怪獣島の決戦 ゴジラの息子/ミニラは“ブサかわいい”の原点!? | 調布シネマガジン

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怪獣島の決戦 ゴジラの息子
1967年公開のゴジラシリーズ第8弾。福田純監督、有川貞昌特技監督と本田&円谷世代から若手へと引き継がれた作品。とは言え特技監修として円谷英二も参加しているのだが。高島忠夫、平田昭彦といったゴジラシリーズお馴染みの面々に加え、紅一点・前田美波里がサエコという女性役で出演している。さて、何と言ってもタイトル通りゴジラの息子・ミニラが初めて登場するのだが、これまでと一風変わり、子供向け怪獣映画とも言える作りは好みが分かれるかもしれない。
怪獣島の決戦 ゴジラの息子1
前作に引き続き南海の孤島が舞台。今回はゾルゲ島という。気象コントロールの実験が謎の妨害電波で邪魔されるといった、例によって解ったような解らないようなお話が展開されていくのだが、ツッコミどころは観ないことにした方がいい(笑)それより驚いたのはゴジラが卵から産まれるということ。気象実験の結果巨大化したカマキリの怪獣・カマキラス3匹に虐められるミニラを救いにゴジラ登場するのだが、一応このゴジラはパパという設定らしい。力強いパパに比べて弱々しいミニラ。
怪獣島の決戦 ゴジラの息子2
当時はこんな言葉はなかっただろうが今は便利な言葉がある。正にミニラのようなやつを“ブサかわいい”というんだろう。この後眠っていた蜘蛛の怪獣・クモンガをが登場するも、今回のゴジラは全てのパターンでミニラのピンチをパパゴジラが救いに来るというものだ。上手く放射能火炎を吐けないミニラに吐き方を教えたりと、何もここまでというほどにゴジラ親子の情愛を前面に押し立てた物語は、怪獣映画というよりもなんだかホノボノとした気持ちにさえさせてくれた。
怪獣島の決戦 ゴジラの息子3
最終的に気象実験の成功により、最後は極寒のゾルゲ島で親子抱き合いながら無理やり冬眠状態になってしまうゴジラは何だか可哀想ですらある。少なくとも「ゴジラは冬眠にはいっただけだ!目覚めたらあの島で元気に暮らすんだ!」なんて脳天気かつ身勝手な言葉を吐く主人公にはちと呆れざるを得ない。娯楽作品として面白く仕上がって入るけれど、何だかこれじゃない感というか、大人になった俺が観るには少しどうかなという気にさせられたのも事実だった。

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ストーリー:南洋のゾルゲル島で、気象コントロールの実験が行なわれた。しかし実験は謎の妨害電波によって失敗、島は異常高温に見舞われ、怪獣カマキラスが大量発生する。そして地中から発見された卵からは、ゴジラの息子・ミニラが誕生した。ミニラを襲うカマキラスたち。その時、ミニラを救うためゴジラが姿を現した…。(シネマトゥデイ)