弁理士kの 「ざっくりブログ」

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弁理士試験(本試)をざっくりと解説します。
その他の所感をつれづれと

弁理士試験の本試問題の解説や、

弁理士の仕事やその周辺で起こった出来事等を

さっくりと綴ります。

解説は、不定期にアップします。


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久しぶりに、短答試験を解いてみようと思う。

頭が錆びついているので、まずはサビ落としから始めましょう。

最後のゼミ生から口述終了の便りを頂いた。

ゼミ修了後、不義理を働いていたため、恐縮至極ですが、

ひとまず良かったよかった。

 

 

0 不正競争防止法上の不正競争に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。 
1 1 甲社の従業員である乙は、甲社から貸し出されているUSB メモリのパスワードを、丙に漏洩した。乙の行為は、技術的制限手段に係る不正競争となる。 
2 2 甲社は、イギリスの国旗を印刷したハンカチを日本において製造し、日本製であることを明確に示したタグを付けて販売している。甲社の行為は、原産地の誤認の惹起に係る不正競争となる。 
3 3 甲社は、電気用品安全法所定の検査を受けていない電子ブレーカに、同法の規定する技術基準に適合している旨同法所定の適合検査で証明されたことを示す表示であるPSE 表示を付して、販売を行っている。甲社の行為は、品質の誤認の惹起に係る不正競争となる。 
4 4 甲社は、その社長である乙の丙社に対する個人的な恨みから、競争関係の存在しない丙社の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布し、丙社は営業上の利益を侵害された。甲社の行為は、信用の毀損に係る不正競争となる。 
5 5 スマートフォンを製造販売する甲社は、客観的な事実に基づき、競合他社である乙社の製造販売するスマートフォンと比較して、その性能や品質について甲社の製品がより優れていることを内容とした比較広告を雑誌に掲載した。これにより、乙社のスマートフォンの売上げが減少した。甲社の行為は、信用の毀損に係る不正競争となる。 
  *解説
   
パスワードを教えることは技術的ではないです。
商品毎に明確に示しているようなので、原産地の誤認惹起は低いでしょう。
誤認惹起以外の何物でもない。普通に不正競争
競争関係が存在しないといけません。
5 客観的な事実を記載しているのなら、普通の競争行為であり、不正ではありません。TVCMで比較しないのは、我が国の商習慣的なものであり、少なくとも不正競争防止法においては、事実である限り実名を挙げてもよいことになります。
0 不正競争防止法上の営業秘密に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。 
1 1 甲が丙から乙の営業秘密を取得した後に、その営業秘密に関する産業スパイ事件が大々的に報道された結果、甲が丙による不正取得行為が介在していた事実を知ったとしても、甲が丙から営業秘密を取得する時点でその事実を知らなかったのであれば、その後、甲が当該営業秘密を使用したとしても、不正競争とならない。 
2 2 営業秘密の保有者である甲社が、その下請企業である乙社に営業秘密を示した場合、乙社の従業員丙が、甲社と競争関係にある事業を行う目的のある丁社に営業秘密を開示したとしても、不正競争とならない。 
3 3 人材派遣事業等を主たる営業目的とする甲社の従業員乙は、守秘義務を負うにもかかわらず、甲社が保有する営業秘密である派遣スタッフの管理名簿を他社の従業員丙に開示した。丙が、乙の開示行為が当該守秘義務の違反に該当することを知りながら、対価を支払って当該管理名簿を買い取る場合、不正競争となる。 
4 4 甲は、産業機械のメーカーである乙社が保有する、産業ロボットの組立技術に関する営業秘密を不正に取得し、これを使用して産業ロボットを製造した。丙は、営業秘密侵害品であることについて重過失なく知らないで甲から当該産業ロボットを購入し、丁に譲渡した。この場合、丙による丁への譲渡行為は、不正競争となる。
5 5 甲社の従業員乙は、守秘義務を負うにもかかわらず、甲社が保有する営業秘密である顧客名簿を他社の従業員丙に開示した。丙が、乙の開示行為が当該守秘義務の違反に該当したことについて、重過失なく知らないまま当該顧客名簿を使用する行為は、不正競争となる。 
  *解説
   
