恐れていたサシ飲みの日
そんなこんなでB子さんとサシ飲みの日がやってきた。(B子さんとは、前会社でよく話していた派遣社員の女性で、わたしより5歳年上)つってもわたしはソフトドリンクで。この日を迎えるまでわたしの脳内の中では、あれだけ引き留めたのに何故やめたの?ちゃんとした理由聞かせてよ!って胸ぐら掴まれて詰問されそう・・・B子さんパワー系だからな・・・なにしろものすごく気合い入れて行った。居酒屋で待ち合わせた。B子さんは既に到着していてわたしに向かって手を振った。久しぶりー!!元気なB子さんだ。しばらくお互いの近況報告し合った。B子さんは仕事が落ち着いた春先に2年前に発覚した婦人科系のガンの手術をしていたらしい。(病名は伏せますね)大変だったんだね、結構手術するまで悩んだんじゃない?術後はどんな感じなの?というわたしの質問にあっけらかんと言う。そう思うでしょ?!それが全然ー!更年期に悩まされるのが本当に嫌で全く悩まずに決めたんだよね!卵巣は残していたら体外受精もまだできるから卵巣だけ残す人も多いみたいなんだけど、そうすると卵巣にガンが転移してしまうと見つかりにくいらしいのよ。たから、卵巣どうしますか?残しますか?って先生に聞かれたんだけどわたし結婚願望ないし子供も産むつもりもないから秒で取っちゃってくださいって言ったよ。何も悩まずに手術したんだよね。子宮も卵巣も取っちゃった。ガンのせいで体調不良だからか今までイライラや不安感があったけど術後はそれもなくなって更年期の症状も改善されて本当に快適に生活してる〜驚いた。更年期の症状が酷くて悩んでるとは聞いていたけどガンになっていたなんて。あとこの人はやっぱり強い。でさーなんでやめたの?明確な理由ってあの時は言わなかったよね。やはり聞かれた。送別会の時は「色々思うことはたくさんあるけど 一旦リセットしたかった」ってぼやかしたけど、違和感があったらしい(笑)不妊治療に専念したかったんだよねそっかそっかー。てか、ごめん!◯課長から聞いちゃってた。jeanと仲良いっていうの知ってて教えてくれたんだと思うんだ!えーおしゃべりで引くわ!口止めしといたのに!課長は「もちろん言わない」って言ってたのにな。少し気を悪くしてモヤモヤした。だってさ、B子さんに言ってるってことはほかにも言いふらしてると思う。・・・まあ、いいけどさ。いやいくない!わたしの口から言うのと他人の口から言うのでは違うぞ!(・・・モヤモヤ・・・)不妊治療さ、頑張りな!jeanの年齢でも子供は授かるから。うちの妹も40歳で授かったし絶対大丈夫!諦めたらダメだからね!意外な言葉だった。自分は婦人科系のガンを経験して大変な思いをしてるのに明るく「頑張りな!」って言ってくれるなんて思ってもいなかった。(もちろん恐れていた胸ぐら掴む系の詰問も皆無)なんだかグッときてしまった。仲の良い友達に不妊治療してると言ってもミナミちゃんは熱く応援してくれるけど、他の友達は「へーそうなんだ」くらいでリアクションが思ってたよりみんなクールなんだよね。多分身近でもあまり聞かなくてピンときてないとかナイーブな問題なのであえて口を閉ざしてるのかもしれないけど、なんだか理解や応援されてない気もして。なんとなく孤独に感じやすくなるっていうか。気持ちの持って行き方がわからなくなるっていうか。とにかく今回B子さんのように明るく元気に応援してくれるのってとても貴重で本当に嬉しかった。子供ができたら教えてね!写真送ってよ!あ、いや、jeanの家まで見に行くからね!絶対諦めたらダメだからね!約束だよ!とても励まされた。めちゃくちゃ意外。いや、もともとこの人はスーパーミラクル気が強くて怖いけど情に厚く気はいい人だ。気がついたら感極まって泣いてたよね。泣き虫なのバレた。何度も言うけど本当に嬉しかった。結婚報告した際に感じ悪かったからモヤモヤしてたけど突然の報告でビックリしたからああ言っただけで悪気はなかったのだとそう思うことにした。感じ悪いと受け取ったことに申し訳なく思った。そんな悪い人ではない。たぶん。恐れていたサシ飲みは蓋を開けたら励まされて元気をもらった。B子さんの言葉がありがたかった。不妊治療、頑張ろうと思えた。