「不安な夜」<1><2><3><4><5><6><7><8><9><10><11>
只今「不安な夜1」をリク罠にした魔人的お祭り開催中!
始まりはひとつ、終わりは幾通りも!!な
パラレルエンディング★リク罠 「不安な夜」
続編お披露目特設お祭り会場はこちらо(ж>▽<)y ☆
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
「不安な夜12」
最上さんと貴島の「発表」は、仕事上のモノ。それを確認すれば、俺のこの不安は消える筈だった。でも、消せない。消えてない。
ドラマの撮影中、無理矢理20分程の休憩時間を捥ぎ撮った俺は、自分の楽屋へと急いだ。時刻は11時15分。聞いていた放送時間までの残り5分の間に、社さんから何かニュースが聞けるかもしれないし、出来ればそれで先に安心したかった。
そして、観てしまった。
俺は存在することさえできない、そのドラマの世界で生きる彼女を。
貴島演じる目の前の男だけを見つめる美しすぎる彼女を。
神秘的な微笑みを浮かべながら、男の首にその白い腕を回す・・・・・・・その美しすぎる姿をほんの一瞬だけ晒した彼女は、俺の知ってる最上さんでも、俺が過去見守って来た女優京子でもなかった。
(でも、これが今の最上さんで、京子という女優なんだ)
ラストの瞬間まで顔は見えなかったのに、その存在感は際立っていた。
そして、最後の一瞬・・・・・・・・・
(ある意味、今の彼女そのものなのかもしれない)
一瞬で観たものを魅了し、鮮烈な印象を与え、消えてしまうところが。
そう思った瞬間、今観たばかりの彼女が俺の中のここ最近の最上さんの印象と重なった。
俺の視線の先で沢山の男を魅了して歩いていた彼女。
俺の目の前にいるのに遠く感じてしまった彼女。
(それは、この役に入り込みすぎてたから?)
(だから、俺といても俺の存在をすぐに忘れてしまったの?)
(俺の目の前で、俺以外の何かのことを考えている様に見えたのも?)
(貴島と平気でイチャつきながら歩いていたのも、役のせい?)
そして、ドラマ終了後にも俺の試練は続いた。
衝撃の瞬間。
そんなもんじゃなかった。
一瞬では終わってくれなかったそれは嵐の様に俺を襲い続けた。俺の臆病な心と理性を薙ぎ倒した上に踏みつぶすだけの威力をもって。
あの象に踏みつぶされたという最上さんの携帯よりも、もっと酷い状態・・・・・・・・それが今の俺だった。
最上さんが貴島と作っていた二人だけの世界は、まだ終焉を迎えていない。
映画の宣伝活動は今後も続くだろうし、すでに次クールのドラマ撮影も始まっている筈だ。下手したら、映画の続編の話も上がって来そうだし・・・・・・いや、確実に上がるだろう。
『主役の二人も本当のカップルみたいに仲が良いですし』
(その「みたい」が抜けたらどうなるんだ?)
『素のトーコがまた可愛くて、皆の妹みたいになってるんですよ』
(最上さんは誰が見たって可愛いに決まってる!だから妹なんて、嘘だ!お前らみんな最上さんを狙っているんだろう!?)
そして、登場した最上さん。
(神様!!!どうして今日の彼女はこんなに可愛いんですか?)
(どうして!!!)
プッ!
危険を察知した社さんの手で、目の前にいた可愛すぎる彼女が消えた。
「蓮、とりあえず今観たものを忘れろ。で、今直ぐ仕事に戻れ」
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
「お前は今日ラストの仕事を完遂しろ!テッペン越える予定なんだから、気を抜いたら、簡単に朝までコースになるぞ」
この仕事場に着く前に社さんから言われた言葉。
気を抜いたつもりはないが、集中できなかった俺は、社さんと共演者、スタッフを道連れに、朝日を拝むコースを歩んだ。
続く。→「不安な夜13」
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そして、観てしまった。
俺は存在することさえできない、そのドラマの世界で生きる彼女を。
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神秘的な微笑みを浮かべながら、男の首にその白い腕を回す・・・・・・・その美しすぎる姿をほんの一瞬だけ晒した彼女は、俺の知ってる最上さんでも、俺が過去見守って来た女優京子でもなかった。
(でも、これが今の最上さんで、京子という女優なんだ)
ラストの瞬間まで顔は見えなかったのに、その存在感は際立っていた。
そして、最後の一瞬・・・・・・・・・
(ある意味、今の彼女そのものなのかもしれない)
一瞬で観たものを魅了し、鮮烈な印象を与え、消えてしまうところが。
そう思った瞬間、今観たばかりの彼女が俺の中のここ最近の最上さんの印象と重なった。
俺の視線の先で沢山の男を魅了して歩いていた彼女。
俺の目の前にいるのに遠く感じてしまった彼女。
(それは、この役に入り込みすぎてたから?)
(だから、俺といても俺の存在をすぐに忘れてしまったの?)
(俺の目の前で、俺以外の何かのことを考えている様に見えたのも?)
(貴島と平気でイチャつきながら歩いていたのも、役のせい?)
そして、ドラマ終了後にも俺の試練は続いた。
衝撃の瞬間。
そんなもんじゃなかった。
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そして、登場した最上さん。
(神様!!!どうして今日の彼女はこんなに可愛いんですか?)
(どうして!!!)
プッ!
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この仕事場に着く前に社さんから言われた言葉。
気を抜いたつもりはないが、集中できなかった俺は、社さんと共演者、スタッフを道連れに、朝日を拝むコースを歩んだ。
続く。→「不安な夜13」