知った上で使う。どう考えてもこれは許されないでしょう。
これが不正競争にならなければ、やりたい放題になりますよねぇ。
紛うことなく真っ黒けです。不正でなくてなんとする。
丙は単なる商社ですよね。重過失なく知らなければ、不正の臭いは全くしません。
5 枝4と一緒。不正なものと知らないで見せてもらい、それを使用する。不正ではないです。
0 不正競争防止法上の救済に関し、次のうち、最も不適切なものは、どれか。 
1 1 不正な原産地の表示に関する不正競争については、不正な表示を付した商品の譲渡数量に、単位数量当たりの利益額を乗じて得られた額が、損害額とみなされることはない。 
2 2 侵害者の利益の額を損害の額と推定する規定は、商品の用途について誤認させるような表示が付された商品が譲渡された場合について適用され得る。 
3 3 自己の商品形態を模倣された事業者は、模倣商品の販売の差止請求とともに請求する場合に限り、当該商品形態を模倣するために使用した装置の廃棄を請求することができる。 
4 4 外国において商標に関する権利を有する者の代理人による当該商標の使用による不正競争によって、営業上の利益を侵害された者が、侵害者に対して損害賠償を請求する場合、受けた損害の額として、使用料相当額を請求することができるとする規定は、設けられていない。 
5 5 秘密保持命令の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 
  *解説
   
とりあえず20号は、推定規定が働かないです。
この推定規定に除外される号はありませんので。
この問題は特許法でも出題されることもありますが、「模倣のために使用した装置」を製造装置と考えれば、製造装置の除却を要求すると言うことは差止を請求するとほぼ同じ(在庫はおいといて)。要するところ単独で請求すること自体が不可能なわけで・・・
おっ!これは良問。きちんと5条3項に規定されております。しっかりと条文を読み込みましょう。
5 10条5項に書いてありますねぇ。忘れてました・・・
0 不正競争防止法に関し、次のうち、最も不適切なものは、どれか。 
1 1 ハンドバッグのデザインは、商品形態として保護されるため、他社のハンドバッグの内部デザインをそっくり真似たハンドバッグを販売する行為は、その外部のデザインが異なる場合であっても、不正競争となる。 
2 2 洋服のデザインが、市場ですでに販売されている2つの洋服のデザインを組み合わせて作られたものであっても、その組合せがありふれているものではない限り、商品の形態として保護される。 
3 3 商品の形態が、その特異な形状によって、その商品の出所を示すものとして需要者に広く認識されている場合でも、その形状が、その種の商品の効用を発揮するために不可欠な形状である場合には、商品等表示として保護されない。 
4 4 商品等表示Aが周知性を獲得する前から、不正の目的なく、表示Aと類似する商品等表示Bを使用していた甲は、表示Aが周知性を獲得した後も、表示Bの使用を継続できるが、甲から表示Bに関する業務を承継した乙も、不正の目的がない限り、表示Bを使用することができる。 
5 5 商品等表示Aは、美容関係者のみに販売される化粧品に使用されている。表示Aが、美容関係者の間では周知性を有しているが、一般消費者の間では知られていない場合には、美容関係者向けでなく一般消費者向けの化粧品に表示Aを使用したとしても、不正競争とならない。 
  *解説
   
回答ではこれが最も不適切らしい。っということは、この状況は商品形態としては不正競争にはならないことになる。小型ショルダーバッグ事件を鵜呑みにすれば、そうかもしれないが、外部のデザインが異なると言っても微差であり、しかも一般的な範疇のデザインにおける微差であり、専ら消費者の注目が内部デザインにある場合でも不正競争とはならないのであろうか?わからん。
ありふれていないと言うことは商売上の旨みがあるわけで、それをつまみ食いしたら不正競争になり得るわけです。
これが保護されたら、未来永劫その形状の物を販売できなくなる。これは、意匠法や商標法でも禁じられています余ねぇ。保護されません。
えっ!?じゃあ、この通りなら、商売を引き継いだ子どもは表示Bを使えなくなるの?そんなバカな。
5 一般消費者向けに販売しても、美容関係者は見ることができる場合があるわけで、枝1とどちらが不適切かと言うと、こちらの不適切度合いは枝1より低いように思えてしまいます。わからん。
0 不正競争防止法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。 
1 1 表示Aは、甲が販売する和菓子の商品等表示として、神奈川県内の需要者の間で周知である。乙が、同県内で、表示Aと同一の表示を、和菓子以外の商品に使用している場合には、乙の行為が不正競争となることはない。 
2 2 表示Aは、甲が販売する和菓子の商品等表示として、著名である。乙は、愛知県内で、表示Aを家具に付して販売している。乙が、注文があった場合にのみ、その家具を直接消費者に販売している場合には、乙の行為が不正競争となることはない。 
3 3 表示Aは、甲が販売する菓子の商品等表示として、広島県内の需要者の間で周知である。乙は、同県内で、表示Aに特殊な独自のデザインを施し、自己の販売する菓子に使用している。両表示に類似性が認められる場合でも、表示Aが、乙の販売している菓子の普通名称である場合には、乙の行為が不正競争となることはない。
4 4 表示Aは、甲の商品等表示として著名である。乙が、表示Aが著名になる前から、不正の目的なく表示Aを使用している場合には、表示Aが著名性を獲得した時点で、乙の商品等表示として周知性を獲得していない場合でも、不正競争となることはない。 
5 5 甲は、表示Aという特定商品等表示を使用して運送業を行っている。乙は、甲の事業を誹謗中傷する目的で、「A.co.jp」というドメイン名を使用する権利を取得した。表示Aが甲の役務表示として、周知性を獲得していない場合には、乙の行為が不正競争となることはない。 
  *解説
   
