経営分析手法の一つに、5つの力(5Force=5F)分析というものがあります。



売り手の交渉力、買い手の交渉力、新規参入の脅威、代替品の脅威、業界内競合の脅威という5つの軸をもって、事業や業界の魅力度を分析するフレームワーク。



この分析によって、事業や業界の利益率を予想できることも多く、転職しようとしている業界の給与水準が高いかどうか(高くなるかどうか)を判断する有力な手段となります。



例えば、以下状況の場合、業界内の利益率が高くなることは考えにくく、企業としてよっぽどの強みを持っていなければ、高い給与水準は期待できないケースが多いでしょう。

(ざっくり分析なので、あらかじめご了承ください・・・)



【加工食品業界のケース】

売り手の交渉力→食料が枯渇している現在、強い価格交渉力を持つ。

買い手の交渉力→合従連衡が進み、かつプライベートブランド拡販を強化しつつあり、強い交渉力を持つ。

新規参入の脅威→業界が既に成熟しており、利益率も低いため、参入者は少ない。

代替品の脅威→外食企業/中食企業が低コスト戦略で攻めてきた場合、脅威になる可能性もある。

業界内競合の脅威→厳しい値引き競争が進行。プライベートブランドも大きな脅威になっている。



ただ、規制によって高い利益率を保証されている(マスコミ/金融業界など)もあるため、上記の5Fで業界の魅力度を判断するとともに、ライフサイクルの時点でその業界がどのフェーズにあるか(導入期/成長期/成熟期/衰退期)、国家による強い規制が働いているかどうかも合わせて考えれば、その業界に飛び込むか飛び込まないかを判断する上で大きな判断材料になると思われます。


(これに、業界内での当該企業の競争力をバリューチェーン等を用いて分析すれば、より精度が高くなりそうですね。)

米国発の金融不安が実体経済に影響を及ぼし、日本国内の採用ニーズ減退につながってきてます・・・。



紹介事業は成果報酬型のため、現時点ではWeb媒体事業よりも業績の落ち込みが遅れていますが、企業の採用姿勢が明確に慎重になってきているため、近い将来に大きな影響を及ぼすことが予想されます。



景気による採用ニーズ減退は循環的な問題であり、5年~6年前に既に経験していることですが、以下影響を考えた際、近いうちにビジネス上構造的な変化が起こるのではないか・・・と思っています。



■少子高齢化による労働力人口減少

 →買い手市場から売り手市場へ。企業の採用難易度向上。

 →採用難易度向上から、従業員リテンション施策の強化。

 →派遣社員から直接雇用への切り替え、契約社員から正社員への雇用切り替え。

 →外国人・女性・高齢者の採用活発化、それによる雇用ポートフォリオの複雑化。

 →経験のみの採用から、コンピテンシー・パーソナリティも踏まえた採用へ。

■テクノロジーの向上

 →検索技術向上により、「キャリアコンサルティング」に該当する部分が技術に取って代わられつつある。

 →成果報酬型Web媒体の台頭。



このような変化が起こった時に、日本企業において離職率の低下が進むことも予想され、その場合は正社員採用ニーズそのものが消えてしまうことも十分に考えられます。そうなったら、人材紹介事業の存在意義はなくなってしまいますね・・・

この傾向が大きく進行する場合、リテンション戦略に強みを持つ人事コンサルティングファームが隆盛を極めるかもしれません。人材紹介会社についても、人材を供給する機能から、キャリアコンサルタントを活用して具体的なリテンションソリューションを展開する・・・という事業転換も現実的に考えられます。



ただし、絶対的な労働力人口不足により複雑な雇用ポートフォリオが必要になった際、採用戦略を完全に内製することが難しくなる可能性も高いため、実体的な人材供給のみならず、様々な採用手法の流通を担う人材紹介会社の存在意義は増すことも予想されます。



また、全般的な従業員リテンションを継続するというよりは、いわゆる「優秀な社員」のみのリテンションにとどめ、その他の社員は常に淘汰を行うという前提で、雇用のダイバーシティを加速するという方向性も考えられますね。



