それでも僕はまた君に恋をする19 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


ネメシス観るために今日は子ども寝かしつけてから起きてこないと

と思ってたけどそういや投稿してなかったと慌てているなう


















ある時から、突然彼に変化が見られた。

 

それが侍の時代だ。

 

お初にお目にかかります、と言った時に彼は微妙な顔をした。

 

今までしなかったような顔。

 

あれ?という絶対的な違和感。

 

そうしておいらは悟った。

 

2つ前の前世のことが原因だって。

 

 

彼が、豆腐屋と旗本の子どもだった『前』の生で、口にしてしまったんだ。

 

前世について。

 

 

聊(いささ)か触れた程度だった。

 

だけど、それは確かな意思の下発せられた言葉だった。

 

「…大事な話がある」

 

そう言っておいらをの手をぎゅっと握った時、ふと嫌な予感がした。

 

止めればよかったのに、おいらはその手の大きさにドキドキしてしまって

 

…止められなかった。

 

「…もう、やめないか?」

 

「…え?」

 

「この…永遠に続く輪廻を。」

 

「…っ、やめてっ!!!!!!!」

 

「待て、聞いてくれ。私はもうっ…」

 

「お願い、お願いだからやめて、お願いだよっ…!奪わないで…!

あなたがいない人生なんて、もう僕は考えられないんだ…っ!」

 

泣きながら懇願して

 

ようやく彼は言いかけた何かを諦めてくれた。

 

 

 

正直、その程度なら大丈夫ってどこかで高を括っていた。

 

実際その生は、自決するまでこれまで通りの流れだったから。

 

だけどそれは決して犯してはならないルールだった。

 

 

 

あれが原因で彼が記憶をなくしてしまったんだ。

 

今まで守られてきたその壁を

 

おいらと彼はとうとう超えてしまった。

 

だから

 

次の転生からは歪だらけだった。

 

彼が何を覚えているのかわからないけど、すごく辛そうな顔をするようになって

 

だけどまた前世について話すというタブーを犯す勇気なんて当然なくて

 

おいら達はお互いの感情が宙ぶらりんのまま、歪な恋を何度も繰り返した。

 

だけど、おいらは終わらせたいなんて一度も思ったことはなかった。

 

 

 

…ベニクラゲを幸せだと言ったのは、本心。

 

何度も自分を覚えていて転生できるベニクラゲは、永遠に好きな人といられる。

 

それはおいらと彼が、巫女様の時代に純粋に臨んだことだった。

 

大好きな人とずっといられる。

 

大切なものをずっと守っていられる。

 

それほど幸せなことはなくて。

 

だから、この悲恋の繰り返しも…おいらにとっては幸せだった。

 

だって来世は必ず彼と出会えるから。

 

おいらは彼のいない世界で生きる気なんてさらさらなかったし

 

それがどんなに辛い結末になろうとも、この運命だけは手放したくなかった。

 

その人生が幻みたいなものだと分かっていても

 

『また会える』

 

それだけで十分だった。


 

どれだけ辛く悲しい終わりでも、それは終わりじゃないから。

 

必ずあなたと会えるから。

 

 

 

だけど

 

あなたはそうじゃなかったんだね。

 

すごく辛くて、苦しくて

 

終わらせたくて、藻掻き苦しんでたんだね。


 

気付いてあげられなくてごめんなさい。

 

いつも隣にいたのに

 

愛する人が自分より先にいなくなる絶望は誰より知ってるはずなのに

 

それに寄り添ってあげられなくてごめんなさい。

 

 

 

──待て、聞いてくれ。私はもうっ…

 

 

 

あの時あなたは何を言いかけたんだろう、って

 

今でも時々思い出してたよ。

 

聞いてあげればよかった。

 

自分の気持ちばっかりじゃなくて

 

二人の気持ちが大切だったのに。

 

 

 

ねぇ、おいら達

 

どうしたらいいかな。

 

この先待ち受ける未来は真っ白になってしまうけど

 

もう、出会えなくなっちゃうかもしれないけど

 

ここで終わらせるべきなんだろうか。


 

ここでハッピー『エンド』にしちゃうべきなんだろうか。

 

 

 

二人の、永遠に続く物語を。