能力や才能って特別なこと?
私たちの多くは、能力や才能に関して大きな勘違いをしてきたように思います。
例えば、まだ5歳の子供がピアノを上手に弾けたり、水泳が上手だったり、数学の問題が解けたら、誰でもそれは特別な能力や才能だと思うでしょう。
将来そういう能力や才能を伸ばして活躍するかもしれません。しかし、そういう人は全体のごくわずかですし、ごくわずかしか必要でもありません。
例えばこんな事例はどうでしょうか?
まだ5歳の子供が、家族の中の険悪な人間関係を和ませようとして、あの手この手で笑わせて和ませようとする。
まだ10歳の子供が、母親と姑の口論をじっと聞いてそれぞれの言い分を聞いて気持ちを推しはかり仲裁しようとする。
いつも母親がやっている作業を手伝うとき、もっと母親が楽にできる方法はないかいろいろ工夫してみる。
まだ子供がやることなので、未熟だったり、失敗することもあるでしょう。しかし、この事例にあるようなことを意図するということ自体、そこに能力や才能の萌芽が潜んでいるとは言えないでしょうか?
現実には、子供のこうした行動に対して、親たちから「余計なことをするな」「ふざけているんじゃない」「あっちに行っていなさい」「大人の話に口を突っ込むんじゃない」「言われたとおりにしていなさい」などと言われてしまう場合があります。
メンタル上の問題といえば、子供時代の虐待やネグレクトによるトラウマを連想するかもしれません。しかし、私が詳細に研究してきた結果、もっと見過ごされてしまうような、ちょっとした出来事から、スキーマとか禁止令と呼ばれるような、思考に制限を設ける潜在意識のプログラムが作られることが分かりました。
特に「良かれと思って自分なりにやったのにがっかりした、傷ついた」という体験は心の中にはっきりと痕跡を残してしまうのです。
私は特別な測定器を使ってこうしたものを検出しますが、その分析結果から、子供時代にどんな体験をしたのか推測しながら聞き取りをしてゆきます。すると、それが大きな問題であるとは全く思われずに見過ごされていたような体験がその由来であり、その後の人生にも大きな影響を与えていたというケースを数多く見ています。
そして、本来の能力や才能、特性に制限をかけてしまうのです。もちろん、こうした問題は、潜在意識への働きかけによって解消することができます。
AI時代に求められるのは?
ところで、これからAIの急速な普及が、社会構造や価値観を劇的に変えてゆくと考えられます。マニュアル化可能な仕事や作業の多くがAIやAIと連動したロボットに置き換えられてゆくからです。ある試算によると既存の仕事の約半分がなくなると言われます。
しかし、それが即座に約半分の人が失業することを意味はしません。AIはアシスタントのようなものです。調べ物をさせたり、予測させたり、問題や課題をピックアップさせたりして、作業にあたる部分を代行させることができます。
何か、アイデアを思いついたら、それを実行するメリットとデメリット、それがうまくゆくための条件や克服課題などを問いかけることもできます。そういうやりとりを通じて、自分のアイデアを育て、洗練させることもできるのです。
そして、人間にしかできないことの価値が増大します。
まず明確な意図を持ち伝えることです。AIは漠然とした質問には漠然とした答えしか返してきませんし、漠然とした指示では良い仕事はしてくれません。また、新しいアイデアを生み出すことは基本的に人間の役割です。
創造性ということですが、発明や発見といった大それたことを考える必要はありません。ちょっとした改善と工夫の積み重ねの方が圧倒的に多いのです。また、共感能力、コミュニケーション能力を通じて人間間の関係を営み発展させることも人間にしかできません。
AIを使うのにプログラミングやITの特別な知識や技能は必要ないのですが、むしろ人間ならではの、そして人間なら誰でも持っている能力を高めることがとても重要になります。
これまでもたびたび話題にしてきたことですが、従来の学校教育というのは、象徴的にいえば、マニュアルを読んで理解し、ベルトコンベアーの間に並んで規律正しい労働を行う労働力を大量生産することが元々の目的でした。知識労働であっても、結局は組織の歯車としてよく機能することが求められてきたのですから本質は変わりません。
その中では、意図を明確にすること、想像力を発揮すること、共感能力やコミュニケーション能力を発揮することなどは、視野の中にはなかったように思います。しかも、こうした能力や才能の萌芽というものは、家庭や学校の中で見過ごされるならまだしも、スポイルされ封じ込められてきたケースが非常に多いことに驚かされます。
そして、私は、カウンセリングの現場で例えば「私は能力や才能を発揮すると拒絶される」といった類のスキーマ(思考の枠組み)や、「自分の意思を持つな」「自分で考えるな」「言われたこと以外やるな」「勝手に動くな」「自信を持つな」といった禁止令が、束になってその人の、本来の能力、才能、特性、可能性を制限し奪っている実態に数多く接してきました。
それは、うつ病や不安障害のような明らかな問題を負っている人だけでなく、自分では普通に生きていて大きな問題はないと思って生きている人においてもそうなのです。私は、すべての人において、本来持っていたはずの人間ならではの能力や特性に対するブロックを取り除いて、最大限にのびのびと発揮できるように開放してゆくことが急務と考えます。
しかし、特に日本の社会では、心理療法とか心理カウンセリングといえば、特別な事情や問題を抱えた人が受けるものというマイナスイメージが強いのがネックになっています。例えばアメリカでは、陸軍の軍人とその家族、名だたる企業の社員などに対して、心理プログラムが導入されています。それで、新しいサービスのネーミングも必要と考えた結果行き着いたのが、ヒューマン・ポテンシャル・リベレーション(人間の潜在的能力の解放)、略してHPLということだったのです。
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https://hbi-salon.com/?p=10517