もう何十年も前になる。

学生時代は 軽井沢に青山寮という施設があって、

毎年夏合宿をしていた。

そこで、放送論を闘わせていたのだけど、なんだか難しい理屈でしかなかったような気もする。先輩たちはちょっと怖かったし。

合間に訪れた旧軽銀座。

今もロータリーのあたりは変わらないが、まるで都会の観光地だ。

ここは清水坂かと。

でも、少し離れると、関西にはない避暑地の風景。

夏の間だけ、こんな所に住む生活がしたかった。

いやー、おもしろかった。

「アリス」も「ファインディング ドリー」も 私から観ると予定調和だったけど

これは、期待を裏切るおもしろさ。


でも、賛否両論なんだと思う。

この映画をおもしろいと思う人とそうでない人は はっきり分かれるんじゃないかな。

「エヴァンゲリオン」の 庵野秀明総監督作品だから なるほどと思うのだが。


戦後ハリウッド作品も含めて 作り続けられたゴジラシリーズの新たなる展開。

現代の東京湾に現れた未知の怪獣「ゴジラ」は 日本人にとって忘れられない体験となった3.11の惨禍


人類が予想だにしない、途轍もなく巨大な生き物が日本を襲ったら一体どうなるのか?
その時日本人はどう対応し、政府はどうするのか。いかにして乗り越えるのか?
世界は存亡の危機を迎えた日本に対し、どう出るのか?

登場人物は多いけど、そこに個人的ドラマはない。

あるのは、政府の“対怪獣シミュレーション”、それだけ。


ただ、会議のための会議を開いて 決断ができない政府。

官僚や政治家たちも いかにもいそうな、ステレオタイプ。


ゴジラ出現の初期段階で、彼らが「想定外」を連発し、事態に対応しきれず、右往左往を繰り返すあたりは、まるで3.11の焼き直しを見いているかのようなブラック・コメディ。
会議ばっかりやっていて、全然前へ進まないのも、良くも悪くもこれが
日本らしさとして妙に納得できる。

思わず苦笑してしまうシーンの連続。

怪獣を駆除するために 市街地で自衛隊に武器使用を認めるかで大混乱。

いかにもありそうなことばかり。


しかし現実と違うのは、この映画では 登場人物たちがゴジラ(大災害)という絶対的な脅威を前にして立ち直り、破滅の危機の中でそれぞれの立場でベストを尽くし、結果を出すということ。


内閣官房副長官の矢口蘭堂(長谷川博己)ひとりが、動かぬ政府の中で未知の生物の存在を確信し、振り回されながらも、官民共同のチームを率いて ゴジラ凍結作戦を進める。

ゴジラを制御するために 突っ込んでいく爆弾搭載の無人N700系や 在来線の電車。

そして、3.11の時も活躍した 数十メートルのアームを持つポンプ車が 生きた原発=ゴジラを凍結させるために熱を奪ってゆく。ちなみにこのポンプ車が中国から提供されるエピソードも現実の3.1と同じ。


自衛隊にも米軍にも倒せなかったゴジラに、民間人と働く電車・車たちが立ち向かうクライマックスに、ああ、これなんだ、と思った。

現実の3.11を巡る対応は “日本”に対する大きな失望をもたらした。
けど、あのときの失敗を、「本来はこうあるべきだった、こう出来たはずだった」という理想形を、ゴジラという虚構との対立を通して見せてくれている。

