前回の続き。
レイさんに紹介されたのは、ホームページもなく、純粋に紹介だけでカウンセリングをやっている女性だった。
電話カウンセリングなので、仮名はテルさんにしようと思う。
当日、なぜか異常に緊張して電話をするクララ(電話ちょっと苦手)
テルさんはかわいらしい声の朗らかな女性だった。
(以下、記憶の覚えている部分だけをつないで書いているので、細切れです、ご了承ください)
まずは、予約した経緯を説明する。レイさんのところに10年近く通っていること、性犯罪に遭ってレイさんのところではどうにもならなくなったこと。
テルさん「不思議ですね。私も子供の頃性犯罪に遭ったことがあるんです。そのときは、『どうして!?』ってガイドに聞きました。そのときガイドに言われたのは『知っている必要があった』でした。あくまで、私の場合はですけど。
だから、今クララさんの辛さが分かるんで、そういう意味だったのなって思ってます」
クララ「それは……私の相談に乗るためにテルさんが性犯罪に遭ったということでしょうか? つまり、私のせいで、テルさんまで被害に遭ったと?」
テルさん「違いますよー! クララさんに限らずです。最初がクララさんだっただけで」
……納得はできなかった。
クライアントの相談に共感できるように性犯罪に遭わせるなんて、理不尽すぎる気がした。
私はどうしても性犯罪に遭った「おかげで」何かを得ることに抵抗がある。
テルさん「レイさんからの紹介だから、よほど強い悪霊でも憑いている方かと思ったけど、それはなさそうですね」
テルさんは、レイさんよりも霊能力は上らしい。上には上がいるものである。
テルさん「実は、クララさんから来たメールが文字化けしてたんです。だから読むのに処理が必要でした。これは、だれか邪魔する存在がいるのかなと思ったんですが、そういうことでもないようです」
テルさんの言うことがなんとなく感覚でわかる。
文字化けしていたのは、「クララには普通に話しても、伝わらない。通訳が必要」という意味だと思う。つまり認知がねじれにねじれているせいだと自覚はある。
テルさん「私はいつもクライアントさんの話を聞きながら、ガイドの声を必要に応じてお伝えしているんですが、今朝降りてきたメッセージは
ネガティブなスピリットはあなたを傷つけることはできない。
自分を信頼し、他人の支配をうけてはいけない。
彼らが欲しいのは支配される人間である。
自分に正直に生きなさい
生命の力を信じなさい
ということです」
ガイドのメッセージが今のクララにはまったく響かない。
私は、ネガティブなスピリットに傷つけられるのが怖いわけではないし、すでにもう十分すぎるほど傷ついてしまった。
支配するとかされるとかどうでもいいし。
自分に正直に生きていいなら「生きたくない」のが本音である。
そう言うとテルさんは「そう思うのも無理ないですね」と言ってくれた。
テルさん「今、クララさんと話してて、二ヶ国語みたいにガイドたちがいろいろ言ってくるんですよ。クララさんに生きていて欲しい人たちが。
『勇気を持て』とか『感情を大事にして』とか言ってくるんですが、今のクララさんにはどれもきついですよね?」
うん。
勇気ってなんのための勇気かわからないし。
感情見失ったし。
テルさん「どうもね、今のクララさんがレイさんのところに10年通って身についた『スピリチュアル的なものの考え方』が今のクララさんを逆に苦しめているようです。
今はいったんそれを捨てた方がいいみたいです。
もっとズルく生きることを考えてください」
……あー。
その通りかもしれない。
あとで考えて気がついたことだけど、私はいいことが起こると「ガイドのおかげだから自分の実力じゃない」と思っていたし、
悪いことが起こると(おかしな人に出会うとか)「私の波長が低いから引き寄せたんだ」と思っていた。
レイさんは「ちゃんと自分を褒めなさい」って何度も言っていたのに。
中途半端なスピリチュアルが、今の私には苦しいのかもしれない。
人生はいろんなものを身につけるんじゃなくて、どんどん手放して軽くなっていくためのものだと言うけれど、レイさんとの関係は手放したくなかったな……。
そういえば、テルさんにこんなことも言われた。
テルさん「クララさんのエネルギーを見ていると、ものすごく強い『支配』を感じます。
多分お母さんでしょうね。なくなっているとは思えない存在感というか、強いエネルギーです。子供に対する愛が強すぎて、つよく縛り付けていらっしゃるから、クララさんは苦しんじゃないかなと思います」
でたー。
霊能力のある人に必ず言われる「母の存在」
レイさんにかなり抜いてもらったと思っていたのに、まだまだ全然エネルギーコードつながっているのね。
ってことは、私自身がまだ母に執着しているということ。
多分だけど、私には「自分」がない。
私の中身は「母」だった。
他人軸ならぬ母軸で生きていたことに気がついた私は、気がついたら今度はレイさん軸で生きていたのかもしれない。
レイさんともスピリチュアルな考え方とも離れて、これから自分がどうなるのか不安でしかないけど。
しばらくは「ゲスく生きる」ことを目指してみようかなと思う。
最後に、私はやっぱり性犯罪被害が神様からの試練やギフトだと思えない。
たとえ、お母さんの愛を確かめる為であろうと、前世の自分を癒すためであろうと、クライアントの話を共感的に聴くためであろうと、「性犯罪に遭わせる」と決めた人がいるなら私は許さない。
たとえそれが神様でも、私自身でも。
少なくとも今はそう思っている。
※長くなってもうしわけありませんでした。