それでも僕はまた君に恋をする18 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。

 

大野さんの愛情と

櫻井さんの愛情は

なんかすごく違うようなんだけど

根っこが同じっていうか

一番奥底が繋がってるっていうか

表現の仕方は真逆なのに、ベースがどこか似てるような感じで

なんか特別な縁とか関係性を感じてじーんとしちゃうんです。

勝手に。(笑)

 

とかいう私はやっぱりいちごも大好きなんですけど←

(MOは物事の考え方が似てるんだと思ってる。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応、どうにか藻掻いてみた。

 

『彼が先に死 んでしまう』というルートを避けるために、色々と。


 

例えば教師の彼と学生のおいらの時。

 

駆け落ちを提案されて、おいらはそれを初めて飲んだ。


結ばれるっていう定義がよくわかんなくて


二人で一緒になっちゃいけないと思ってそれだけは避けてた。


キスだって…拒否してた。


だって、止まれるかな。


彼とそういうことをしてしまって。


最後までしないとか…きっと我慢できない。


だって彼のことが大好きで大好きで大好きで


一度タガが外れてしまえば、きっと…。



だけど学校長に見つかって、また前世の流れ通り引き裂かれて。


このままじゃ彼がまた死んじゃう、それならもういっそ一緒に逃げてしまおうって。


そしたら橋が壊れて──。


川下の方に流されたおいらは、保護されて。


昏睡状態から目覚めた後、駆け付けて安堵の涙を流す両親から彼の 死 を知らされた。

 

勿論おいらは、すぐにまた後を追った。

 

『また会えますように』って一人、祈りながら。

 

 

おいらが暴力団に拾われてそっちに入ってしまった時も

 

地上げをして土地を巻き上げるリストの中に彼の病院を見つけた。

 

実はもうお医者さんをしてることは知ってたんだけど、

 

立場が立場なだけに今回は彼とは関わらないようにしようと決めていた。

 

挙句が地上げの対象。

 

リストには弱みとなるものがないかと事細かに調べ上げられた調査書までつけられていた。

 

おいらはこっそりそのリストと資金源を持ち出して、谷底へと捨てた。

 

資金源は、弱体化すれば組織の地上げ活動が制限されると思ったから。

 

勿論しつこく追われて追われて…

 

命からがら逃げて刺された身体を引きずってたどり着いたのは、意図せずも彼の家の前だった。

 

巻き込みたくなんてなかったのに、無意識に足が向いてしまったらしい。

 

あれも『運命』だったんだろうか。

 

結局彼は介抱してくれて

 

おいらはその優しさに甘えてしまった。

 

二人で暮らす時間は

 

決して恋人みたいに甘いものじゃなかったけど、幸せだった。

 

暫くして組の人間に見つかり奇襲をかけられた時も

 

相手が落としたナイフで何とか一太刀浴びせ、逃げろと殴り書きをして組の連中を撒いたけど

 

どうにか戻った時には彼はもう首 を吊っていた。



他にも


先においらが本当に死んじゃったらどうかと試してみても


一緒に終われるように危険な場所に誘ってみても


なぜだかおいらだけ死にかけては生き延びしてしまって、彼が絶望の内にその生を終える。



同じだった。


どれだけ試しても。


どれだけ努力しても。

 

 

運命の渦っていうのはすごく恐ろしく強力なもので

 

どうやったって逃げられない。

 

『天網恢恢疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさず』。

 

これは教師だった彼が教えてくれた言葉。

 

 

 

『罪』を犯した人間は


 

神の手から絶対に逃げられないんだ。

 

 

 

 

 

初めまして、にいつも傷ついたように笑う彼。

 

やっぱり惹かれあって

 

どうにか彼だけの死を止めたくて足掻くけど

 

どうしても運命に阻まれて、生き残ってしまっておいらが後を追う形になる。

 

 

 

多分、あの時…『約束の一つ』を破ってしまったから。

 

 

 

 

 

ずっとずっと昔の、歴史の教科書でもうんと最初の方に習うような時代のこと。

 

占い師…当時は巫女様と呼んでいた。

 

亀の甲羅を使ってするそれは、雨を降らし農作を豊かにし、時には病気を治し。

 

人々の願いが叶うと有名だった。

 

そんな今でいう神の遣いみたいな巫女様本人は、あまり人を寄せ付けないんだけどおいらとは親しくしてくれてて。

 

何故おいらなんかを気にかけてくれるのかと聞いたら、巫女様は優しく微笑んで言っていた。

 

 

──あなたが透き通るように綺麗な青色だから、って。

 

 

その意味はよくわからなかったけど

 

今になって思えば、巫女様はオーラみたいなものが見えてたんだと思う。

 

おいらは青色なんだって。

 

それが気に入ったらしく結構おいらに構ってくれて、色んなことを話してた。

 

だから…ちょっと甘えちゃったんだ。

 

巫女様ならこの願いを叶えてくれるかもって…。

 

 

おいらは彼に相談し、同意の上巫女様を訪ねた。

 

今思えばその日も新月だった。

 

おいら達は言った。

 

──この世で結ばれることがないのなら、せめて来世も一緒にいたい、と。

 

とにかく一緒の時を過ごしたい。

 

そう、お願いした。

 

巫女様は顔をゆがめてこう言った。

 

──同じ運命をたどることになるよ、と。

 

彼とおいらは、顔を見合わせてぎゅっと手を握り合った。

 

お願いします。

 

そう、頭を下げた。


巫女様は少し寂しそうに、了承してくれた。

 

 

運命は決まっている。

 

おいら達はきっとどの時代でも結ばれない。

 

それでも、一緒にいたかった。

 

何度だって出会って、何度だって恋に落ちる道を選んだ。

 

たとえその先が地獄だとわかっていたとしても。

 

たとえその一時の幸せが幻であり続けたとしても。

 

おいらは彼と、彼はおいらと。

 

 

 

ただ、一緒にいたかった。

 

 

 

巫女様とのゆるぎない約束はこれだ。

 

『前世の記憶や輪廻について語ることは許されない』。

 

そして、

 

『決して結ばれないまま生を終えること』。

 

これを破ると呪(まじな)いに歪が生まれてしまうらしい。

 

勿論、元々続くという確証があるわけではないけれど。

 

 

 

けど出会う度思った。

 

そう難しく辛いことではないって。

 

だって、初めまして、と毎度挨拶するのに、お互いの視線や表情で何となくわかってたから。

 

ああ、覚えてくれてる。

 

ああ、今世も出会ったね。

 

そう…通じ合ってたから。

 

 

おいら達は

 

…少なくとも、おいらは。


 

何の不満もなかったし、幸せだった。