ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘/ちょっとお手軽感が過ぎるかな… | 調布シネマガジン

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ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘

1966年公開のゴジラシリーズ第7弾。特技監督は変わらず円谷英二だが、監督は本多猪四郎から福田純に変わっている。変わっているといえばこの作品、中身も今までのゴジラと色々変わっていた。宝田明演じる主人公が金庫破りという犯罪者だったり、田崎潤や平田昭彦といった、今までは主人公側にいた俳優が敵役に。ゴジラたちが戦う場所も南海の孤島で、今までのように人の住む街が壊されるわけではなく、その戦いの場面では何やらロカビリーのような音楽にのせてゴジラがフットワークを見せるという…。
ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘1

監督が変わると随分変わるもんだと思いウィキペディアで調べてみるとその理由が解った。なんでも元々この脚本、キングコング対エビラの設定だったらしい。しかし脚本NGが出たために、そのキングコングの部分をゴジラに替えて映画化したんだとか。なるほど道理でアメリカンなわけだ。とはいえストーリー自体は例によって怪獣たちが戦い始めるための導線でしかないから、正直そこそこの流れならどうでもいい。ただ個人的にはエビラの背景をもうちょっとちゃんと描いて欲しかったと思う。
ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘2

ゴジラもモスラもそれぞれどういう怪獣なのか観ている方はちゃんと判っているのに、エビラだけ突然過ぎるとどうも浮いてしまうんだ。ラドンも突然ではあったが、あれは元々恐竜プテラノドンという原型が思い浮かぶ作りだから良いのだけれど、エビラはどう観てもザリガニの巨大化したものにしか見えない。あと水の中での戦いと言うのはどうしてもその迫力が伝わりにくいように思う。今回モスラなんて最後にちょこっと出てくるだけだが、そのちょこっとでゴジラと戦うシーンだけで、羽ばたきの猛烈な風を感じられる。
ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘3

定番構成で安心して観られるゴジラシリーズだから良いけれど、これはちょっとお手軽感が過ぎるんじゃないだろうか。もっとも今の時代の戦隊物特撮的な要素が大きいので逆に言えば子供たちには受けるのかもしれないが。

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ストーリー:四人の男性を乗せたヨットが、南洋上で巨大なハサミに襲われた。島に漂着した四人は、そこに謎の基地と奴隷輸送船を見出す。奴隷船から脱出した娘・ダヨは四人に、自分はインファント島の住人であること、輸送船と基地は“赤い竹”と呼ばれる謎の組織のものであることなどを語った。彼らは、連れてこられた他の島民たちを救出するため、その島に眠っていたゴジラを甦らせる。ゴジラは“赤い竹”の基地を破壊し、島を守るエビラと対決する…(シネマトゥデイ)