未曾有の危機を背景に、この国の人間のあり方を希望的に描いた物語として。


ゴジラファンとしては、随所で登場する 伊福部昭氏のゴジラ音楽や、エンドロールで

五十音順に出演者をどどんと1枚で見せたり 「終わり」のタイトルの昭和感がとても嬉しかった。


故郷のない自分には 盆踊りってちょっと郷愁を誘う。


阿波踊りみたいに「もう絶対参加できないよな」、というものではなく、

ちょっと手が届きそうな盆踊り、.それが郡上八幡の郡上踊り。

400年続く 郡上の夏の風物詩。夏中32夜に渡って繰り広げられる。


機会があって、始めて郡上の町を訪れることができた。

京都から高速で二時間半あまり。

岐阜県のほぼ中央に位置する山間の静かな町。



長良川に注ぐ吉田川が町中を流れ 「水のまち」と呼ばれるほど町のあちこちに水路がある。








大きな鯉が泳いでいるのには驚いた。


踊りは毎日場所が変わる。

町中の辻だったり、お寺の境内だったり。

櫓の上で 三味線や笛にによる、ナマのお囃子が奏でられ

その周りでジモティも観光客も一緒に踊る。

平日は夜10時半頃まで。

お盆の間はなんと徹夜で朝の四時頃まで踊るのだそうだ。




何とも素人が見よう見まねで輪にはいってみたが、手と足が思うようにリンクしない。

手の振りは覚えられるんだけど。足がなぁ。


郡上踊りのかっこよさは、下駄を鳴らす そのステップにあるのじゃないかと思う。

上手な方は狭い空間でも切れのある動きが素敵だ。

覚えた頃に曲が変わる。

そのうちに、酸欠で 喉が渇き 髪振り乱して 今シャワーを浴びましたというくらいの汗まみれだ。

でもそれが、何とも気持ち良い。


南の島に加えて、リピートする場所が増えそうなのは ちょっと怖いような。

松尾スズキの世界。


森ノ宮ピロティホールでの、「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」

岡田将生はじめとする、綺羅星のごとき美少年たちと、阿部サダヲ 寺島しのぶ 吹越満という芸達者たち。

おもしろくないわけがない。

休憩はさんで3時間がノンストップ。


国境も性別も生死も越えて“居場所とは何なのか?”を問う、戦場ボーイズラブロードムービーが誕生!! というのは、キャッチコピー。


BLは嫌いじゃない。というか、結構好き。

ホストクラブは行ったことないけど、すっかりおばさんになる前、若い頃から

美少年に興味はあったし、美しく生まれたがために歩む人生というのもあるのだろうか、と 考えてた。


女性が美人に生まれてそれなりの人生をつかむというのは、与えられた特権で

当たり前と言っちゃ当たり前だけど、美少年の場合はどうなんだろう。

男性でも女性でも、それを自覚する所からどんな人生が始まるのだろう。

お話は・・・
とある国で非合法の男性売春が横行しているという情報を得たベストセラー作家・永野は実態調査のため現地に潜入する。観光客や地元好事家たちの前で踊りその目を楽しませている美しい少年ダンサーたち“ゴーゴーボーイ”が怪しいという噂だ。永野は調査を続けるうちにゴーゴーボーイの一人、トーイの危険な美しさに魅了され、様々なアクシデントに巻き込まれていく。一方、日本で永野の帰りを待つ元女優の妻ミツコは浮気をしているが、夫が行方不明になった悲劇のヒロインとして現地に向かうことを余儀なくされる。それもまた、2時間サスペンスの常連で死体ばかりやってきた売れない女優のカムバック作戦の一貫ではあるのだけど。 

ジャーナリストの亡霊、いい加減な通訳、少年たちの運命を握るゲイのインテリアデザイナー・・・。様々な面倒臭い人々や、異国のアウェイ感に阻まれ、お互いに探し続けるのに決して出会えない夫婦の間に永遠のような時間が流れる。
探すことは愛なのか?そして“ゴーゴーボーイ”たちの運命は?


しかし、舞台というのは、そのパワーに飲み込まれていく感じがとても幸せだし

一瞬の陶酔感がある。放送では絶対できない、下世話で猥褻な世界。

男性女性問わず 全裸をいとわない熱演。

客席を包み込むオーラ。

カーテンコールの時の、妙に冷めた表情を観ると、これがプロの舞台なんだなぁと思う。




会期末 ぎりぎりに目黒の 東京庭園美術館へ。

「メディチ家の至宝展」




前から行ってみたいところだったけど、休館日などでなかなかスケジュールが合わず。



ここは、旧朝香宮邸。

宮家のお住まいを 東京都が所有していて 美術館になっている。

さながらヨーロッパの美術館みたいに、風情のある建物だ。



都心なのに、敷地を入ると鬱蒼とした木立。

常々 東京は緑が多いと思う。


クリーム色の建物はシンプルだけど 玄関を入るとアールデコ。

大理石のレリーフやシャンデリア、壁や天井の意匠まで すみずみに有名な芸術家の作品が使われている。

軍人だった当主がフランスで事故に遭いパリで長期療養した時に、アールデコに痛く影響を受けたのだそうだ。

しかし、帰国してすぐにこんな建物をつくってしまうんだから、昔の皇族貴族の豊かさは庶民からはかけ離れたモノだったんだろう。

でも、ヨーロッパの王族みたいに 庶民に慕われていたわけでもなかろうものに。




まあ、今は都民の憩いの場として公開されていることにちょっと満足を覚えるのだけれど。


フィレンツェに300年間も君臨して、あまたいる芸術家のパトロンとなり ルネサンス文化を生んだメディチ家のお宝は それは素晴らしいモノでした。

肖像画に観る女性たちは 数え切れない大粒の真珠を服に縫い付けてあり、

この展覧会が真珠のドレスコードあり、というのもうなずけたモノです。


カメオの数々にため息が出ました。



7ヶ月ぶりの石垣島。

6月は梅雨明け直後で、暑いということが経験上わかっているのに、

仕事の都合で休みが取りやすいのと、春の舞台が終わるまで何処へも行けないことでストレスがたまり、この時期になる。



しかーし!