いずれにしても、企業の採用戦略に対する深い理解、雇用ダイバーシティを踏まえた採用戦略の提案が実現できないと、人材紹介営業としての価値発揮は難しくなりそうです。

また、企業ニーズの多様化や検索技術の向上により、個人と相対するキャリアコンサルタントに求められる資質が大幅に向上していくことが予想され、人材紹介会社としても今までの採用方針(若くて、頑張れる人材)を変更する必要があるかもしれません。



個人的には、具体的なソリューション機能(人材供給)という機能を有する人材紹介会社が消滅することは考えにくく、そこで働く人材に求められる要件が変化し、人材紹介業界で働く従業員数が減少していく(=少数精鋭化

が進行するのではないかと結論づけました。



思いついた時に、つれづれなるままに記載してみました。。。








米国発の金融不安もあり、最近は「将来性のある業界に転職したい」というご希望をお持ちの方が増えている気がします。



私も10月3日で二児の父親になりますので、絶対につぶれない会社があったり、一定水準以上の給与を保証してもらえる業界があるとすれば、確かに魅力を感じるかもしれません。




ただ、10年前はインターネット普及に端を発した「商社不用説」が唱えられていたり、都銀各社が採用を凍結していたりしていましたので、つい最近までのメガバンク新卒大量採用、商社の隆盛を予見できていた方は少ないように思います。

また、原材料/食料高が進んでメーカーや食料品各社が苦しんでいる姿、アメリカの高度な金融工学が綻びを見せている姿など、10年前に多数の方が想像できていたでしょうか?



「将来どのような業界や企業が隆盛を極めるか」を正確に予測することは非常に難しいことだと思います。

一方で、「10年後の社会にどのような商品/サービスが必要とされるか?」や「柔軟性高い市場価値を高めるため、今何をすべきか?」を緩やかに予見することは、将来性の高い業界や会社を引き当てるよりもはるかに容易であるように思います。



後ろ向きになってしまうような時勢であるからこそ、自身のキャリアについて真剣に考える方々に対しては、社会や顧客に必要とされる商品/サービスとは何か?、何が起こっても必要とされるキャリアとはどういうものか?、ということを最大限伝えていきたいと思います。



先日、「オーストラリアは、国民一人あたりのGDPがそれほど高くないにも関わらず、給与水準が日本よりも高いのはなぜか?」ということを友人と議論しました。



10分くらい話した結果、「日本には資源・原料がないから」という結論に至りました。



資源・原料がなければ、それを他国から輸入せざるを得ないため、資源・原料を有する国に比べて日本国内の物価は上昇します。

また、資源・原料そのものを売ることでは他国からお金を得られないため、それに付加した価値分しかお金を儲けることができず、同じ製品を輸出したとしても利幅が相当薄くなってしまいますね。



資源・原料を持たない以上、日本人がワークライフバランスを実現し、働きに見合った生活レベルを実現できるようになるには、非常にレベルの高い価値創造能力と、圧倒的な効率化能力が必要になると感じました。

(国レベルでは、必死に資源の権益を抑えようとしているようですが、思うように進んでいませんね・・・)



特に、国内サービス業の生産性は非常に低いといわれているため、私が属する人材業界も相当な努力が必要であるように感じます。



頭を使って、真剣に頑張らなくてはならないですね。

10月からグロービスマネジメントスクールに通うことになりました。

既に通っている友人と相談した結果、経営戦略を受講することに。



現在は戦術レベルの意思決定しか行っていないため、直接は役に立たないかもしれませんが、将来への投資、自身の時間密度を上げるため、名古屋での人脈構築のため、受講を決断することにしました。



通学は2週間に1度ですが、1タームの予習に7~10時間ほどかかるらしいので、覚悟して時間密度を上げていかなければなりません。

1講座で15万円ほどかかるので、快く了承してくれた嫁さんのためにも、様々な機会を活かして貪欲に吸収していきたいと思っています。



10月~12月、覚悟を決めて走り切る期間とします。

先週スタートしています。

1日に3時間以上残業しないよう、基本的には21時30分までには帰宅していますが、意外と回るもんですね。

一つ一つの仕事に期限をつけて、期限内に仕事が終わるようあらゆるショートカットを考えながら仕事をしているため、この1週間半で単純に仕事が早くなりました。


また、決断を後回しにしていた事項についても、その場で対応するか後ほど検討するかを即決しているため、「同じメールを二度見る」というようなロスタイムもはるかに減りました。


