創作◆あなたと始める物語は。26★《ダーリンは芸能人》二次創作 | 二次元のカレに逃避中♪

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主に、SNSアプリの乙女ゲームについてのレポ、および携帯恋愛ゲーム《ダーリンは芸能人》(LoveDuetを除く)をベースとした妄想2次小説を書いてます。※PC推奨です
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注意 当、二次創作小説(シナリオ)を初めて読まれる方は先にこちらをごらんください。




 あなたと始める物語は。26

〜 new relationship ~

《ダーリンは芸能人》二次創作




そうしてライブの全てが終わり、場内アナウンスに従ってエリア毎に退場する時間となった。

関係者席の場合はどうなるんだろうと思っていたら。


「愛優香さん」

「あっ、チーフさん。
 今日はありがとうございました」

「いいえ。
 じゃ、案内するわ」

「はい」


チーフマネージャーの飯田橋さんが席までやってきて声を掛けてくれた。

そのままファンたちとの退場口とは別ルートで関係者出入り口に導いてくれるのだろう。

だがしかし。

いくつかのドアが並ぶ廊下の先にあった控え室の一つへと通されてしまった。


「え。」


部屋の中に居たのは、Wave のみんなと他のグループメンバー。

ライブを終えてグッタリしてる人や鏡の前でメイクを落としてる人、そして翔くんは何かを食べていた。

部屋の真ん中にあるテーブルの上には差し入れらしき食べ物が山と積まれていることに気付く。

気が利かなかった…と後悔しても後の祭りではあるけれど。

そんな時だった。


「あーちゃーーーん!」

「亮太く、ぎゃーっっ」


衆人環視の中、駆け寄ってきた亮太くんにいきなり抱きつかれてしまい、とんでもない声をあげてしまった…。


「ちょちょちょっ、亮太くんっ!!」

「来てくれてありがとー! 『僕』、嬉しい!」

「わ、わかったからっっ、ちょっと離れて!」


突然のことで理解出来ず、無我夢中で手を突っ張って彼から離れようとした。

が、さすが男の人、ビクともしない。

困ったなと思ってたとき、一磨くんと翔くんの二人が彼を引き離してくれた。


「何やってんだ、お前は!」

「あゆちゃん、ビックリしてんじゃんか!」

「えー、だって予防線張っとかないとー」


予防線を張る……って何に対してだろう?と思っていたら、今度は京介くんがやってきた。

ライブ中のステージからの微笑みを思い出してしまい、鼓動が速くなっていき顔も熱くなっていく。

そんな私をからかうようにニンマリと笑った京介くんは、持っていたポットみたいなのから何かを摘んで私の口元に差し出した。


「?!」

「早く食べて。 溶けるよ」


思わず開けてしまった口の中に放り込まれたのは、甘さ控え目なチョコレートがコーティングされた一口サイズのアイスだ。

そのチョコが溶けると濃厚なバニラアイスの香りとその甘さが口いっぱいに広がっていく。

思わず顔が緩むと京介くんはさらに追加して差し出してきた。

(一気に食べられないって!)

と首を振って抗議の目を向けるけれど、開けろと言わんばかりにチョコアイスで唇を突く。

急いで咀嚼して飲み込んで、仕方なく口を開けるとまた放り込まれて。

頬袋に食べ物を溜め込むリスのように頬を膨らませていると、京介くんは意味ありげな視線で私を見て、自分の指に付いたチョコをペロリと舐めた。

(……! 絶対にからかってる!!)

口の中で溶けてる途中のアイスをモゴモゴさせながら、私は彼をちょっとだけ睨む。

と。

今度は義人くんがやってきて「はい。」といきなり紙コップを差し出したので思わず受け取ってしまった。

中には烏龍茶か普洱茶らしきもの。

もしかして、アイスが甘いからってわざわざ持ってきてくれたのかしら。

その優しさにホッコリとしていると周りがざわついていることに気付いた。

『え、誰?』
『Waveの知り合い?』
『随分と親しげ…』
『飯田橋さんが連れてきてたよ』
『亮太さんが抱きついてた!』
『カノジョ?』
『違うっぽくない??』

興味津々なのを隠しもせず、物珍しそうな視線とこちらにも届くような音量の声で話をしている。

まるで珍獣を目の当たりにしたかのように。

そんな時、チーフさんがそこに居る人たちに向かって口を開いた。


「彼女は Wave を補佐するチームの一員です。 今後、こういった場面に出てくることもあるので」


……Wave を補佐するチーム?

そんな話は聞いたことないんだけど。

あ、でも、彼らに食事を作ったり洗濯をしたりしてるから生活面での補佐とも言えなくないかな?

兎にも角にも、そういった紹介をされたわけだからとそこに居る人たちに向かって頭を下げた。


「じゃ、愛優香さん、行きましょうか」

「あっ、はい」


もう一度そこに居る人たちに頭を下げて、先を行くチーフさんに続く。

あんな風にスタプロ所属のメンバーたちに知らしめておけば、多少のことなら何かあっても誤魔化せると思ったのだろう。

根回ししておかなければいけないなんて人気者商売も大変だなと思う出来事だった。


〜 to be continued 〜