ダイバージェント/で、結局異端者ってなんなのよ? | 調布シネマガジン

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ダイバージェント

アメリカのベストセラー小説を実写映画化。監督は『リミットレス』のニール・バーガー。しっかし続編やる気満々の終わり方してくれましたな。ただこの作品であるかどうかは解らないけれど。世界観は世界が崩壊してから100年後ということらしい。人類は平和を維持するために人間を5つの派閥に分けて生きることを強制している。即ち“勇敢”“高潔”“無欲”“平和”“博学”の各派閥だ。でこれのどれからも脱落したものを“無派閥”といい、これのどれにも属さないものを“異端者”=ダイバージェントという。

主人公のトリスは元々“無欲”の出身なんだけど、16歳で受ける選択の儀式で“勇敢”を選択する。“勇敢”は人間や街を守るのが役割で要するに軍隊。そのせいかしばらくずっと軍の訓練物語が続くことになる。一応ど頭でトリスが異端者であることは明かされているんだが、だからどうなんだという部分がまるでないまま話が進むんでどうにもモヤモヤが晴れないんだよね。ようやく異端者であるがゆえのエピソード描かれても、だからなんなんだ?って感じ。確かに人間は異端者を恐れるが、映画なのだから一般論でなく具体論で語って欲しかった。

“博学”の連中は“無欲”の連中を駆逐しようとし、その手足とするために“勇敢”の連中を使おうとする。その方法は、とある薬物を注射して兵士として自由に操るというもの。ところが異端者にはその薬物が効かないんだ。何故なのかは描かれない。ただ、その後その異端者ですら操れてしまうのだけど、どうして操れるようになったのかその方法も理由も解らない。結局、異端者って一体なんなの?ってことに何も答えてくれていないので、どうしても物語に入り込めないという消化不良が最後まで続く。

大体さ、“平和”や“高潔”の連中はどこに行っちまったんだ?設定としてあるのに、まるで物語に関わってこないというのはどう考えたっておかしいと思う。せっかくの設定を全く生かし切れないまま、しょもないラブストーリーだけはしっかりキープするという…。振りきれない中途半端なハリウッドSFの典型のような作品だったな。

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ストーリー:世界が崩壊してから100年後の未来。復興を果たした人類は、16歳で受ける選択の儀式によって人々を軍・警察にあたるドーントレス、政権を運営するアブネゲーション、教育・研究を担うエリュダイトといった五つの共同体に振り分け、そこで人生を全うすることを強制していた。16歳になったトリス(シェイリーン・ウッドリー)も選択の儀式を迎えるが、どの共同体にも適さない異端者(ダイバージェント)と判断されてしまう。異端者は政府に抹殺されるのを知った彼女は、うそをついてドーントレスへと所属する。(シネマトゥデイ)