注意 当、二次創作小説(シナリオ)を初めて読まれる方は先にこちらをごらんください。
あなたと始める物語は。23
〜 next stage ~
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《ダーリンは芸能人》二次創作
そしてとうとう迎えたクリスマス・イブの日。
結局誰も変更がなくて、残念ながら私自身もお誘いがなくて予定が入らなかった。
……去年までは賑やかに過ごしたんだけどな。
と、思い出して悲観しても仕方がないので。
気分だけでも盛り上げようと、オーナーが作ってくれたクリスマスリースとクリスマスアレンジのプリザーブドフラワー、少し前に自分で買ってきた高さ50cmほどのクリスマスツリーを飾る。
自分のために飾り付けて自分のためにデパ地下で買ってきたクリスマスVer.のオードブルを食べて、お取り寄せした発泡日本酒を一人で堪能する。
ま、一人ぼっちのクリスマス・イブもいーじゃない?と強がってみた。
寂しいとは思うけれど。
アラサー女子がクリスマスを一人で過ごすってちょっと悲しいけれど。
……それより、私、結婚できるのかしら。
なーんて考えてしまう。
結婚が全てではないとは言え、漠然とだけどいつかは誰かと家庭を築くと思っていた。
そして、本来なら今日はヒロユキと結婚して初めてのクリスマスを迎えるはずだった。
けれど、こればっかりはどうしようもない。
鬱な気分を変えるためにほろ酔いの状態でベランダに出てみると、冬の冷たい夜気が肌をさした。
でも身体はアルコールで少しだけ火照っていたからほんの少しだけ気持ちがいい。
眼下の都会の夜景は煌めき、夜空の星は空気が澄んでいるからか他の季節よりも良く見えた。
この灯りの下のどこかで恋人たちは愛を確かめ合ってるのだろうか。
そして、Wave の彼らも同様に…。
そんなことを考えてる時に、部屋のインターフォンが鳴った。
音からすれば、1階エントランスのものではなく、内部からのもの。
普通の人は27階まで上がって来れないし、でも、27階の住人である彼らは不在のはずだし。
疑問符はたくさん浮かんだけれど、とりあえず出てみることにした。
「はーい」
『あっ、あゆちゃん! 開けてー』
「翔くん?!」
なぜと思うと同時にインターフォンユニットの解錠キーを押す。
カチャッという音とともに入ってきたのは翔くん…だけでなく、京介くんを除いたメンバーたち。
「みんな、どうし―――」
「「「「ハッピーメリークリスマス!」」」」
「!」
声を揃えてそう言った彼らの両手には何やらレジ袋がぶら下がっている。
「あれ? 仕事は??」
「京介以外、夕方までだったんだ」
「じゃあ、デートとか」
「残念ながら全員相手がいないんだよねぇ」
「で、今年はあーちゃんがいるから、ピザパでも思って」
そう言われてよく見ると、彼らが持ってるレジ袋の中にピザ屋さんの袋とか有名なフライドチキンの袋とか混じっている。
それからTV局近くにあるケーキ屋さんのケーキボックスも。
全て人気店で、クリスマスの時期は予約をしていないと買えなかったはず。
ということは、もしかして、彼らはこれを計画してたってこと?
「そ、それならそうと言ってよー! どうせならお腹空かせて待ったのに。 ごはん食べちゃったわよ」
「まだ入るでしょ。 とりあえず食べよ!」
それから彼らはダイニングテーブルやリビングテーブルに買ってきたものを並べ始めた。
「はい、愛優香さん」
「ありがとう」
手渡されたのは紙皿と紙コップ。
銘々が好きな物を取って食べるというプチバイキングスタイルで、洗い物をしなくてもいいようにと、今日は使い捨てのものを使おうということになったらしい。
「飲み物入れたかー?
―――じゃ、今日もお疲れさまでした!」
一磨くんの乾杯音頭で始まったピザパatクリスマス・イブは夜中まで続いたのだった。
〜 to be continued 〜