経営分析手法の一つに、5つの力(5Force=5F)分析というものがあります。
売り手の交渉力、買い手の交渉力、新規参入の脅威、代替品の脅威、業界内競合の脅威という5つの軸をもって、事業や業界の魅力度を分析するフレームワーク。
この分析によって、事業や業界の利益率を予想できることも多く、転職しようとしている業界の給与水準が高いかどうか(高くなるかどうか)を判断する有力な手段となります。
例えば、以下状況の場合、業界内の利益率が高くなることは考えにくく、企業としてよっぽどの強みを持っていなければ、高い給与水準は期待できないケースが多いでしょう。
(ざっくり分析なので、あらかじめご了承ください・・・)
【加工食品業界のケース】
売り手の交渉力→食料が枯渇している現在、強い価格交渉力を持つ。
買い手の交渉力→合従連衡が進み、かつプライベートブランド拡販を強化しつつあり、強い交渉力を持つ。
新規参入の脅威→業界が既に成熟しており、利益率も低いため、参入者は少ない。
代替品の脅威→外食企業/中食企業が低コスト戦略で攻めてきた場合、脅威になる可能性もある。
業界内競合の脅威→厳しい値引き競争が進行。プライベートブランドも大きな脅威になっている。
ただ、規制によって高い利益率を保証されている(マスコミ/金融業界など)もあるため、上記の5Fで業界の魅力度を判断するとともに、ライフサイクルの時点でその業界がどのフェーズにあるか(導入期/成長期/成熟期/衰退期)、国家による強い規制が働いているかどうかも合わせて考えれば、その業界に飛び込むか飛び込まないかを判断する上で大きな判断材料になると思われます。
(これに、業界内での当該企業の競争力をバリューチェーン等を用いて分析すれば、より精度が高くなりそうですね。)