沖縄本島は修学旅行軍団で飛行機が騒がしいが、.

最近の石垣行きの便は 子連れファミリーが多いこと。

それも赤ちゃん連れ。

子供たちが泣くわぐずるわ。

赤ちゃんに罪はないし、お母さんも気の毒だとは思うけど

こちとら、大人のリゾートに癒やされ旅を想像していたのだけど快適さとはほど遠い。

行きも帰りも疲れることこの上なかった。


海岸沿いのカフェ「プカプカ」で早速ランチ。

島野菜のパスタ


ドライブしようと思ったが、あまりの暑さに断念。

ドライブしていたら、2日前にできたばかりというカフェを見つけ。

「セントエルモ」テラスがまるでクルージング船みたい。



あー海はいいよなぁ。


夜は真っ暗なサトウキビ畑の真ん中で、星空浴。

北斗七星、ベガ、アルタイル 夏の大三角 火星 蠍座に天の川

八重山は星の綺麗なところだ。


海は・・・

最初の頃は熱帯魚にいちいち驚いていたが、いて当たり前・・・なので、省略。




初めて行った米原ビーチ沖には300メートルくらいに広がった珊瑚の群落がある。
浮力が撮れなくて着底してしまうと珊瑚を痛めるので、気が気ではなかった。
今年はまだ台風が来ていない。このまま水温が上がり続けると珊瑚が危ない。









今年の桜の見納め,

海津大崎は、琵琶湖の一番北。北湖につきだした マキノ町海津にある半島。


ここには、600本以上の桜が湖岸沿いに植えられていて

日本の桜100選にもなっている。

桜のトンネルくぐり抜けるのもいいけれど お花見船で湖上から観る桜は格別だ。











桜ごしに見る
竹生島。とても幻想的でした。




水鳥がたくさんいたり、




お花見船が行き交ったり


奧琵琶湖パークウェイから見る琵琶湖も又美しい















町中に溢れる熱気。

いくつもの会場で 中国雑伎や龍踊り等が披露されていた。



坂を登った唐人屋敷跡の中国のお堂4つを巡ってろうそくを灯してお願い事をする4堂巡りをしてみた。



まるで中国映画に登場するような石畳の坂道。

古い屋敷が軒を連ねる先に、中国人たちが進行した神様を祀るお堂や、福建省から来た人々が建てたお堂がある。




何とも神秘的な気分。

ここで、赤いろうそくを買ってそれぞれお供えしてお参り。




お願い事が叶う、というと女性が行きそうだけど、旧正月なんだからいわば初詣。

「家内安全」でもいいのかな。



旧正月、中国の春雪に遭わせて行われる異国情緒あるお祭、

長崎ランタン祭りに行ってきた。



もともとは長崎新地中華街の人たちが中国の旧正月(春節)を祝う行事だった長崎ラ

ンタンフェスティバル。

1994年に規模を拡大してから、長崎の冬の一大風物詩として

全国的にその名が知られるようとなりました。



期間中、街中に飾られる約15000の極彩色のランタン(中国提灯)と、各会場の大小さまざまなオブジェたちが一帯を幻想的に彩り、訪れる100万超の人々の心を深く魅了します




初日の夕方には市内中心部のランタン約15000個が一斉に点火。その瞬間、長崎の

街は極彩色に染まります。




この春節に合わせて長崎にはフェリーで中国からの観光客も半端なく多いんですよね

。だからここは日本か、なんて。

アジアの街に迷い込んだような印象。


長崎と言えば、ちゃんぽん、皿うどん。

ネットで調べた中華街の有名店は即満席


でも、こぎれいなお店は何処に入っても美味しかった。

こちら、牡蛎や海老、イカ、アサリが入った特製皿うどん。

細麺のぱりぱり感が絶妙








まあなんと間が空いたことだろう。


旅に行ってないかというとそうでもなく、あちこち出かけたり芝居を観たりと言う日常は変わらないのだが。


昨年秋に無事に還暦になり定年を迎え、


人生でこれでもかという位の花束の嵐に見舞われた。




お花好きの私には 至福の日々である。


お部屋に明るい華があることの幸せ。


で、今回いただいた物の中で一番嬉しかったのがこれ。



熊野筆の化粧セット


限定品らしく 雪のイラスト入り。赤は還暦の赤かな。


やっぱり女性の友達はよく知ってる。


使うのがもったいないのだが、チークブラシの優しい感触はこれまた 朝の至福の時間だ。


そうこうしているうちに年が明け、私にとっては節分こそが大晦日。


立春で新しい春を迎える清々しさを感じている。