藤沢あゆみです。
「どんなに世の中が不景気になっても、企業の生産性ってあげられるんですよ」
あるミーティングで、そんな話をした人がいました。
どんな不景気でも?
「企業において、同僚や上司からの反応を恐れずに自然体のまま意見を伝えられる環境を作れたら、生産性が上がります
えっ、ちょっと意外。
生産性を高めるといえば、ものづくりのスキルが重視されそうな気がしますが、社内の人間関係なんですね。
確かに、ものを作るのは人ですから、ものづくり以前の環境を整えることって大切な感じはします。
「ひと言で言えば、心理的安全性を高めるってことです。
Googleでも、組織の生産性を高めるために必要な条件として、このことを証明しています。
職場の心理的安全性が高くなると、いいことがいっぱいありますよ。
たとえば・・・
🔸社員が最大限にパフォーマンスを発揮できて、その結果、企業全体の生産性が高くなります。
🔸職場が居心地いいので、退職する人が減り、人材の定着率が上がります。
🔸社内で起きる問題が早く発見され、その結果、早く解決します。
🔸仕事に新しい価値を生み出す、イノベーションが生まれやすくなります」
確かに!
心理的な安全が保たれるとスタッフのパフォーマンスが上がりそうですね。
今、様々な企業で「心理的安全性」を高める取り組みが行われているそうです。
心理的安全性を高める取り組みって、具体的にどんなことをするんですか?
「1対1やグループでディスカッションしたり、雑談の機会を増やすことです」
なるほど、コミュにケーションを改善するんですね。
「そうなんです、ただし、あるひとつの要素が欠けているとうまくいきません。
その要素が・・・
聴くチカラなんです」
きっぱり言い切ったのは、霜丘麻依さん。
麻依さんは、CC協会というコミュニティを運営し、聴くチカラを広める活動をされています。
「コミュニケーションの改善といえば、話すスキルが思い浮かぶかもしれませんが、聴くチカラがなければディスカッションも雑談もうまくいかないのです。
さらに言えば、職場において、あるポストの人間が聴くチカラを付けない限り、心理的安全性を育てることは不可能です」
あるポスト?もしかして・・・社長?
「いい視点ですね!リーダーです
社長や管理職に限らず、初めて部下を持つ人、後輩がいてリーダー的な立場にある人は社内にたくさんいますよね。
リーダー的な立場にある社員一人ひとりが聴くチカラを持っていなければ、いくら社内でディスカッションを重ねても発言しやすい仕組みは作れません。
企業の心理的安全性を高めるには、リーダーが聴く力をつけることが、必要不可欠なんです」
確かに!上に立つ人が話を聞けない、パワハラ体質で組織が崩壊する話って今あらゆるところで起こっていますよね。
ですが、その体質を改善するって結構難しそう。
そもそも、リーダー自身が自分は聴けない人間だと思っていないし、できの悪い部下の話は聴く必要はないと思っていて、部下の方も萎縮してなかなか社をあげて話を聴こうという体制にはなれない気がします。
パワハラとまではいかなくても、興味を持てない相手から、興味を持てない話を聴くのは苦痛なのが正直なところ。
とはいえ、話を聴いてくれる人ってどんなポスト、年代を問わず誰でも好きですよね。
「正しい聴き方を知れば、そんなに難しくないんですよ。誰でも、シンプルに楽しく話が聴けるようになります」
麻依さんは言いました。
「私、壮大な夢があって。
聴くチカラを広めることで経済復興ができると思うんです。
今、仕事を続けることが辛くて会社を辞める人がすごく増えています。その理由を聞いたら、自分の話を聞いてもらえていないという方が多いんですね。
そういう繊細なかたが、聴くチカラをつけようとウチに来てくださるんですが、実は、根っこは彼らの上司の方にあると感じています。
わたしたちが企業に入って、リーダーの人に聴くチカラを身につけてもらったら、会社を辞める人も減るし、生産性も高まり、うまくいく会社が増えます。
聴くチカラを企業のリーダーに広めることができたら、会社の業績も上がり、働きたいのに働けない人が減ります。
今、あらゆるものが値上がりし、不景気だと言われますが、リーダーが聴くチカラを持てばどんな世の中になっても経済を復興することはできるんです!
経営者の中には、ダメな社員はクビにして、優秀な社員を雇えばいいと思う人も少なくありませんが、今いる社員の心理的安全性を高めることが、何よりのコストカット、業績アップになるんです」
麻依さんは、実際、聴くチカラ診断と研修を知って、導入を即決してくれたベンチャー企業の女性社長から、その手ごたえを聞いています。
こじんまりやっていたその会社は事業拡大して、人が増えたことで、社内が揉め始めたそうです。
会社が小さい時は、仕事が出来るスペシャリストがいれば業務が回りますが、規模が大きくなると、スペシャリストがマネージャー的な業務もこなす必要が出てきました。
ですが、スペシャリストが、マネージャー業務がこなせることは稀です。
そんな状況の中で、聴くチカラ検定を導入した社長は、それまで社内にどういう課題があるか、意志の温度差や、なにを重要視して話を聞けばいいのかわからなかったそうですが
社内で、課題の共有がしっかりでき、経験豊富で心理学的な専門知識を持つ担当がついたことで、大きな気づきがありました。
それは、社員の中で、「共感」と「解決力」が両輪であることです。
分かり合うだけでも難しい、問題を解決するだけでもうまくいかない。
ですが、一人の社員がその両面を満たしている必要はなく、それぞれの社員の強みと弱みを明確にして、それを生かし合えばいいのです。
実務に長けたメンバーは実務に集中し、共感力のあるメンバーがパート職員のフォローを担当するなど、役割分担がはっきりしたので、全体にとって風通しがよくなりました。
組織は一足飛びには変わりません。麻依さんたちが、社長や、社員のみなさんに時間をかけて寄り添ったから得られた変化です。
そして一度改善されたらそれで安泰ということもないそうです。
なぜならば、企業も人も生きているから。
会社の規模や事業に変化が起こると、またコミュニケーションの課題が生まれます。その都度なにをどう動かすかの判断材料として診断はまた実施すればいい、社長は、今後、さらに踏み込んだ人事教育も考えているそうです。
社長に、どんな企業に聴くチカラ診断と研修をすすめたいですかと聞いてみた所こんな答えが返ってきました。
「本当は、どの会社にも必要だと思います。
意思決定が早く、仕組みが柔軟な会社ですと、より早く効果が見込めると思います!継続的な診断と教育を組み込んでいけると良いですね」
聴くチカラ検定はこのような企業、団体で導入されています。
🔸官公庁
🔸行政
🔸社会福祉協議会
🔸老舗食品開発企業
🔸教育系ベンチャー企業
🔸NPO支援団体
🔸こども食堂
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