洋菓子にAが使われたら嫌な気がしますよねぇ。不正競争になり得ます。
表示Aが恐ろしく独創的でバリバリ識別力があって、和菓子について著名であれば、商売上どんな形態であれ不正競争になる可能性があります。
普通名称なので、不正競争になることはほとんどないと思われます。しかし、枝4と比較すると、本問に「普通に用いられる方法で表示する」の文言がありません。なんとなくモヤモヤしますが、4に比べると不正競争となることはあるかも・・・
商標法と混同しないでくださいね。乙に「不正」という言葉は似合いませんよねぇ。
5 図利加害目的であれば、周知性にかかわらずアウトですねl
0 著作隣接権に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。 
1 1 著作者の権利とは異なり、著作隣接権の発生には文化庁への登録が必要である。 
2 2 電車の走行音を録音したレコードについては、著作隣接権は発生しない。 
3 3 アマチュアオーケストラの指揮者は、実演家に当たらず、著作隣接権を有しない。 
4 4 音楽教室を運営する会社に雇用されているピアニストが職務上行う実演については、その会社が実演家となり、原始的に著作隣接権を取得する。 
5 5 楽曲に係るレコード製作者は、その製作したレコードに録音された楽曲を再生することによる公の演奏については、著作隣接権を有しない。 
  *解説
   
なんか、これを法律に組み込んで、その手続をJASRAC専属にしそうな勢い・・・は、ないです。
レコードって、古すぎますが、レコード作るには膨大な費用がかかる。昨今のネットにチョチョイとアップするのとは大違いなので、保護してあげてください。
創作にプロもアマもありません。要するところパッションがあれば良いのです。
上手く問題を作成しており、なんとなくそんな気もしますが、実演家は、実際に演じている人です。
5 レコードを売ったり、貸したりした際に印税が入りますが、隣接県はそこまでで、そのレコードでの演奏にまでは及びません。著作権と混同しないように。

特許に関するニュースの記載に下記の様なものがありました。

 

 甲が設立したベンチャー企業と大学で共有する特許使用の権利を英国企業に独占させる契約を不正に結んだなどとして、甲は懲戒解雇された。

 

(1)上記の文章において違和感のある部分を挙示し、違和感の理由を説明せよ。


 甲は、大学と共同で取得した特許を、自身が設立したA会社の単独特許と偽り、使用権を英国企業に独占させる契約を無断で締結。A会社が使用料を受け取っていた疑いがある。

 

(2)上記の文章において、論文試験では書かない方がよい記載を挙示し、正しく書き換えよ。

 

 大学が単独出願するはずだった別の技術の特許は、大学を外して日本国(この部分ニュースとは異なります。)でA会社が出願し、大学の権利を喪失させた。

 

(3)この場合、大学側が権利を獲得する方法を説明せよ。

0 著作者人格権に関し、次のうち、最も不適切なものは、どれか。 
1 1 論文Aの中で、他人の論文Bから同一の文章を2回引用する場合、1回目の引用箇所に対して著作者氏名を表示しないことは、当該引用箇所から離れたページにおいて、2 回目の引用を行った上で著作者氏名を正しく表示したとしても、氏名表示権の侵害となり得る。 
2 2 著作者が、写真の著作物を芸術写真の専門誌で公表した後に、その著作者の意に反して他人が一般の書籍でその写真を公表した場合、公表権の侵害となる。 
3 3 共同著作物の各著作者は、著作者人格権の行使に関する合意の成立を、嫌がらせのために妨げることは許されない。 
4 4 ある著作物の特定の利用行為が、著作者の社会的・外部的な評価の低下をもたらす場合、当該著作者の著作者人格権の侵害とみなされる。 
5 5 著作物である庭園に、災害対策のために必要な避難路を設置して改変を行うことは、著作者の同意がなくとも、必ずしも同一性保持権の侵害とはならない。 
  *解説
   
出典などは、最終ページに書いたりしますし。引用著作物と氏名が一致するならまあ、良いのではないでしょうか?しかし、枝2が明らかに×なので、いちいち氏名を表示すべきなんでしょう。
著作者に起因した公表を既にしているので、公表権は消尽しています。このような表現は法的に良いかはわかりませんが。
C46に信義に反しての反対はできないとの記載があります。
C113.7にいわゆる名誉声望権の記載があります。
5 C20で建築物の増改築などは同一性保持権の範囲外との記載があります。