっとしてるのに退屈して
ホテルのバーで時間をつぶそうかと部屋を出たとたん。

慌ててかけてくる君が見えた
ムダに大きい荷物・・・絶対に君w
声をかけても
聞こえてない様子だから
面白くなって体当たりしてみた。
下ばかり見てた君の視線が
上がってきて、俺と目が合って。

なにその顔wwww
驚きすぎにも程がある。
時間が止まったような静止画の君に
「お~そ~いw」
って拗ねて見せても。
固まって見つめ返してくるだけで…。

待ちくたびれたし、のど渇いたから早く乾杯しよ~って
部屋に引き入れて。
グラスを準備…って
あぁ~~~ここ普通のホテルだから
グラスもタンブラーグラスしかない。
こんな乾杯も楽しいよね。
って君が持ってきたシャンパンがやけに小さめで
POMって音は大きいけど
泡立ちが…。
それ以上に、笑い堪えてる顔の君が…。

乾杯して一口飲んだら
君の笑いの理由がわかった。
これ…シャンパンじゃない。
アルコール感が0
「ジュースだよね?これ」
って言ったら
「あwびっくりした???驚かせたかったのw」
って…いや、美味しいシャンパンでも
十分俺を驚かせられたのに。

怒る気にもならない。
お腹抱えて笑ってる君が、楽しそうで
そんな君を見たら、もうそれだけでいいやって思えた。
おとなしくしてる俺に
「これね、シャンメリーっていうんだよ」
ってすごくえらそうに言ってくるけど
興味ないから返事はしないよ。
「今日は一緒に飲んで、すごく酔う予定だったんだけど
これじゃ酔えないし」
って言ったら。
急に強張った表情で

そういうの苦手なんだけどな。
俺の気持ち先回りして
嫌われたって思うんでしょ?
嫌いなら、こんなに時間つかって一緒になんていないから。
シャンメリーじゃ酔えないから。
今日は君が俺を酔わせてくれるんでしょ?
何もしなくて良いよ。
そういう気分になってくれたら、俺がするから。

ちゃんと目を見て、話して。
気持ちがあるなら、好きっていって。

それだけで、俺はいいんだから


冬は去り、春…。

花が咲いたら、見に行こうという約束は果たせないまま
桜はもう散ってしまった。
冷たい雨に花びらを落とされた木は元気がないように見える。
どことなく、今の自分のようだ。

日差しのある日中は暖かく
その陽気で汗ばむ程だが
夜になると冷たい風が吹き
緩みかけた気持ちが、また塞ぐのを感じる。
携帯のcallの度にザワついていた心も
今は落ち着いている…そう…とても。

守りたくて…。
離れることを選んだ俺を
君はどう思っているのだろう。
もともと時間の合わない2人だったけれど
少しずつ距離をとって、今は電話にも…でない俺。
何の説明もしないまま
好きな気持ちはそのままで

出ないけれど携帯が呼んでくれるのを待っている。
呼び出し音が鳴っている時だけは
今でも繋がっている気がして…。
その時は彼女も俺のことを考えてくれているだろうから。

こんな俺を友達はバカだと笑うのだろう。
好きなら素直になればいいのにと
簡単ことだと言って…。

初めて君と会ったのは
寒くて冷たい雨の日だったね。
手袋を忘れてきたことをとても後悔しながら。
小さなカフェに入って
煙草に火を点けようとしたけれど
手が悴んでいてうまく出来なかった。


「たばこなんかより、ココアの方がいいんじゃないかな?
コーンスープもお勧めだけど…」
入り口に一番近いテーブルに両肘をついて
無愛想に言ってくる…人影。
カフェでコーンスープがお勧めだなんて変わってるな
と思いながら
「じゃぁ、それで」
と注文したら
「っと、あたし…お客なんだけど」
と軽やかに笑い始める。
さっきまでのむすっとした彼女とは別人のような
柔らかな笑顔と、楽しそうな声に
警戒心が解け、つられて笑ってしまう。

どうして勘違いしたんだろう。
制服でも、エプロン姿でもなく
どうみても客にしか見えない…のに

「マスター、そこの彼、コーンスープだって」
と店の奥に声をかけて、席を立った彼女は
俺のテーブルの横を、すり抜けざまに
持っていたピンクのミトンをそっと差し出して
「あたしより、必要みたいだから」
と店を出てゆこうとしている。
「でも…」
「いいの、いいの~、使い終わったらマスターに預けといてくれたらいいから」
彼女が開けたドアから冷たい風が入り込んできて
寒いと思った瞬間
「おまちどうさま」
とスープが運ばれてきた。
白いスープボウルを両手でつつんで
かじかんだ手を温めてから。
木製のスプーンでゆっくりと口に運ぶと。
やわらかな甘さと、やさしい味が広がって
幸せな気持ちになる。

身体中に温かさが浸透してゆくのを感じながら
彼女のことを考えた。
このスープと彼女はなんだか似ている。
ほのかに甘くやさしいところが…かな?

冷え切った身体も
秒刻みのスケージュールで苛立っていた心も
少しずつほぐれてゆくのがわかる。
テーブルに残されたミトンに視線を落として。
微笑んでいる自分に驚きながら。

また逢えるとしたら
偶然じゃないかもしれないな…

と、そう思った。