プーチン事業の未来 「橋に懸ける夢」
今年1月、嫁の故郷を訪問した際、市内南部の海岸沿いで、2012年アジア太平洋経済協力会議 (以下、APEC)に向けた開発の現場に遭遇しました。 かなり大規模な工事です。▼豪快に壊される家屋 ▼巨大な橋桁 ※現場の写真を撮り忘れたためインターネットから引用 経済危機(кризис)の影響を受け、当初の予算からは下方修正されてしまいましたが、それでも、既にAPEC用として、ロシア連邦予算が約2,000億ルーブル(約6,000億円)割り当てられ(州や市などの地方予算を含めるとtotal約3,000億ルーブル)、首脳会談の議場施設が建設されるルースキー島(Остров Русский)の開拓事業をはじめ、ウラジオストク近郊の主要幹線道路の整備及び、高速道路化など、計9つの大規模プロジェクトが計画されている模様▼APEC国際会議場建設予定地のルースキー島(赤枠内)その中でも世界の注目が集まる大事業-2基の大型橋梁工事。ウラジオストク空港からЗолотой Рог(金角湾)を経由し、APEC会場となるルースキー島(Остров Русский)までの海峡部分を陸路で結ぶビッグプロジェクト 1基目は北側に架かる”金角湾横断橋”(全長2.1㎞)、2基目は南側に架かる”東ボスフォラス海峡横断橋”(全長3.1㎞)前述したAPEC用予算の約40%にもあたる約800億ルーブル(約2,500億円)もの資金が費やされるビッグプロジェクトсупер!!!▼主要幹線道路高速道路化計画 図▼東ボスフォラス海峡横断橋 完成予想図 全長3.1㎞の長大橋 ▼東ボスフォル海峡横断橋CG。 完成すると、世界一の最大支間長を誇る斜張橋となります。▼金角湾横断橋 完成予想図 全長2.1㎞の長大橋 ただ、竣工までの道のりは険しく、南側の”東ボスフォラス海峡横断橋”の建設工期は着工から約4年かかると試算されているようです。現在の工事の進捗状況から計算すると、竣工は2012年APEC開催直前・・・ソチ(Сочи)冬季五輪に付随する人工島造成プロジェクト同様に工期の面で非常に切迫するスタイルは如何にもロシアらしいが・・・そのような状況下、今後においては、時間的余裕が無くなれば無くなる程、大規模工事の技術と実績を有する隣国日本への支援要請が活発になってくるのではないかと思われますまた、建設関連の分野でロシアとの交流が活発になれば、現在の日露貿易(日⇒露)の主である自動車産業以上の経済効果も期待でき、相互の経済発展と関係構築に大きく貢献することは確実です。更には、車の次にロシアの人々の欲求が向かう先はマイホームであり、そこには当然クォリティーの高い住宅が求められてくるでしょう。そうなれば、高度な耐震技術や寒冷地向けの防雪技術を持つ日本(特に北海道)建設関連企業のロシア進出も予測されます私的には、もっと多くの北海道企業がロシアに進出してくれることを願っています。 ロシアとの交流が深くなればなるほど、そこには当然、人の往来が増大し、必然的に交通網がより一層充実されることになるからです念願の空路”千歳⇔ウラジオストク間”の定期便就航も現実的になるのかな札幌の我が家から嫁の実家まで、ドアトゥドア3時間・・・プーチン事業である2基の長大橋が、国と国、個人と個人を結ぶ”夢の架け橋”になってくれることを心から祈る今日この頃