みる貝(海松喰 みるくい)
みる貝(海松貝)と一般で呼称されるが学名ではみるくい(海松喰)とも
殻長15cmほどの大きな二枚貝で、殻表は暗褐色の殻皮で被われる。
体の後ろにある水管が大きく発達しているのが特徴で、水管を殻の中に
引っ込める事はできない。
水管は黒い皮に覆われており 海藻が生えることもある。この水管に海藻が
生えた様が「海藻を食べている」ように見えたことからこの名がついた。
尚 密生した海藻がまるで松葉が集まった様に見える為“海松”と云われる
浅瀬の砂泥底に、深い穴を掘って暮らす習性が。日本全国に分布し、主に
瀬戸内海や三河湾、東京湾など内湾の砂泥底に生息する。
捌いた状態 水管は霜降り(湯)し薄皮を剥いで処理する
新鮮なものは肝や洞(うろ)など軽く湯して一緒に食す事が出来る
うすい豆(ご要望により仕込みを書いてみる)
数値化は表記出来ません ご了承を あくまで“感性”に基づいた調理法です
うすい豆を買い求める際 必ず“さや入り”のものを入手する様心掛けています 剥き身にしてあると そのまま調理出来て便利…と思われる人が多いですが 身が外気に晒されている間 少しずつですが皮が硬くなり 最後の仕上がりに影響を来します 当然 調理“直前”にさやから身を取り出す様心掛けています
さやから身を取り出し(殻は捨てない事 後で…) ぽっちの部分を丁寧に取り除き 塩で優しく擦ります 白い容器を使用しているのは 豆の状態が見えやすくするのと 必要以上 塩にまぶすのを避ける為です(料理の世界では“汗をかく”と表現します)
あと“炭酸”“重曹”“みょうばん”などの準薬品は用いません 使用した方が皮が柔かくなるという一般論がありますが 私は成分が体に与える影響の点を考慮します 日本料理は本来 体に優しい料理であるはずですから
うすい豆に対し たっぷり目の薄い塩湯を用意する。同時に横で 湯した後
直後にうすい豆を移して焚くための“合せ出し”を弱めでことこと沸かしておく
この同時に複数の鍋を火にかける技法を“二枚鍋”と言う
うすい豆の鮮やかな色あいを 損なわない為 使う醤油は極めて色の薄い
“白醤油”を使う これは私の故郷 広島の“きじ醤油”だ
程好く沸騰した鍋にうすい豆を入れ 穴あきのお玉で 表面の淵を摩る様な感じで
廻しながらことことうすい豆を湯していく。 この作業は うすい豆の表面の皮に
むらを作らず均等に柔かくする為 手間が掛かるがが大切な作業だ
爪の先などで 火の通り具合をしっかり確認し
横で別に用意しておいた焚き地へ素早く移し 更にことこと弱火で、湯した時と同じ様に
穴あきお玉を用い さっと焚き上げる要領で火を通す
残念ながら出しの割合はここではお伝え出来ないが 出しが12位に白醤油が0.5位の割合
鮮やかな緑色を損なわない事と同時に 豆本来の旨味を活かす程度の薄味だと想像して
貰いたい。 あと“味の素”も使わない主義なので…
上記の作業中 冷まし様の出しを別に用意しておいて
焚きあがった豆をまた素早く移し ゆっくり丁寧に混ぜながら完全に熱が取れるまで
管理する。 急冷の為 温度が急激に下がる為 浸透圧の関係で表面の皮のしわが
多少 よってくるが 時間が経つと元のふっくらした状態に戻る 浸透圧の原理だ
おせち等で愛用される“黒豆蜜煮”…作られた事のある方はこの一連の手法が
ご理解頂けるかと。 そう 色鮮やかに 皮を破らず 柔かく焚き上げるのが本要
こうして うすい豆の含め煮が出来上がった 賞味期間は長くて3日か
ちなみに…
先程「殻は捨てないで」と言ったのは うすい豆ご飯を焚く時 そのごはん出しに必要な
「うすい出し」を取るためだ
これも昆布をさして 2~3時間かけ 漉す しっかりうすいの味を抽出する
今度また うすい豆御飯に関して記述してみたい
焼きそばパン
春眠暁を憶えず
仕事柄か性分からか 中々生活習慣を改善するのは難しい…