今までいかに無駄の多い仕事をしていたことかと思うと、恥ずかしい思いです・・・・


今までは0時に帰宅していたところ、最近は21時半~22時くらいには帰宅しているため、2日に1冊のペースで本が読めるようになりました。

また、週に2度は軽くジョギングもできるため、心身共に健康な状況。


状況が少々苦しくなっても、中期的見た際の会社に対するアウトプット、長期的に見た際の自らの成長を考え、このペースを継続していきたいと思う次第です。

「外資系キャリアの出世術」という本を読みました。

米国系企業において、昇進/昇格や一時解雇/リストラが、どのような基準に基づいて行われているかを赤裸々に記述した内容。



一言でまとめると、「自己利益に基づいて主張を繰り返すのではなく、経営者の立場に立って、経営者が期待する言動/行動を徹底しましょう」という内容でした。



私は日系企業に務めているのですが、マネジャーとしても身に覚えがある部分が多く、大いに勉強になると共に、自らが犯している過ちに少なからず恐怖を感じました。



昇進/昇格や一時解雇/リストラ対象の社員は、単に能力だけで決められるものではなく、会社の防衛本能に即した「暗黙のルール」によって決められるとのこと。



経営陣であれ、ラインの管理職であれ、人間である以上、自身が脅威に襲われないかどうかを常に気にするものだと思います。

そのため、単に昇格/昇進を求めるというよりは、組織や会社全体が幸せになれるよう、組織や上司の期待を明確化し、さらに良いサポーターになれるよう努力する必要を感じました。









マクドナルドが、直営店のフランチャイズ化を強化するとのこと。



過去にマクドナルドでアルバイトをしていた人間から聞いた情報からも、マクドナルドの強みは「高度に整備されたオペレーション、その実施に対するチェック体制」だと思っていたので、このニュースには少しびっくりしました。



現在日本全国に3000店以上のマクドナルドがあって、まずは100店~200点の規模からフランチャイズ化を始めるということなので、まずはパイロット的に始めてみて様子を見る・・・という形なのだと思いますが、主な目的は人件費も含めた固定費の削減にあると思われます。



ただ、マクドナルドのコアコンピテンシーを犠牲にする覚悟を伴うため、「店長に残業代を支給する」という意思決定が、外食業界全体を揺るがす、歴史的にも大きな転換点であったのかな・・・ということを感じます。



パイロット的なスタートながらも、今後マクドナルドがフランチャイジーにどのようなガバナンスを効かせ、コアコンピテンシーを維持するのか、かつ商品力/サービススキーム開発に注力し、どのようなクォリティアップを実現していくのか、注目をしていきたいと思います。

最近、短期の成果だけを追求していても前進できないため、中期観点でひたすら細かな改善に努めています。



今までは短期で逆転ホームランを打とうとしてきたばかりに、中長期の育成や業務改善がおろそかになり、それが組織の弱体化を招いてしまいました。



今後、人材ビジネスは本当に価値あるサービスを提供できる企業のみが残ることになるでしょう。



正直、体力のないベンチャー企業であれば、「今日の食いぶちを稼がなきゃ、中長期の成長とか言ってる場合じゃない!」という状況も考えられうるでしょう。

ただ、私の会社は中長期に対する投資を行う余力があり、それが企業としての強みでもあるはず。



過去の私であれば、「我々のグループが一つの会社だったとしたら、つぶれているかもしれない!」という形で部下を叱咤激励してきたかもしれませんが、実際は我々のグループが一つの会社であり得るわけはなく、大企業に組み込まれた一つのグループとしての機能を果たすことが重要。



ベンチャーマインドという意味での危機感は維持しつつも、中長期にじっくり投資できることを強みと認識し、着実に強い組織を創っていきたいと思います。